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笑い話
ここにとても笑える話がある。
それは本当に面白くて、聞く者すべてに笑顔をもたらすような話だ。
そんな話をひとりのコメディアンがしている。
もしかすると、誰もが一度はテレビで観たことがあるかも知れない。明るく、喋りの上手さで定評のあるコメディアンだ。
そんな彼が、とても笑える面白い話をしている。
焼け野原の真ん中で。
聞く者は誰も居ない。黒焦げになった死体ばかりがある。
彼は笑える話を喋り続けている。
彼の隣りには、彼と同じ指輪をした黒焦げの遺体がある。
喋り続ける彼自身も半身は黒焦げ、もう半身も焼け爛れている。
それでも彼は立ち、唇を引きつらせながらもその笑い話を続ける。
ずっと続けている。何度も繰り返している。
やがて、言葉が途切れると彼は倒れた。
ここにとても笑える話があった。
今ではもう、笑えない話だ。




