ポンコツロボット
そのポンコツロボットは壊れかけなので、大概のことが上手く出来ませんでした。
けれど、拾ってくれた御主人様は「それでもいいよ」と優しく笑ってくれます。
そのポンコツロボットは壊れかけなので、登録されている歌も雑音だらけでした。
けれど御主人様は「それでもいいよ、歌っておくれ」と優しく笑ってくれます。
「君はロボットだけれど、もう僕の家族だからね」
そう言われて御主人様のように笑顔を作ろうとしましたが、壊れかけのポンコツだったので上手く出来ませんでした。
そのポンコツロボットは壊れかけなので、正常なロボットが出来ることはほとんど出来ず、かわりに正常なロボットには出来ないことが出来ました。
その日、ポンコツロボットは御主人様に襲いかかり、大怪我を負わせたのです。
ポンコツロボットはロボット三原則に抵触したとして壊され、鉄屑になってしまいました。
けれど御主人様が退院する頃、短くも激しかった戦争が終わり、怪我の為に先延ばしとなっていた徴兵も結局無くなりました。
そのポンコツロボットは少し間違えたかも知れませんが、正常なロボットには出来ないことが出来ました。