表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

赤色に誓う少年


今日も、隣の家では家族で騒いでいる音が聞こえる。

カイトは、彼にとって最早真っ赤にしか見えない月を眺めていた。

ただ、磨く。磨く。彼は、その時の為だけに爪を研ぎ機を狙っている。そう、《赤色》に誓った。


朝、階段をゆっくりと降りるカイトは、テーブルに座って紅茶を啜る男に声をかける。


「おはよう、叔父さん。」


「おお、おはようカイト。昨夜はぐっすり眠れたか。」


「ああ、もう大丈夫だよ。子供じゃないんだから。」


笑顔。その完璧な笑みが『作られた』笑みだと気づける者は、世界中探してもそうはいないだろう。


「おお!そうかそうか。それはよかった。」


今までの心配そうな顔を一変、豪快に笑う男。

男は叔父として、そして今では唯一の肉親として彼の笑顔に安堵した。


「うむ、カイトよ。お前も今日から学園だ。学園を卒業してしまえば、お前ももう一人前の男だと俺は思う。よって!子供として、今楽しめることを学園で精一杯楽しんでこい。俺に迷惑がかかるとか言って遠慮なんかすんじゃねえぞ?

子供は大人に迷惑かけてナンボなんだ。‥‥‥‥よし、行ってこい!」


喋りつつ席を立ち、カイトの元に行くとその背中をバンッと叩く。

カイトは、学園に通うに当たって寮に入る。


「はい、叔父さん。今までありがとうごさいました。

長期休暇には帰ってくると思いますが、取りあえずさようなら。」


そんなカイトのセリフが、カイトを我が子のように見てきた男にとってたまらないモノだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ