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どーすりゃいいのよ、デート服

最近、深刻に悩んでいること。

…デート用の服って、男ウケを考えた方が良いのだろうか…


本当にぶっちゃけると、アタシは化粧に興味が一切ない。

仕事柄、汗だくになって働くガテン業なので、やるだけ無駄なんじゃないかと思った途端、

ぱったり止めてしまった。


もっといえば、

ヒールというものが どうにも不健康な気がして これまた興味が無い。

スカートも然り。

日常行動の足が 自転車。しかも、ロードバイクという競技用の自転車なので スカートなんぞ履く余地が無い。

片道25キロぐらい ラクラク行けちゃう乗り物に味をシメて御覧なさいよ。

バス代・電車代、掛りまてん。車も要りまてん。ダイエットの必要もございまてん。


もーだめ

今の生活、快適すぎる!抜け出せないわ。


そんな中、急遽 出来てしまった「彼氏」という存在。

どうすりゃいいのよ、デート服




半べそのアタシが 最初に向かったのは本屋だった

ファッションという流行から久しく遠ざかっている。

てゆーか、流行そのものから 遠ざかってますが何か?


片っ端から ファッション誌をめくった。

それこそ、

17歳前後の高校生対象のものから、ちょっとフェミニンな20代向け、ギャルギャル向け、女っぷり満載の30代向け。

変わり種で言えば、

古着屋に居そうな女の子向け。

リアルの森には絶対居ないだろうと思われる「自称:森ガール」向け


だめだ、興味がわかない。

むしろ、着て似合わなくないとは思うが、敢えて着たいとは思わない。


どうしても、

スポーティでシンプルなメンズカジュアルか、

アウトドア系でフル装備した山ガールの方がよっぽど着たい。

色気皆無だ…


「手掛かりだけでも掴まねば」必死にコーナーを見渡すが、既に 半分諦めの境地。

だってさー、

そもそも「色気」って何よ? 

露出度上げたところで、アタシだったら健康的に見えて終わるわよ?

唇が生っぽくなったところで、「油モノ食べたの?」になるわよ?


あー無理無理




結局。

悩んだ挙句の果て、オフィスカジュアルな服で 相方と会うことにした。

少しでも シャープさと清潔感のある「出来る女風」

お気に入りのネックレス・バングル・イヤリングは、全部シルバーで統一

唯一の妥協で、ヒール付きのサンダル

化粧も涙を飲んで、うっすらやりましたけど、久しぶりすぎて 加減が分からんばい


もういい!

い、いざ 出陣!




えー でもって結果ですが。

彼氏?の開口一番「御苦労だった。…慣れない事を頑張ったんだろ?」


プッククという中途半端な笑いが一番傷つく。

いや、たぶん 何をやられても 傷つくと思うんだけどさ~

「どうせ、一張羅ですよ~ 普段、こんな服装しませんから」

フ、と鼻で笑う仕草が 本当に似合いすぎててむかつく。

「そんなヒネくれた顔するな。似合ってない訳じゃない」

うっ ビミョーな言い方するわね。言われると痛いんですけど。


はぁ。でも実は、本当に疲れた。恋愛ってこんな一喜一憂の積み重ねなんだぁ

こんなん連続だったら、オラ身がモタナイだよ…楽しむ余裕、ないし!

ふう、とため息をついた。

やっぱ、オシャレって 楽しめないと楽しくない。

化粧で化けてみたいとも思うけど、ゴッテリやったら「アタシ」じゃ無くなっちゃいそうで、実は嫌

みんな似たり寄ったりの服ばっかり。

ねぇ、その時の流行が「いい」と思えない人間はどうするの?

皆、我慢しながら、皆と同じ事に安心しながら 着ているのかなぁ… つくづく分からない



ポンポン、と頭を叩かれ、視線を合わせた

「どうせ、可愛いとかの服は着ないだろうな、と踏んでいたから 予想は出来てた。」

最初から読まれていた、と!!

あーそうですかい。恥ずかしさなのか、怒りなのか 体温上昇っ!顔が赤くなる


「お前のことだから。普段、どうせ ジャージだろ?

 俺とプライベートで会うことになって 引っ込みつかなくて、気張ってきたんだろうなぐらい分かるよ」

相変わらず腹が立つくらい正確なお見立てですこと~っ!!

まぁ、この男だったら それぐらい計算できるんだろうな。そこに挑もうとしたアタシが馬鹿だったかもしれない

嗚呼、こんなアタシを アンタはどう誘導するつもりかい?

しんねりした顔…半分ヤケで半分気だるそうな複雑な表情して、目線をまた合わせた


「まさか、本当にジャージ?」

それは、さすがに違うけど。

「どっちかっていうと、今、柏木さんが着てるメンズのラフでシンプルな服の方が好きかも」

本当にオシャレに興味がないのだ。

色気もそっけもない、むしろ 凝ったデザインやカットなんかよりも 素朴な服な方が好きだ。

厚手のふんわりしたセーターとか、余計なステッチとかないパーカーとか。

残念ながら レディースには少ないんだけど。


「今度、普段着てるのを着てこいよ。…化粧して、着飾ってきた姿勢は可愛いが、似合ってるとは言いづらいな」

クックックと引き続きの苦笑いが、まだ続いている。

「ぎくしゃくしたままのお前も、見てて楽しいけどね。こっちの調子が狂う」



まぁ。

笑われてはいるけど、「似合ってるとは言えない」とおっしゃっとるけど、

「姿勢は可愛い」と言ってくれた時点で、奴なりに愛情はあるんだろう

そして、

こちらの涙が出るくらい正確な予想を立ていたにも関わらず、

「地の姿が見たい」と言ってくれてる辺り、ある程度は察してくれているのだろう。


正直に言ってくれるのは、たぶん誠意だ

あれだけズレのない推測が出来るのに、「ラフでいい」言うのは 理解だ。


なんかちょっと。

アタシって 本当に 愛されてるのかも。

そう思ったら、着飾ってもいいかなぁ?とちょっと思った。

カワイイ・素敵 と言われたい。内心でもいいから、喜んでもらえたら 私も嬉しい

恋する女って、そこが基本なのかもね。




ま、次回 お許し通りに ラフなカッコをして登場したら

「似合ってるけど、もったいない」と、よく分からないダメだしが出たんですが。


どーすりゃいいのよ、デート服

オシャレは、やっぱり 難しい。。。

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