面談は台無しに!果たして結果は・・・
幸い渋滞がなくて、無事XX駅に到着しました。健は車を駅近くの駐車場に止まって、二人は3番出口に向かって歩きました。小雨がまだずっと降っていました、静香は傘をさして早く歩いていました、健は少し後でついていました。遠くから3番出口の傍に一人の男性が立っていました。静香は直感ですぐ高橋先生と分かりました。彼女は速足で真正面に行き、少し頭が下げて挨拶しました。男の人は静香を少し注視して、微笑んで言いました「陳さんですか?」
静香も笑みを浮かべて言いました「はい、陳です、高橋先生ですか?」
「高橋です、初めまして」男の人は写真とそっくりで、優しい顔をしていました。
「初めまして」静香が答えました。
高橋先生言いました「大学の入構に関する運用指針は先日変更があって、保護者の入構も可能になりました、大学で話をしましょう」それで彼は先頭で案内しようと歩き出しました。
「陳さんは透析病院の院長ですか?」高橋先生歩きながら聞きました、
「私はただの雇われ院長です」静香は謙虚で言いました、彼女は自分の後ろを指して健を紹介しました「主人です」高橋先生は健に挨拶して、大学の正門方向に行きました。
静香はこの大学に来るは初めてですので、道は全然分かりません。幸い駅からそう遠くないので、すぐ正門に着きました。正門の所に警備員が二人立っていました。高橋先生は二人に言いました「数学科教員の高橋です、この二人は生徒の保護者です。入構してもいいですか?」高橋先生の態度はとても謙虚で、警備員に対しても上からの目線が全然なくて、ごく自然で話をかけているのを静香は気づきました。心の中にこの先生に対する好感がさらに増えました。一人の警備員は言いました「かしこまりました。名簿に名前を書いてください」健はすぐ自分と静香の名前を書きました。ただ静香の名前は田中静香と書きました。静香の本名は陳静香ですが、結婚しており、通称名は田中静香ですが、仕事上彼女はずっと自分の本名陳静香を使っていました。彼女は患者さんがすぐ自分は中国人でいることを分からせるためあらかじめ自分の本名を使っていました。
高橋先生は二人を一つ大きい部屋に案内しました。緊急事態宣言の時期ですので、大学には閑散していて誰もいませんでした。高橋先生は静香と健に椅子を勧め、自分も対面に座りました。
「今日面談していただき、ありがとうございます」静香は頭を下げて言いました。
「田中君のこと、お母様からいろいろ聞きました」高橋先生言いました「金曜日、田中君とZOOMでゼミをしました、今まで取った単位と残った単位について、いろいろ話をしました。」
静香は心配そうに聞きました「亮は先生に何をいいましたか?」
高橋先生答えました「田中君はすでに4科目の受講を選択しました、この中の2科目は出席すれば、単位がもらえる科目で、もう1科目は先生がとても優しく、試験がありますが誰でも単位が取れます。最後の1科目は少し頑張ることが必要です」
静香は胸を撫でおろしました「亮もちゃんと考えていますね」彼女はまた話をしようとした時、傍の健は彼女の話を遮りました「亮はいつも頑張り屋さんで、単位を取るのは問題ではありません」
高橋先生は健に顔を向けました「お父様のご意見は何ですか?」
健はすぐ言いました「今日先生と相談したいのは亮の就職の問題です、もうこんな時期なのに、亮は全然就職の行動が見えません」
静香は苦笑いしました。彼女は健の性格がとても分かります、健は息子が大好きで、もちろん息子のことが一番大事にしていたが、でもとても頑固です。来るとき何回も念押したのに、健はやはり彼女に話をさせませんでした。今は亮が卒業すら難しいなのに、健はまだ就職に拘っていました。実は家にいる時、静香は健に高橋先生の返信を見てとお願いしたが、健は全然見向きもしませんでした。それに、今日は高橋先生の助けを懇願するという大事な機会なのに、健はただただ就職の一件に拘り続けました。静香の心の中に焦りを感じました。でも彼女は健の話を遮ることができませんでした。今健の間違いを指摘すると、健は怒り、自分と喧嘩になるかもしれません。やはり静香は他の人の目の前で、自分の主人の話を否定することができません。彼女はただただ口を強く閉じたままでした。
高橋先生も健の話に対して少し困惑した表情を見せました。でも彼は依然として柔らかい口調で健の質問に答えていました。話が脱線のまま違う方向に行ってしまいました。静香はどうしょうもなく、高橋先生の顔を見ました。そしで健は亮に就職行動を起こすために、仮の卒業見込み書が必要と言い出した。高橋先生は体を起こし、傍に行き、電話を掛けました。事務に確認すると仮の卒業見込み書が発行できると返事をもらって、健は満足しました。そしで健は立ち上がり、面談を終わりにしました。静香も無言で立ち上がり、健の後ろをついて外に行きました。ただ、ドアを出る前に彼女は振り返り、高橋先生の目を見つめました、高橋先生も立っていて、健と静香の帰りを目で送りしていました。二人の目が一瞬に会い、その後静香は目を伏せて速足で出て行きました。
帰る時、静香は何も言えませんでした、彼女はとても失望しました。今日は高橋先生を亮の味方につけるつもりでしたが、健の発言ですべてが壊れました。健はもともと外資系の会社に働いていましたが、5年前に早期退職して、ずっと家庭主夫でした。だんだん考えが社会常識と離れていて、ただ健自身は認識していなかったです。また健はとても頑固で、今でも自分が主導者で、自分の決定はすべて正しいと考えていました。言わば昭和の頑固おやじでした。
静香は当初医者になったばかりの時、確かに社会経験不足で、よくいろいろなことを健に相談しましたが、その後何年が立つ、特に透析クリニックの院長になった後、静香は飛躍的に成長して、社会経験も豊富になりました。でも、健は変えませんでした、依然として静香に命令していました。この件について静香もずっと悩んでいました。彼女は自分に対する健の間違った対応について主人に指摘できず、ずっと心が悶々としていました。今日のこともそうですし、何回も念押ししたが、健はちっとも聞いてくれませんでした。亮の件について、健を連れて行かなかったら良かったのに静香は心で言いました。彼女はさらに深いため息をしました。
家に帰り、亮はまだ自分の部屋にこもっていて、静香は声をかけても、返事一つもありませんでした。静香さらに気分が沈んで、晩御飯も食べられず、早めにベッドに着きました。この晩、静香はずっと悩んで、一睡もできませんでした。
でも、翌日、高橋先生の返事が来ました。
「陳様
昨日はご苦労様でした。お母様とお父様のお話を伺って、亮君はとても大切されていることが分かりました。今後も指導教員として努めてまいります、よろしくお願い申し上げます」
やった!と静香は歓喜の声を洩れました、すべてが終わりではなかったです、高橋先生は亮を見捨てなかったです!歓喜のあまり、涙が浮かびました。静香はすぐ返信をしました。
「高橋先生
ありがとうございました。私たちと亮も頑張ります。先生のご厚意を無駄にならない様に。これからもよろしくお願いいたします」
日曜日は少し休みを取り、来週また再開します。よろしくお願いたします。




