上を向けば楽園がある
「んぐ」
「よかった、死んでなかった」
モカは胸を撫で下ろした
「とりまそれ切りますね」
「すまん、私が見誤っていた、まさかあそこまでのエンジェルだったとは」
「そんなに強かったんですか?」
「お前は・・・、ああ泥棒のガキか」
「泥棒のガキて、酷いっすね」
「お前名前は?」
「あ、はい、イガラシ イブキっす」
「お前、戦えるか」
「うす」
「なら話は早いな、私とリベンジに行くか?」
「ハイッス!」
サトルは臭いを辿りエンジェルを追った、着いた部屋には大量の死体があった
恐らくこの屋敷の者達だろう
「あれ、来たの?なるほど、キミが助けたってわけね」
「まあ、この人には間接的に命助けられたからな、そんなことよりさっさと戦わせろ、こちとら鬱憤が溜まって仕方ねえんだよお!」
イブキはオオナタを創り切りかかった
〝斬撃鬼〟
「おい待て!」
何かに引っかかった
『!?コイツは、糸?』
「そいつは防御用に糸をそこらじゅうに張り巡らしている、むやみに動くんじゃねえ」
「だったら飛び道具だ」
手裏剣を創り放った
〝煌鬼〟
「そんな物で私を殺せるとでも」
エンジェルはナイフ一本で全て薙いだ
「だからむやみに動くなと言っただろ、手の内を明かすだけだ」
「すまねえっす」
イブキは素直だった
「ちょっとこっち来い」
「・・・はい、はい合点承知っす」
「ふっ何か思い着いたようだが所詮私にはかてぬ」
〝煌鬼〟
『またそれか、芸の無い』
「それでは倒せぬと言っただろう」
手裏剣は天井の照明を撃った
「明かりが、照明を破壊し目眩ししたつもりか」
数秒した後、金属がすれ打ち合う音が聞こえる
「これは、まさか周りが見えぬ故ぶつかり合っているのか?当てずっぽうで仕留めるつもりか、まあいい、天井を壊せば月明かりで少しは見えるようになる、
さあ、フィナーレだ」
月明かりを確保し、上を見れば、彼がいた
「は?」