月明かりは見ている
すんでの所で彼は止めた
「んああ・・・やっぱりか・・・何か変だと思ったんだ、無償で守るってのは嘘か、気味悪いくらいのよそよそしさ、バレバレの作り笑い、今までこれでやって来れたことは褒めてやる」
「ふぁっ!?え、何何どういう事?」
「どうもこうも、こいつらが私達をはめたということだ」
「くくく、いくら貴様が強いといえど、この数を相手にできるかな」
「そうだな、部屋も狭いし・・・じゃあ逃げるか」
サトルはモカを抱え、天井を突き破った
「おわーーー!!」
「おいモカ、お前の能力で何か掴めねえか?」
「え、ああ、えーと、あそこのお屋敷みたいなとこから何か凄い気配を感じる・・・かも」
「わかった、いくぞ」
屋敷の屋根を壊し飛び入った
『びっくりしたーガチではめられていたとは』
モカはそう思っていた
「うわあ!何だ貴様らは」
「ここにいるエンジェルの居場所を教えろ、さもなくばここら全てを破壊しても引き摺り出す」
「むむ、お前らさては生贄だな、どうやってここまで来た」
「走って来たが何か?」
「な!宿からここまでに見張り役を何人も置いていたはず」
「ともかくさっさと教えろ」
「そう言われて言う馬鹿がどこにいる、逃げた贄を捕まえた事には感謝するが、貴様らには今から死んでもらう」
「贄を捕まえた?まさか」
「ふっ、どうせ今夜限りの命、教えてやろう、エンジェルに課された契約は、少年一人と通常の人間一人を生贄とすることだ、そして我らは少年一人分として家の少童を、通常の人間として旅人を攫いストックしていた、だが生贄になるはずだった我らの子供が一人逃げ出した、貴様らもここに来た時見ただろう、そいつが逃げ出した生贄だ、だがあの方は全ての通常の人間のストックを全て捧げることで許してくださった、何と慈悲深い、くくく、まあそいつは、贄として今は地下に幽閉されているがな」
モカは、唇を噛み締めた