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GAME23

《邪魔色ピース》




「ジャストボルトスリーが……!? ──ッ誰だアイツ……教官の仲間か!」


 アウロラの弓を破壊し連携技を破ったというのか、ナットゥだけでなく誰もが現れた茶髪の男とその見たことのない黒い武器に気を取られた。


 しかし、一人のオンナだけは虎視眈々と〝クビ〟を狙っていた。


 突然、グリーン・ガレットシーに弾丸が乱れ撃たれた。余所見していた大将首を襲ったのは、痺れる地獄からたった今息を吹き返した黒い狼ブラン・ブラッキンであった。


 手放していた双銃を両手に拾い上げ、老将が見せたその僅かな隙に縫い付けるように弾丸を連射する。


「余所見かァッ!!」


「ぬぅ!! 弱った獣ほどとは!!」


「──借りるぞっ」


「オイッ、俺の剣!?」


 グリーンは慌て防御体勢を取るが、そのオンナの勢いは止まらない。笑みはない、本気だ。形相を鬼のように変えた教官が、双銃を連射しながら接近し一気に隙を見せた老将を急襲した。


 この押し切る気だ。彼女は教官、彼女はブラン・ブラッキン、たとえ相手や状況がどうであれ訪れた千載一遇の好機を逃さない。


 だが、やはり双銃の放つ魔弾の威力ではそのタフな老将の巨躯を打ち崩すことは難しい。そこでブランは、前進しながら未だ敵に見せていない手の内を解放した。


 彼女の武器はその双銃でありその双銃だけではない。隠された変形機構を搭載した特殊な武器が、手元で素早く組み合わさり、新たな爪を見せつけんとした。


 銀色のピースを交差させ組み合わせた、老将を襲ったトドメの刃は、しかし────完成せず。


「ナッ──!?」


 前のめりになったあまりの手元の操作ミスか、込める魔力が足りなかったか、変形の手順を間違ったか。いや、そんな訳はない。


 老将の首を落とさんと、繰り出されたブランの刃は届かず。歯に魚の骨が詰まるような感覚──差し挟まった一本のエラーが、全てを台無しにした。


「マジになんな、よっと! そんな燃費の悪い武器でっ」


 クロスした銀色の変形機構の間に、差し込まれたのは刃。見習い鍛冶師が苦労して造った新品のブーメにいきなり派手な傷をつけさせる訳にはいかない。尻餅をついた男子生徒から拝借した一本の剣が、完成間近だった銀色のパズル遊びの邪魔をした。


 老将の前に突然阻むように現れたのは、さきほど一瞬、彼女が視界端に認知した茶髪の男、そいつのシルエット。


 そしてご対面したのは、彼のよく知るユニット。目の前で銀色に輝くのは、彼も実際に手にしたことのある、ひとクセもふたクセもある迷作武器。


 魔力漲る派手な金属音と雷電が、鉢合わせた二人の間に疾った。


 ハサミのような形をした未完成なパズルが、無理矢理圧するように、挟み込んでしまったその邪魔な鉄色のピースをへし折る。


「チッ──! ……貴様、何様だ!」


「王ヂ様だ、──ハァッ!」


 何様と問われれば、答えてやる。目元の皺を深め、クールに睨む教官のご立派な腹へと、ご挨拶の突き刺さる尊大な右足を添えて────。

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