天蓋ってなんのためにあるの?
処女作。亀更新。
ぼちぼちやっていきますので暖かい目で見守ってくださいm(*_ _)m
私、リディアーナ・マルセロは悪役令嬢である……かもしれない
━━━いや、だってここがなんのゲームなのか、むしろゲームの世界なのかすら分かっていない人が転生先の未来なんて分かるわけある???私は分からんよ!
ゲフンゲフン、失礼取り乱しました。改めまして、もう一度自己紹介をしたいと思います。私の名前はリディアーナ・マルセロ、この先の未来で悪役令嬢になるかもしれない女ですわ。
なぜこのような結論に至ったのか少しお話しようと思います。
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
目を覚ました時には見覚えのない天井。日本在住日本人で一般家庭出身の私の家にはないはずの天蓋が目に入る。うーん、頭がガンガンする。寝起きだけはいいはずの私が頭痛で目を開けてられないなんて本気で体調不良かもしれない。
目を閉じていると少し痛みが収まったのでその状態で体を動かしてみる。正確に言うと腕を横にスライドさせる様にして両方の腕をパタパタと動かす。……なんか私いつもより小さい気がする。いや、寝台が大きすぎるだけ?あ、なにかに当たった。短く感じる腕の先に触れたのは温かい布?指先で軽く押してみると、わっ!
「うん…?ケルト変なとこつつくんじゃない…」
喋ったー!知らぬ間に布切れが喋る世界に来てしまったのか。いや、なんでやねん!……いや、ひとりノリツッコミは辛かった
私がただの布だと思ったそれは立派な人間でした。それもかなり美形な男の子。……なんで私の寝台に?夜這いにしてはリラックスしすぎているような。……レディと同衾の時点で疑っても良いよね!私がどんなスペックでもね!と、急に自信過剰発言の弁明を入れるくらいには私は混乱していた。
思わず飛び起きる私……のハズが体を起こした瞬間こてーんとひっくり返る始末。私にかけてあったふんわり羽根布団が動くと謎の同衾状態の男の子も本格的に覚醒する。まだ、年端もいかない感じなのに絵になるご様子にたまげていると、
「ん…朝か、、、んッッッ!リア!目が覚めたの?体は?どこか痛いところはない?」
綺麗な碧眼が見開かれ俊敏な動きで私を胸に収めると、慌てたように問いかけてきた。その様子をただただ見上げるだけの私を見て混乱してると思ったのか寝台の横のテーブルに手を伸ばし、ベルを鳴らす碧眼イケメン。
すぐに足音がして私のいる部屋に近づいて来るのが分かる。素早いノック音の後、
「ヴィンセント坊っちゃま、お嬢様になにかございましたでしょうか。」
低めの女性の声が室内に響く。その時部屋見渡したけど、クッッソ広いな!多分、ここだけで私の元の部屋四個は入る。全体的にぽわぽわ〜としててピンクとか白とかを基調に死ぬほど可愛い部屋である。地雷な感じの人が好きそうな雰囲気ムンムンで正直ここに住むのは勘弁願いたいような部屋だった。
「リアが!目を覚ましたよ!早くファントレ先生をお呼びしてきて!」
私がのんびり部屋の観察をしていると待ちきれないといった感じで声をあげるヴィンセントさん。あってるよね?女の人が呼んでたしお嬢様とやらが私のはずだし。おそらく。
「本当ですか!……今すぐお呼び致します。」
食い気味の驚嘆とコンマ空いての落ち着いた様子。そんなに心配されてたんか。まあ、ヴィンセントさんもそんくらいの驚きだったし、そうなんだろう。
麗しのおのこに抱き上げられている状態をよく見ると……自分の体の様子に愕然とした。寝台で動いた時の違和感は現実のものだった。私の体は幼児の……四、五歳くらいしかなかった。え?なんで?
困惑の極みの中にいる私を絶望へと振り落としたのは、
「痛い?お水飲む?よしよーし、いい子だねぇ。ふふ。」
(おそらく)私が目覚めたことで機嫌が良いヴィンセントさんが何も入っていないグラスを差し出してくる。うん?おままごとでもするか?この状況で?
よく分からなかったが、口を付けるように促すので諦めて飲むふりでもしてやろうとグラスを口に付けると、、、、
「んんんッッッ!ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」
なんということでしょう。何も入っていないと思ったグラスから水が溢れてきたではありませんか。思わず家がリフォームされそうな勢いで驚いた。突然噎せた私に慌てて背中をさするヴィンセントさんを横目に私は確信した。
ここは日本でも、まして地球でもないところであることを
お読み頂きありがとうございました!