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 一応辺りを警戒しながら先へ進む。雪が積もっているからか、草は生えていない。雪の下かな?とりあえず食べ物だけでもサーチできないかな。できればモンスターとか動物とかも。


 生き物に向けて魔法が使えるのか、早めに弱いモンスターで試しておかないと。日本で暮らしてたら生き物を殺す事ってないもん。ビビらないように、冷静に対処できるようにしておかないとたぶんこの世界では生きて行けない。

 鳥とかなら割と原型のまま見かける事はあったから、できれば鳥がいいな。鳥でも厳しいだろうな‥先のことを考えていると少し気分が悪くなって来た。


 ふぅ、そんなことよりまずは食料探さなきゃ。

 サーチ!


 自分の魔力が薄く、広く、波紋のように広がっていく気がする。ん?何かに引っ掛かってる?


 魔力が少し揺れたような気がする地点に足を向ける。とりあえず確認しよう。


「確かこの辺だったはず。」

 他の場所となんら変わりのない場所に魔力を集中させる。うーん、やっぱりこの雪の下に何かあるみたい。とりあえず掘ってみますか。集中させてある魔力を使ってそのまま雪を掘る。



 もしかしてこれかな?これ以外には何もないよね?

「ってどんぐり一個かよ!」

 うぅ‥確かに食べられるだろうけどこれじゃない感が強い。


 とりあえず

 鑑定


※※


 妖精の木の種

 魔力を注ぐと育つ。何が育つかわからない。食用。


※※


 ふむふむ。魔力を注いで元の場所に植えておこう。うん。手元に置いておきたくない。猿かに合戦みたいなものだよね。育てばラッキー。

「じゃあね、美味しい実をたくさん付けたらまた魔力を注いであげるよ。」

 土を軽く掘ってから魔力を注いで植える。水も忘れずにかけてその場を後にして先に進む。



 ‥そろそろトイレに行きたいんだけど。



 ここは森の中だ。



 ‥異世界でトイレに行きたくなったらどうするの?そこらでするの?人がいないってわかってても外ってちょっと恥ずかしいよね。パチ屋の外とか、海とかでシャーってしてるおっさんとかたまにいたけどどうなのかな?山とかにもいたな。山道外れたところ。せめて周りを隠したい。慣れるまででいいから。



 ポクポクポク


 そうだ!


 魔法で周りの雪をかき集めて積み上げる。中に空間を作って崩れないように固める。よし、できた!かまくらって一度作ってみたかったんだよね。本物なんて作ったことないし、簡易トイレの個室みたいな扱いだもん。しばらくの間崩れなきゃいいよね。終わった後はクリーンかけて埋めておけばいいよね。



ーーー


 しばらくサーチで辺りを探索する。だが何も見当たらない。

 ふぅ、少し疲れたな。座りたい。辺りを見回す。

「この辺りの木って切ってもいいのかな?」


 周りの木に鑑定をかける。加工しやすいかどうか、どのようなことに使えるのか。


 鑑定


※※


 木

 薪にできる


 木

 薪にできる


 木

 水分が多い。乾燥させるのが大変。薪にできる。


 木

 薪にできる


 木

 とても硬く加工しにくい。丈夫。


 木

 柔らかく加工しやすい。脆い。


※※


 えーと‥全部木なのはわかってるよ?名前は?品種は違うように見えるけど‥子どもかお年寄りかの違いじゃないくらい違うよね?意識して鑑定したらいいのかな?


 鑑定


※※



 木[名前はまだない]

 薪にできる


 木[名前はまだない]

 薪にできる


 木[名前はまだない]

 水分が多い。乾燥させるのが大変。薪にできる。


 木[名前はまだない]

 薪にできる


 木[名前はまだない]

 とても硬く加工しにくい。丈夫。


 木[名前はまだない]

 柔らかく加工しやすい。脆い。


※※


 な、なるほど。名前がまだないなら仕方ないよね。この辺りの植物はまだ調べてないってことなのかな?そもそも植物学者さんっているのかな?ここらでは木の用途って薪だけなのかな?それならわざわざ木を調べたりとかもしないね。燃えるか燃えないかだけだもんね。あぁ、違った。乾燥までの時間や保管のしやすさ、煙の質の有無も関係あるね。とりあえず一本ずつ収納庫に入るか確認しながら切っていこう。


 風刃かぜは!風の刃が狙った木に向かう。

 木がこちらに倒れて来ないように風で向こうに押しながら切る。とりあえず1本、普通に収納庫に収納できた。


 水刃みずは!水の刃が狙った木に向かう。

 2本目、なんなく収納。


 火刃ひは!火の刃が狙った木に向かう。

 3本目、少し焦げただけでなんなく収納。


 レーザー!目にも止まらない何かが狙っていた木に当たる。

 4本目、少し焦げただけでなんなく収納。


 えーっと他には‥


 土刃つちは!研ぎ澄まされた土の塊が狙った木に向かう。

 5本目、なんなく収納。


 雷刃らいはいかづちの刃が狙った木に当たる。

 6本目、少し焦げただけでなんなく収納。



 うーん。他にも何本か切っとくか。


 氷刃ひょうは!氷の刃が狙った木に当たる。

 7本目、収納。

 闇刃やみは!禍々(まがまが)しい何かが狙っている木に向かう。

 8本目、木の様子がおかしい木もするが、なんなく収納。要観察だね。


 もうこんなものかな?闇刃ってなに?意味わからない。

適当でも魔法になるんだね。また後で確認しよう。

 ついでに近くの加工しやすい木の太い枝をいくつか切って腕に抱き抱え‥るのは無理だから一度収納する。そして、近くの切り株を乾燥させてから座り、さっきの枝を出す。魔力を流し、器に加工する。土みたいには形は変えられないけど魔力で削るようにすると歪な器になる。コップも作ったよ。細い部分は、菜箸、お箸、串っぽい何かに加工して乾かし、コップ以外を収納する。


 お水こい!コップの中に水を意識して魔力で満たすと水が入った。コクリと飲む。切ったばかりの木の香りがする。別に美味しいわけではないが、白銀の景色の中、一仕事終えた後の水はとても美味しく感じた。


「温かいお茶でも飲みたいなー。」

 

 そう言って空を仰ぐ。




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