06話 仲間と出会う
「おっ!」
ラインはようやく森を抜けた。
「日光が眩しい……!」
“この森を抜けるのに1週間かかってしまった。まぁ動物とか、途中でマンモスみたいな魔物を倒したから、食料には困らなかったな。”
「ん?さっきまで無かった魔力が……」
森の方からオーガと同じくらい大きな魔力を感じた。
「仕方ない。戦闘慣れするためだ。」
ラインは再び、森の中へ入って行った。
「ん?」
“さっきまで感じてた魔力が消えた…?まぁだいたいの位置は分かるが”
ラインは【身体強化】を使って遙か上空に飛んだ。
“見つけた。あいつだな。”
その魔物は、ハリネズミのような見た目をしている。体長は2m程度で体重は80Kgくらい。オーガと比較すると、結構小物で楽に倒せそうではある。
ラインは【結界】を思いっきり蹴り、剣に【魔力撃】【火属性】を付与した。
ラインは油断せず、その魔物を力強く斬った。
“よし!手応えは抜群だ!”
しかしその魔物はびくともしていなかった。
「なっ!!」
“硬っい!!なんだこの魔物は!?硬すぎるぞ。”
魔物がラインの存在に気付き、魔物は針のような物を物凄い勢いで飛ばしてきた。
「いっ!!」
針が1本、左腕に刺さってしまった。
「くそっ!!」
“このままだと多量出血で死が確定してしまう。治癒したいが魔物が邪魔だ。どうしたものか……”
「失敗策も考えときゃあな……」
その時、魔物の目に矢が突然突き刺さった。魔物はとても苦しそうにしている。すると、魔物の腹部が見え、前世の経験からこういう魔物は腹部が弱点である事を思い出した。
ラインは力を振り絞り、右手で強く剣を握って、その魔物に止めをさした。
「君、大丈夫?」
そこには可愛げな少女がいた。
“まさかこの子が?目を狙って命中させるのは相当難度が高いはずなんだが。”
「あぁ。助けてくれてありがとう。」
ラインは自分の左腕を治療した。それで安心したのか、肩の力が抜けていった。
「自己紹介をするが、俺の名前はラインだ。一応魔法学校に行く途中だったんだ。」
「魔法学校。私もそこに入学試験を受けに行くんだよ。」
「ふぁっ!?」
ラインは混乱した。
“こんなにも小さな子が俺と同じ12歳!?”
「よろしくね。」
少女は微笑みながらそう言った。ラインは動揺のあまり、頷く事しか出来なかった。
この後二人は自己紹介をした。少女の名前は『ナナ』で、俺と同じく12歳。昔から弓が得意だったらしく、よく狩りに出かけていたらしい。
「ここをこのまま真っ直ぐ行けば良いのか……」
「そうね。そこまで行くと、ある程度は人が通るんじゃない?話変わるけど、水晶の色は何色だったの?私は青だった。」
ラインは言うか言わないか迷った。確かに赤が有能であるのは間違い無いのだが、それを使いこなせていない自分が恥ずかしいし、ナナさんも赤が無能色であると教わっているであろうと思ったので、
「それは試験までのお楽しみ」
と、誤魔化した。
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