13話 実技テストⅢ
かれこれ3週間が経った。俺は今、旅館でゆっくりしている。この3週間で起こった出来事を説明すると。
ナナはあの事で親に連絡され、家に帰らされていた。泣いていたが、俺にはどうする事も出来なかった。
あのおっちゃんは、1週間くらいで帰ってきて、今は学校の保健室で休んでいるそうだ。ざまぁねぇ。
学校の修復作業はかなり順調で、今日中には終わる予定らしい。
“どっちみち、実技テストは明日だしな。少し鍛えたら寝よう。明日はおっちゃんじゃなくて、別の人が来るらしいし。”
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「さてと、そろそろ行くか。」
“今日のコンディションは……まぁまぁだな。可もなく不可もなしって所か。てか、緊張で全然眠れんかった。”
学校へ向かう途中に、あの時の女性の試験監督にばったり合った。
「あ、おはようございます。」
「おはよう。今日は実技テストだけど、体調とかは大丈夫そう?」
「はい!絶好調です!」
俺は嘘を付いた。
「今日の実技テストは大変だと思うけど、まぁ……頑張ってね。」
「はい!ありがとうございます!」
“ん?大変だと思うけど……?次の人も、おっちゃん見たくクズ野郎なのか?”
女性試験監督の言葉を疑問に、ラインは会場へ向かった。
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「おぉ〜。」
校庭は、何も無かったかのような綺麗さで、以前の校庭と比べて、だいぶ強度が高まっていた。
“まぁこの硬さは……まぁまぁだな。あのハリネズミ見たいなやつよりは軟らかい。”
「よ〜し!これから実技テスト始めるぞ〜!」
髭が濃い騎士団の団長みたいな人が出てきた。
“ん〜。態度とかはしっかりしてそうだし、あのおっちゃんよりは全然マシだ。”
周りの人はざわついていたが、ラインは何も分からないのでこの状況が、不思議で仕方なかった。
“何でこんなにもざわついてるんだ…?はっ!まさか、皆、俺の存在の美しさに気付いたのか?ふっ!やるじゃないか!はぁ。何て俺は美しく強い男なのだろう!罪深き俺!”
こういうウザい勘違い野郎は、おっちゃんよりヤバいものがある。
「え〜、まず始めは『ライン』。前に。」
「はい。」
“ふぅ。緊張するなぁ〜……”
ラインは目を閉じて深呼吸をした後、一歩ずつ、前へ進んだ。
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