11話 実技テストⅠ
「さて、次は実技だな。今日は晴れてるし、コンディションも良いから一番の自分を出せるかもな。」
“そういえば、ナナはどうしたんだろう。”
ラインは辺りを見回した。
“どこにもいねぇ。教室で寝てるんじゃねぇだろうな。”
「まぁいっか。ナナなら大丈夫。」
“今はまだ魔法を使いたくないし、大丈夫である事を祈ろう。”
「にしても広いなあ。」
“恐らく学校の校庭的な所であろう。かなり広く、芝生という、何とも素晴らしい校庭だ。前世の時は全くそういうのが無かったしな。”
「おっしゃあ!!気合入れてくぞ!!」
ラインは両頬をバチコン!!と叩き気合を入れた。
周りからは変なやつだと、思われたに違いない
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「さあ!実技テストを始める!」
ハフソー・ビョルンソンくらい、がたいが良いおっちゃんと、少しシュッとした女性が監督らしい。
「名前を呼ばれた人は前に出てきこい。呼ばれた人は、俺と剣で勝負だ。大丈夫。お前らはまだまだ雑魚だからよぉ。手加減してやる。」
おっちゃんが少し笑いながらそう言った。
“めっちゃ舐めてるな。まぁ仕方ないだろう。あの人は35歳辺りだが、俺らは12歳。舐められて当然だ。”
「それでは、『ナナ』さん。前に。」
「はい!」
左奥の方からナナの声が聞こえた。全く緊張しているようには見えない。むしろ楽しそうに、満面の笑みで前へ一歩ずつ、歩んで行く。
“何や。あいつ、おったんかい。”
「おぉ〜おぉ〜。随分と細い身をしてるな。大丈夫だ。ちゃんと手加減してやるから。」
「・・・」
ナナは黙り込んでいた。集中しているのか定かでは無いが、監督の言う事を無視している。
“まじで、あのおっちゃんウザい。手加減するとしても、黙ってやれよ。何、自分は強いアピールしてるんだ。”
「それでは、始め!!」
「お嬢ちゃんからかかってきて良いよ。どうみても弱そうだし笑」
“あいつ……ぶった斬ろうかな…!?悪役みたいな事、言ってるじゃん。それに、ナナは普通に強い。”
「ん〜。」
ナナはめちゃくちゃ悩んでいた。これでもかってくらい、考え事をしていた。考える人もびっくりだ。
「剣ってどうやって使うんですか?」
「え?笑」
“え?”
周囲がざわめきだした。小学校の朝礼並だ。
「実は、剣を使った事が無くて……笑」
「はぁあ!?」
思わず声が出てしまった。周りの奴らは笑っている。
“おいおい。大丈夫なのかよ……?”
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