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スキルが美味しいなんて知らなかったよ⁉︎  作者: テルボン
第7章 家族は大事と思い知ったよ⁉︎
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98話 カジノデート②

「ガハハ!また取り返しましたぞ!」


レギンは先程から、大負けした直後でそれ以上に取り返すを繰り返している。

周りの客も、その勝ちっぷりに自分も取り返すと息巻いている。


「次は赤に5000枚!」


「じゃあ、俺も赤だ!」


レギンが賭けた場所に便乗する者達もいるが、彼は連勝しているわけではないので、負ける事もある。


「赤の13です」


「うがーっ!負けたーっ!」


「ならば、次は黒に4000枚!」


今いるゲーム場はルーレットである。見てる限り、ディーラーがイカサマをしているような動きは無い。どちらかといえば、レギンさんが怪しいなと思い、彼を鑑定してみる。

すると、気になる技能(スキル)を見つけた。


【勝負回生】 勝負事で絶望的な危機に直面した場合、運が急上昇する。但し、勝負事以外での運は20より上昇することは無い。


微妙な技能効果だな。っていうか技能の説明がこの前から普通に見えているな。やはり熟練度レベルが高いからかな。

今までの鑑定で考えれば分かりやすいか。


例【鑑定】LV 1 自身のステータスは全て見れる。自分以外の名前と状態、保持技能名まで分かる。物の情報や価値が分かる。


LV 2 対象相手のステータス(体力等)も見る事ができる。


LV 3 対象相手の技能の熟練度が分かる。


LV 4 対象相手の技能の発動条件や効果が分かる。


LV 5 勇者・魔王・ジャミング(隠蔽効果)の全てが分かる。


LV6以上は不明だが、この様に熟練度で差がある。今更、熟練度を下げた事に後悔は無いけど、上げる必要性は全ての技能にある。


今は既に鑑定できなくなってしまったけど、カオリさんの保持している技能の効果は素晴らしかった。


「何見てるの?」


カオリと目が合って、アラヤは首を振る。何か邪念で彼女を見てしまいそうになる。確かに疲れてるなと、アラヤは溜め息が出る。


「ん、やっぱり何も賭けないんじゃ退屈?」


「いや、ごめん。せっかくカジノに来たのに違う事ばかり考えちゃって…」


「本当だよ。今日は私とのデートなんだよ?自分のカッコイイ一面を見せたい!とか、私の可愛い姿を見たい!とかを優先的にエスコートして欲しいわ」


全く持ってその通りだ。俺は一体何やってるのかね?


「やっぱり、せっかくだから少し賭けてみようか。体験もしないと、下見とは言えないかもだからね」


「うん、楽しもう!」


アラヤは換金所で、大金貨二枚分のチップメダルを買う。金貨1枚=チップメダル1枚なので、僅か20枚しかない。それでも、多少は遊べるだろう。


「どのゲームで遊ぼうか」


「少ない賭け金で遊ぶなら、カードゲームじゃない?」


見渡してカードゲームがある台に向かうと、ポーカーやブラックジャックに似たゲームを行う台があった。

アラヤは自分を鑑定して、今日の運の数値を見る。運と魅力は日毎に変わる。

アラヤの今日の運は35である。アラヤの場合、運の数値の平均は30と割と低めである。なので、今日は平均よりは高いと言える。


「ポーカーは、チップメダル5枚からだって。ブラックジャックは2枚からみたい」


運が低いならポーカーで駆け引きで乗り切るつもりだったけど、普段より高いならここは引きの強さが必要なブラックジャックでいこう。


「ブラックジャックで勝負だ」


ブラックジャックとは、カードの合計値が21を超えないようにするゲームである。

ルール上、トランプのAは1 or 11、2から9はそのまま、10と絵柄 (J・Q・K)は全て10、ジョーカーは 1 ~ 11のどの数字にもなる。


場には親と子が有り、この場合親がディーラーである。このカジノでは、親1人に対して子が5人で勝負している。

親は先ず1枚目をアップカード (数字がある表側)で子から配り始め、最後に自分のカードを置く。次に2枚目のホールカード (伏せたカード)を配って勝負が始まる。

2枚の合計値が21以下で気に入らない場合には、ヒットと言いもう一枚カードを引く事ができる。

まぁ、前世界でもお馴染みのルールだね。ただ、このカジノの特別ルールで、親が最初の手札が17以上である場合、特定の子を選び勝負した後に、残りの子との勝負の前にヒットする事ができる。ただし、その上で負けた場合はベットの5倍を親が支払う。


「にいや、頑張って!」


「よし!来い!」


チップメダルを2枚ベットすると、カードがアラヤの前に配られる。始めのアップカードはスペードの7。親はKだ。そして配られたホールカードは…ハートの7。合計値は14。ダメだ、これでは勝てない。


「ヒット」


親から、スッとホールカードが配られた。ゆっくりと捲ると……?


「私はホールドです。皆様、もうヒットはありませんか?ではオープンして下さい」


親のディーラーの合計値はKと10の20だ。他の客達が、溜め息混じりにチップメダルを押し渡す。

ディーラーは、ポーカーフェイスのままメダルを回収して、アラヤの手札を見た。


「ハッ!これは…⁈」


「合計は21だよ。俺の勝ちだね?」


アラヤの3枚目のカードはダイヤの7だったのだ。まさかの21である。


「これは幻の777(スリーセブン)‼︎ベットの100倍だ!凄えな、坊主!」


隣の客が驚いていて大声で絶賛する。ディーラーもポーカーフェイスを崩して目を見開いて手札を見て震えている。


「えっ?100倍⁉︎てことは、チップメダル200枚⁉︎」


「にいや、やったじゃない!」


いきなりチップメダルが220枚になった。分かってるよ、これはビギナーズラック様々だよね!


「よし、やめようか」


「えっ?やめちゃうの?」


「だってこれは、ビギナーズラックだよ。今やめれば220枚、白金貨二枚超えだよ?今はお金必要なんだし、やめるが当然でしょ」


「何それ、つまんない。にいや、ひょっとして今お金に困ってるの?」


「いや、…まだ困ってはいないけど、沢山持ってないと、皆んなを養っていけないから…」


「うわ、何?貴方1人で皆んなを養ってくつもりだったの?何それ、馬鹿にしてる?」


カオリの態度が急に不機嫌になり、アラヤは戸惑う。だって、俺が色んな製品作って稼がないと、皆んなと生活出来ないじゃないか。


「私は嫁じゃないし、貴方に養ってもらう必要は無いわよ。大体、私もそれなりの大金を銀行に預けてるし。ただちょっと、引き落としたら生存がバレてしまうから使えないだけだし。保護には感謝してるけど、養ってるって感覚なら銀行からお金下ろして生活費払うし!」


「ご、ごめん。言い方が悪かったよ」


「さっきのアヤコさん達が暗かった理由が分かったわ。にいや、彼女達に相談も何もせずに、1人で全部決めて養うとか言ってるんでしょ?本当に困った勘違い野郎だわね」


「ええ?」


「彼女達は相談されたいし、手伝いたいのよ。生活する場所とお金だけ渡されて、彼女達はきっと、誰と一緒に居たくてあの家に住んでるのか分からなくなってるわ」


「…ごめん、そうだね。俺が悪かったよ。帰ったら、皆んなにも相談してみる」


そうだ。俺は1人で何とかしなきゃって考え過ぎてたかもしれない。周りの皆んなの気持ちが見えなくなってるとは、確かにとんだ勘違い野郎だね。


「そうと分かれば、気持ちを入れ替えて、ガンガン遊んじゃいなさいよ!」


「へ?」


「今日は息抜きなんだから、元手以下にならない程度に遊ぶべきよ!」


「よ、良し!遊ぶか!」


2人はその後、様々なゲームを楽しみ遊んだ。結果、所持チップメダルは30枚となった。まぁ、楽しんだからOKだね!うん、そう思う事にした。


「アラヤ殿、すっかり儲かってしまいましたよ!ガハハ!」


レギンが、メダル箱が沢山乗った手押しカートを押してやって来た。最終的に勝った時点で辞めたらしい。引き際も分かっているようだね。ひょっとして彼は常連客なのかもしれない。


「凄いですね!レギン殿は博才をお持ちのようだ」


「フフ、勘に頼った単なるごり押しですよ!仕事でお相手する方々との交渉に比べたら、ここでの勝負はかなり安全ですからね」


「確か辺境伯とも交渉してるんでしたか?」


「そうですな、ピロウズ辺境伯様にはとてもお世話になってますよ。近々、グルケニア帝国の動きが活発になっておるようでしてな。防衛に力を入れておるわけです。なんでも、勇者引き連れた軍隊が、ムシハ連邦国との小競り合いを始めたとか。我々武器商人にとっては稼ぎ時ではありますが、戦争にはなってほしく無いものですな」


「勇者が戦争に参加するんですか⁈」


「勇者に限らず、魔王も利用される事はあるそうですよ。使える戦力なら、国としたら勿体無いですからね」


チップメダルを換金したレギンは、ホクホク顔で2人に手を振って帰っていった。最後に後味の悪い話題を聞いちゃったな。


「何か食べて帰ろうか?」


「夕飯もあるのに?」


「さっき来る時に、お好み焼きに似た店があったんだよね」


「フフッ、間食がお好み焼きって、にいやらしいね。いいよ、食べて帰ろう」


2人は、自然と仲良く手を繋いで、お好み焼きの店へと入って行くのだった。少しだけ、カオリさんと仲良くなった気がしたよ。

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