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スキルが美味しいなんて知らなかったよ⁉︎  作者: テルボン
第6章 味方は選べと言われたよ⁈
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79話 深夜の技能検証

バルグ商会の三階にある社員専用の部屋。そこを今、三部屋借りている。

アラヤ夫婦達、ソーリン、カオリとクララの部屋割りである。


「私の寝場所、ココ。あの部屋、断固拒否」


クララがアラヤのベッドに居座り、アヤコさん達と揉めていた。


「野営時、ご主人様と一緒、寝てた、問題ない」


「それは、皆んなも居た時の話でしょう?ここでは部屋がちゃんと別れているのだから、クララはカオリさんの部屋で眠りなさい」


「何故?ご主人様、モフモフ好き」


ベッドから降りる気は無いようで、尻尾を振りながらアラヤに見上げている。ああ、そのモフモフに今すぐ埋もれたい。


「何故も何も、クララは人狼(ヒューウル)になれるでしょう?それなら、女性として扱います。夫婦でない貴女は、別室よ」


アヤコさんとサナエさんに、担がれるようにして部屋から出されたクララは、哀しそうな目を向けた後、渋々カオリの部屋へと入って行った。


「ちょっとクララが可哀想だったかな」


「そりゃあ、クララの気持ちも分かるけど、私達だってアラヤに甘えたいし、甘えて欲しいんだよ」


「サナエさん…」


アヤコさんが通路に誰も居ないかを確認した後、扉の鍵を掛ける。


「アラヤ君、私達が甘えたら駄目、ですか?」


ダメなわけ無いですよと、二人を引き寄せ抱きしめた。モフモフとは違うけど、柔らかく優しい温もり。こっちも当然、大好きだからね。アラヤはジャミングを部屋全体に掛けるのだった。



夜の10時過ぎ。カオリが寝かされている部屋で、クララは人狼に変身して寝ていた。髪は銀色に輝き、臀部から生える太くてしなやかな尻尾もその艶を出している。だが、その場にいた者なら、視線は違う場所を見ていただろう。

何故なら、彼女はほぼ裸体と言える姿だった。身に纏っているのは、細い布地の下着のみで、膨よかな胸の先端部とT字型の紐パンだけだからだ。

しかし、これは変身するからこその下着であった。下着無しで銀狼からそのまま人狼に変身したら裸になってしまう。かと言って、普通の下着を着用すると、銀狼時には体毛から下着が見えてしまい、お粗末な姿を晒してしまう。故に変身時にも邪魔にならないように、細い布地の下着を着用しているのだ。

因みに、銀狼時にある8つの乳房は、人狼に変身すると、2つへと一体化する。よって大きさも4倍となるのだ。


「ふぁぁぁ…っ」


5時間の仮死状態が終わり、目を覚ますとカオリ。ゆっくりと上体を起こして隣を見ると、ほぼほぼ裸の女性が隣で寝ている状態に頭が混乱する。


「あれ?私は死ぬ前に何をしていたんだっけ?」


思い出そうとすると、篠崎さんの顔が浮かんでくる。なんか色々と実験されていたような…。しかし、隣に眠るこの娘はいったい誰?


「け、獣耳に尻尾⁉︎こ、こ、これはもしや⁉︎モフモフフレンズ⁈」


カオリは、生唾を飲み込みゆっくりとその尻尾へと手を伸ばす。その手が尻尾に触れると、寝ている彼女が少し反応した。


「ん……ご主人…様…」


哀しそうな声を漏らして、再び寝息をたてる。何かしら、凄い背徳感を感じる。私、寝てるこの娘に何かしたのではなかろうか?

獣娘を裸にひん剥き、泣き疲れて寝てしまうほどのことを…


「まさか、ゆ、百合…?」


その言葉と共に、体全体に快感が走る。身体の芯が疼き、隣にある裸体を撫で回したい、舐め回したい衝動に駆られる。


「こ、これは、何?本を書いて、いる時とはっ、比べ物にならないっ、快、感がっ…⁉︎」


カオリは必死になってそれを堪えている。これを体験してしまうと、自分はもう戻れないかもしれない。そんな気がしてしまうのだ。


コンコン…ガチャ。


そこへ寝間着姿の篠崎さんが現れた。ヤバイ、その寝間着も脱がせたい。…じゃなくて!このままじゃ彼女まで巻き込んでしまう!


「あらあら。起きている頃だと思ってきてみたら、お邪魔でしたね?」


ぶんぶんと必死に首を振る。すると彼女は細長い筒を取り出した。


「大丈夫です。今楽にしますね?」


フッと一吹きして、カオリの体は麻痺状態となった。全身が痺れて、快感も薄らいでいく。


「どうやら、貴女の特殊技能(ユニークスキル)は、色欲に関わる事に間違い無いみたいですね」


「な、なひ?」


彼女は痺れでろれつが回らないようなので、アヤコは念話に切り替えて話す。


『色欲魔王としての特殊技能は、性的な行為を行う事で発動すると思われます』


『こ、こ、行為⁉︎』


『その能力は分かりませんが、もの凄い快感に襲われたのではありませんか?』


『うん、凄かったわ!自我が無くなるかと思った』


『でしょうね。アレをよく我慢できたと思いますよ』


『あの感覚を知っているの?』


『はい。アラヤ君の特殊技能を感覚共有しましたから』


『にいやの特殊技能って?』


『それはお教えできませんよ。まだまだ貴女の事を、信頼できた訳ではありませんから』


アヤコはベッドに腰を下ろし、カオリを横に寝かせる。


『アラヤ君は、優しいから貴女に協力的だけど、私とサナエちゃんはアラヤ君が危険になったら、迷わずに貴女を切り捨てますからね』


『…分かったわ。私もそこまで迷惑をかける気は無いもの』


『それなら良かったです。でも、アラヤ君に言われた以上、ちゃんと協力はするから安心して下さいね』


アヤコの笑顔とは対極的にカオリは冷や汗を流す。アヤコがカオリの服を脱がし始めたからだ。


『ちょ、ちょっと篠崎さん⁈』


『先ずは特殊技能をちゃんと鎮めませんといけませんから。もっと力を抜いて下さい』


『いーやーっ‼︎』


彼女の抵抗は虚しく、声も出せないままアヤコの技能検証は行われる事となった。


翌朝、アラヤが目を覚ましてみると、机の上に一枚の紙が置かれていた。

それはアヤコさんが作成したカオリさんのステータス表だった。

アヤコさんを見ると、ベッドで熟睡している。普段はアラヤよりも早起きしているのだけど、昨日は夜中にも起きて検証に行ったのかもしれない。



カオリ=イッシキ


種族 人間 (ハイヒューマン?) 女 age 17


体力 120前後

戦闘力 80前後

耐久力 80前後

精神力 150前後

魔力 400前後

俊敏 170前後

魅力 ??

運 ?


* 五人のステータスと比較して算出


職種 色欲王


特殊技能 色欲譲渡 (仮名) 対象に性的行為をする事で、対象の技能を一定時間借りる事ができる。(要検証)


技能 言語理解 全属性魔法 (中級) 魔法耐性 毒耐性 睡眠耐性 腐敗耐性 体温調節

*熟練度レベルは不明。


「凄いな…鑑定無しでここまで分かるなんて」


特殊技能はどうやって試したのだろうと考えそうになったが、考え無いようにしよう。

それにしても、やはり近距離戦闘には不向きと言える。完全な魔術士、遠距離攻撃タイプのようだね。しかも、1日に5時間の仮死状態が3回襲う。

もう少し体力を付けないと、彼女と旅をするという案は、もうしばらく考える必要があるかな。



「アラヤさん、おはようございます…」


「おはよう、ソーリン。なんか疲れてない?」


「い、いえ。ちょっと眠れなかったもので…」


朝の挨拶をしに来たソーリンは、目の下にクマができている。あれ?昨日はジャミングで防音はバッチリだったはずだ。


「ご主人様、おはよう、ございます」


銀狼姿のクララも挨拶にやって来た。直ぐにアラヤの足に体を擦り寄せてくる。


「おはよう、クララ。カオリさんの様子はどうだった?」


「うん、死んでたよ」


「そ、そうか」


その死んでたよには、なかなか慣れないな。


「おはよう、アラヤ。あれ?アヤはまだ寝てるんだ」


「おはよう、サナエさん。アヤコさんは疲れてるから寝かしといて。今日はゆっくり体調を整えて、明日の出発に備えようか」


「「「はい」」」


この時のアラヤには、アヤコとカオリの二人が、今まさに、共通の体験をしている最中などと知る由もなかった。

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