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スキルが美味しいなんて知らなかったよ⁉︎  作者: テルボン
第3章 スキルが美味しいなんて知らなかったよ⁉︎
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42話 新たな魔法

礼服は挙式で使用した服を仕立て直すことで決まり、普段着も数着用意してもらった。

サナエさんも昼食の準備に戻ったので、今のうちにトイレの便器交換を行う。

浮き玉は木製で大丈夫だし、排水弁の抑えのゴムフロートも、ゴムが無いので木製で型取り、自然に浮かないように水溶性石材を溶かした液を染み込ませてコーティングしてある。

設置が完了したら、試しにタンクへウォータで水を貯める。浮き玉も浮いてるし、弁もちゃんと閉じている。

レバーを引いてみると、しっかりとフロートを持ち上げて貯水が便器へと流れ出た。


「成功だね!座り心地もなかなか良いし、後は便座蓋を取り付けて完成だ」


これで便器は完成した。外に出て、浄化槽の確認もする。浄化はちゃんとされていて、スライムも元気に健在だ。浄化槽の大きさによって数を変えても良いかもしれない。


昼食の時間までは、後回しにしていた毒薬作りを行う。麻痺薬と即効性の毒薬が2瓶出来上がった。


「店長に聞いたぞ、ロック鳥の卵を奪ったんだって?」


昼食の時間になると、村人達がロック鳥の卵獲得の話を、当事者である三人に聞きに集まった。アラヤは、亜空間収納を使っていない設定なので、いかに卵を運ぶのが困難だったかを、嘘で塗り固めて話すしかなかった。


午後は、自分の魔法の自主練に専念することにした。今回の戦いでも分かったが、今の熟練度レベルでは、大型の魔物には効果が弱いのだ。

場所は村から離れた草原ですることにした。ここなら、魔物もスライムやブルパカと問題無い。


「全属性魔法の熟練度レベルを上げるには、同系統の技能(スキル)食奪獲得(イートハント)するか、全属性の熟練度をムラ無く上げるかだろう」


当然、この辺りの魔物に全属性魔法持ちの奴なんて居ないだろうからね。ここは後者の全属性の熟練度を上げるしかない。


「一番の使用率が高いのは、生活魔法的な利用が多い水属性 (ウォータ)、火属性 (フレイム)。次に何気に使用する無属性 (グラビティ)、食事や訓練時に使用する光属性 (クリーン・ライト)。戦闘時に多用する風属性 (エアカッター)。明らかに、土属性と闇属性が使用率が低いな」


因みに、使用頻度で派生する魔法が増える。現状、アラヤが使える魔法はこうだ。



火属性魔法 フレイム (火炎) ヒートアップ (加熱)


水属性魔法 ウォータ (流水) バブルショット (泡玉) アイス (氷結)


風属性魔法 エアカッター (風の刃) ホットブロー (熱風)


土属性魔法 アースクラウド (土操作)


光属性魔法 ヒール (小回復) クリーン (除菌) ライト (光球)


闇属性魔法 ダークブラインド (盲目の煙)


無属性魔法 グラビティ (重力操作) ヘイスト (瞬間加速) ムーブヘイスト (移動加速)


だから、土属性と闇属性を重点的に使用してみよう。


「アースクラウド!」


熟練度は別に、使用回数だけが影響している訳ではない。アースクラウドのように、動かす物量が多くて、それに細かい変動を加える集中が必要な場合は、回数以上に熟練度が増すようだ。


「ダークブラインド!」


こういった妨害魔法は熟練度を上げ難い。それは対象が居ないと発動しない場合が多いからだ。幸い、ダークブラインドは対象が自分の場合でも発動できるので助かる。(自身に盲目効果なので)

自分を対象にして、辺り一面に範囲を広げていく。こういった練習を二時間程続けた。

魔力切れになりそうになる手前で止める。


「あ、増えてる」


土属性魔法に新たにサンドストーム (砂嵐)と、闇属性魔法にコラープス (虚脱)を習得している。

サンドストームは、砂の多い砂漠・荒野・山岳地帯では高い攻撃力を誇りそうだ。

一方のコラープスは、やはり対象が必要だ。流石に自身に使える魔法では無いから、練習は対魔物戦で使用しよう。


「こうなると、次は火属性と風属性も練習に加えないといけないな。しかし、時間と魔力的に一旦帰るべきか」


後は夜に練習するとして、一度村に戻ることにした。因みに魔法の数が増えても、あの快感は来ない。あくまでも技能習得の時のみのようだ。

村の入り口を通る時、ライナスさんに呼び止められた。


「なぁ、アラヤ。ザックスがこの短期間で強くなってるんだが、お前何かしたのか?」


「特に何も?今回のロック鳥の件で修羅場を体験したからじゃないですかね?」


「う~ん、そんなものか…?」


半分は確かに修羅場で、半分は自分の技能を理解した事にあるだろう。魔法もまだまだだけれど覚えたしね。

他の人達に技能の説明を教えるのは、後は村長に任せよう。


「あ、いたいた、アラヤ。一緒に夕食に行こうぜ?」


このタイミングでザックスさんが現れて、明らかにライナスさんが疑いの目で見ているが、平静を装って誤魔化す。


「実はな、俺のアースクラウドもだいぶ数が打てるようになったんだよ」


「ああ…それで、動かせる量はどうですか?」


「ん?…まぁ、量は気にしなくても良いじゃないか」


「ダメでしょ…せめてハルちゃんくらいに使えないと」


「ぐっ、ハルを引き合いに出すなよ。分かったよ、数より質ってこったな」


「ええ、頑張ってください。あと、くれぐれも他の方には口外しないでくださいね?」


「分かった」


練習を続けようとする事はとても良い傾向だよね。絶対成長すると思うよ。

アラヤは、練習方法を教えながら夕食へと向かった。


夕食後、アヤコさんとサナエさんの三人で、3日ぶりの訓練を始める。


「今日の訓練は、魔法を重点的にやろうと思う」


「え?私は使えないよ?」


「うん、サナエさんにも、習得できる属性魔法がないかを調べてみよう。アヤコさんは、グラビティの練習だね」


「分かりました」


以前は、感覚共有がアヤコにしか無かったから出来なかったけれど、今のアラヤには感覚共有がある事で、他人に魔法の適性があるかが分かる。サナエさんも、魔法を習得するべきと判断したのだ。

やり方は前回と同じで、感覚共有中に本人が適性がある魔法があるかを確認するやり方だ。


「凄いね、サナエさん。光と闇の二つ属性持ちだよ!」


結果は二属性持ちだった。これはやはり、バフとデバフが多い踊り子の適性だろうか。


「嘘…私も魔法使えるの?」


「うう、私の優位性がまた減ったです…」


「そんな事無いよ、アヤコさん。無属性には無属性の良さがあるんだから。それに張り合うんじゃなくて、足りない点を協力しようよ」


「うん、分かった」


「分かりました」


その日から、魔法を中心とした訓練を重ねて、成人式の為に村を出発する前日に、アラヤはとうとう全属性魔法がLV 2へと昇華したのだった。


アラヤが新たに覚えた魔法は、火属性魔法 誘爆性付与 (生物外。物体があるアンデットは可) 風属性魔法 サクション (吸引) 土属性魔法 オーラゼーション (鉱石化) 闇属性魔法 ジャミング (妨害)である。


このジャミングを手に入れたおかげで、アラヤは偽のステータスを表示できるようなった。鑑定ができる相手には、今のアラヤはこんなステータスが表示されるようになる。



アラヤ=クラト


種族 人間 (ノーマル) 男 age 17


体力 305/305

戦闘力 201/201

耐久力 168/168

精神力 135/135

魔力 152/152

俊敏 143/143

魅力 55/100

運 26


職種 魔法剣士


技能 気配感知LV 1 身体強化LV 1 物理耐性LV 1 魔法耐性LV 1 剣技LV 1 火属性魔法LV 1 水属性魔法LV 1 光属性魔法LV 1


だいぶ落として表示しているが、ライナスさん達よりはかなり強いステータスになっている。技能も、魔法剣士を語る上での表示にしたが、これでも多いかもしれないけどね。

これで街で鑑定されたとしても怪しまれずに済むというわけだ。

明日はレニナオ鉱山に向けての出発の日。この世界に来て初めての街だ。今から楽しみだな。

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