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スキルが美味しいなんて知らなかったよ⁉︎  作者: テルボン
第3章 スキルが美味しいなんて知らなかったよ⁉︎
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31話 3人の初夜

ゆっくりと扉が開かれて、静かに入って来た影は、真っ直ぐにアラヤの元に向かう。

暗い部屋に、窓から赤い月の光が射し込んでくる。

ぐっすりと寝てるアラヤの横に、そっと近付いた人影は、月明かりによって姿があらわになった。


「アラヤ…」


そこに居たのはサナエだった。アヤコとの深夜まで続いた討論対決の末に、初夜の権を勝ち取ったのだ。

下着姿になって、アラヤのベッドの横に入る。真横から見るアラヤの寝顔。このまま見ていたいけど、それでは駄目だ。高鳴る鼓動の音がうるさく聞こえるけど、意を決して顔を近づけていく。

そっと触れ合う唇。一回、二回。違和感を感じたアラヤが、ゆっくりと目を覚ましてサナエの顔に気付いた。


「さ、サナ…」


声を上げる前に、再び唇で塞ぐ。今度は大人のキス。長めにする事で、お互いにこの状況を受け入れる事ができる。


「サナエさん…」


「バカ…今日からは、呼び捨てにしなよ…」


「…サナエ…」


「うん…」


再び、ディープキス。絡め合う舌と舌により、荒くなる呼吸と鼓動。

二人はお互いの着ている物をキスをしながら脱がしていく。

ああ、ここまで来たら後戻りなど考えない。たどたどしいけれども、そこには相手を求めている愛と優しさが溢れている。

こうして、二人の卒業は果たされた。


「…これから、よろしくね」


「うん、こちらこそ」


そのまま、優しく抱き合い眠りに就く……筈だったのだが、静寂は突然破られる。


「…サナエちゃん、次は私の番でしょう?」


唇を摩りながら現れたアヤコさん。キッとサナエさんを睨んでいる。


「あら、結構早く治ったのね?きちんと待っていれば、そんな目に合わなくて良かったのに(吹き筒に麻痺薬を塗っておいて正解だった)」


「…約束通り、アラヤ君の初めては譲ったのだから、いいじゃないですか(不覚でした!途中で止めようと思ったのに)」


「そうね。じゃあ、今日のところは退散しようかな。じゃあ、おやすみアラヤ」


一糸纏わぬサナエさんは、ベッドから立ち去り際にキスをして、服を回収して部屋を出て行った。


「アラヤ君、先程の体験は記憶から抹消してください」


「いや、無理だから」


卒業体験を忘れるわけないでしょ⁈想像以上に快感で、一つになっているという幸福感。自分が早すぎるタイプじゃなかった事の安堵感もあり、素晴らしい卒業式だと思うからね。


「なら、それ以上の記憶で上書きしてあげます」


少し恥じらいながらも、自らの手で下着を脱いでアラヤへと迫る。アラヤも、ただ受けるだけで終わる気は無い。自分を押し倒して体を舌で責められるも、胸への愛撫は忘れない。卒業したという事実が自信になって、主導権を逆に握っていった。


「ず、ズルイです…もっと、お姉さんっぽく責めたかったのに…」


「なら、呼んであげるよ。…お姉ちゃん」


「はうっ…!」


勝手な妄想も重なって、自分で感度を上げるアヤコさん。甘えたり、苛めるように責めたりして、彼女の初めても頂きました。

俺、めっちゃ幸せなんだけど!もしかして、明日死ぬとか無いよね⁈

疲れてそのまま眠ってしまったアヤコさんに、軽くキスをして自分も眠りについた。




翌朝、ちょっとだけ期待して、薄目で目を開けるも、隣には誰も居ませんでした。う~ん、先に起きてた彼女が「おはよう」ってパターンは、期待し過ぎだったかな?


まだ寝癖のままで居間に行くと、二人はそこに居た。


「「おはよう」ございます」


笑顔で挨拶をしてくれる。うん、ちょっとの事でも幸せを感じるね。結婚って、墓場って言われる事もあるけど、今はそんな風には感じないね。


「アラヤ君、ここに座ってください」


「え、うん」


アヤコさんに促されるままに椅子に座る。アヤコさんは、何やら書いた紙をアラヤの前に差し出した。

紙にはアラヤの技能(スキル)名が全て書いてある。


「え?何これ」


「アラヤ君、昨日、あの後…技能を覚えていませんか?」


「へ?あ、あ~ちょっと待って、調べてみる」


ステータスの技能の欄には、新たな技能名が書いてあった。


「あったよ!感覚共有LV 1が。って、寝てる間に覚えたのか…まぁ、元々40%はデータがあったからね」


「それは、昨晩で残りの60%を得たという事ですか?あの…行為で…?」


「う、…うん」


少し思い出してしまい、お互い顔を赤らめる。サナエさんは軽く咳払いをして、アラヤの隣に座る。


「それで?私の技能は覚えてないの?」


「うん、感覚補正が50%まで上がっているけどね」


「そうですか…バラつきがありますね」


「どういう事?」


「つまりは、どうすれば効率良く技能を取得できるかを調べてみようという事です」


「なんで二人が…?」


「せっかく技能を増やす技能があるのですから、私達がバックアップします。欲の少ない夫の為に、私達は努力を惜しみませんよ?」


二人がこんなにも俺の事を考えてくれていたなんて…


「はい、では()()を開始します」


「へ?」


「サナエちゃん、先ずは毛髪から始めましょう」


プチっと毛を抜くサナエさん。え?何する気なの?実験って楽しそうに言ったよね?


「では食べて見てください」


「マジで⁈」


「早くしてください。鮮度も関係あるかもしれないのですから」


何故か急かされて、嫌々口の中に入れ込む。うわぁ、口裏や舌に纏わり付いて気持ち悪いよ。サナエさんの引いてる表情を見ないように、何とか飲み込む。


「では、%に変化がないか詳しく調べてください」


鑑定を、感覚補正に集中して見る。


「…………。あったよ。0.001%上昇かな」


「なるほど。毛髪で取得する%では、非効率と。相手がハゲちゃいますものね。では、次は唾液をお願いします。あ、これは私がキスで…」


「私がやるよ!データ取り変わるでしょ?」


マジですか…。この後、汗や血、皮膚や爪など、色々と験す羽目になる。モルモットはいつもこんな気持ちなんだろうなー。


「とりあえず、身近な物によるデータはこうなりました」



データ吸収率


血液 (1滴) 5% (鮮度での影響有り)


体液 (唾液・汗・その他) 3% (鮮度での影響大)

皮脂・毛類 0.001% (採れたて限定)


普通の人生では体験しない実験でした。多少の興奮要素があったが、覚醒はしなくて済みました。


「やはり、生肉が一番なんでしょうけど、流石にそれは遠慮しますね。肉に関しては、動物で験すとしましょう」


「あ、あの、肉によるデータ吸収率は大体は分かっているからいいよ」


「そうですか…。では、ここに記入してください」


なぜ少し残念そうなんだ⁉︎

そこはあまり触れたくないので、アラヤは、素直に今までのデータを書いていく。


データ吸収率


弱肉強食 100% (取得数は対象とのレベル差で変わる)


捕食吸収


生肉 (一塊) 20%


焼肉 (一塊) 8% (中が一部半生に限る)


「鮮度がかなり重要みたいですね。弱肉強食だと、技能を奪ってしまうんですよね?」


「うん。だから、味方には絶対に使えない」


「分かりました。当分は、村の外に出て魔物からの取得がメインになりそうですね。村の人達からは……流石に無理でしょうね…」


何、その間は…?きっと、思い付いたのは献血だよね?まぁ、この世界じゃ必要性もないし、説明もできないから無理だろうけど。まさかね…危険な事は考えて無いよ…ね?


「パクッとして回復…その後記憶も消さないと……」


怖っ⁉︎それだけは絶対にやらないよ⁉︎人として!世話になった人達は大事にしようよ⁈


「あははは…それは止めようね~?」


「やだなぁ、冗談ですよ~」


怖すぎて、この人からは目を離せません。サナエさん、くれぐれも監視をお願いしますね?村に魔物が潜んでいますよ。まぁ、その場合、俺がそれに当たるんですけどね。


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