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スキルが美味しいなんて知らなかったよ⁉︎  作者: テルボン
第1章 異世界生活が苦しいって知らなかったよ⁉︎
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12話 ライナスと戦闘訓練


サナエさんを連れて、今日からは実戦訓練をやってみようと思ったのだが、村の入り口は既に扉が閉まっていて外出禁止状態だった。

監視櫓の上いたライナスが二人に気付いて、櫓から降りてくる。


お前達こんな暗い時間(ンシヲヒフルアニラエ)に何処に行くつもりだ(ロムウユアヌマアルヌ)(ロラエタオビ)


ちょっと野外訓練にフザペマケュロラアキアヌ


ヤブネカ村から西へ進んで行くと、ロハムムの森という魔物の生息する森がある。そこで訓練しようと考えたのだけど。


駄目に決まってるだろ(ビソヌヨシペホカビク)


「ちょっと、アラヤ。駄目って言われてるでしょ?別の日にしようよ」


元々乗り気じゃないサナエさんは、良い言い訳が出来たと帰ろうとする。サナエさんも大分言葉が分かって来たようだね。普通の会話なら俺も話せるようになった。こんな風にね。


「う~ん。今日から始める気になってたのになぁ。折角ですから、ライナスさんが訓練の相手になってもらえませんかね?」


「俺と戦闘訓練をかい?」


「戦うのは彼女ですけどね」


「ライナス、相手してやれよ。危ない真似をさせない為の教育だろう?」


他の守衛達が面白い物見たさで拍車をかける。こういう場面ではありがたいけどね。渋っているのはライナスだけだ。


「仕方ない。これをやったら夜に出歩くのは止めるんだぞ?」


「はい。夜は自重しますよ」


「ん…まぁいい。それじゃあ、どういう訓練が良い?剣の稽古みたいなな感じか?」


「いえ、実戦形式で。あ、武器はこの木剣を使用してください」


アラヤは、練習用に持っていた木剣をライナスに手渡す。


「彼女の武器はアレです」


サナエは腰裏から木製チャクラムを二輪取り出し、両手に装備して構えた。表情はまだ少し緊張しているな。


「何だその輪っかは…」


ライナスは、どうやらチャクラムを知らないらしい。使用するチャクラムは木製だが、外輪部分は鋭利に研いである。剣並の斬れ味は無い。今のサナエさんには刃みたいな斬撃はできないが、スライムくらいなら分断はできる筈だ。

因みに、二人のステータスは、



ライナス


種族 人間 (ノーマル) 男 age 38


体力 280/280

攻撃力 183/183

耐久力 142/142

精神力 98/98

魔力 45/45

俊敏 103/103

魅力 51/100

運 22


サナエ=ツチダ


種族 人間 (ノーマル) 女 age 17


体力 115/115

攻撃力 92/92

耐久力 95/95

精神力 93/93

魔力 116/116

俊敏 181/181

魅力 73/100

運 30



サナエさんは、俺とのここ数日の訓練で精神力と俊敏は飛躍的に伸びてきた。サナエさんの勝機は、俊敏な動きによるヒットアンドアウェイだ。


「サナエさん、開始2分は技能(スキル)の使用は駄目ね。それでは両者構えて……始め!」


合図と共にサナエの初撃が撃ち込まれる。ライナスは木剣で受け止めているが、その表情には驚愕が窺え 見える。


「驚いたな。動きはかなり速いじゃないか。だが、重さは足りない!」


受けた木剣でそのまま押し返す。一度、距離を取るという考えだろう。だが、サナエは攻撃の手を緩めない。左右のチャクラムで、まるでダンスを披露するみたいな、上下左右のあらゆる角度からの多段攻撃。


「フン!」


全てを受けきれないと判断したライナスは、力任せの体当たりに出た。驚いたサナエは咄嗟に離れる。直撃はしなかったものの、近付き辛くなってしまった。彼女はまだ、チャクラムを投擲する攻撃は成功率が低かった。使えるようになれば中距離攻撃もできるようになるのだが。


「2分たった?」


「うん、たったよ」


「じゃあ……っ!」


サナエは戦士達の鼓舞を発動させる。突如踊り出した彼女の舞に、その場に居た全ての者達が目を奪われる。故に、舞は妨害される事なく完了した。完了と同時に飛躍する彼女のステータス。


サナエ=ツチダ


種族 人間 (ノーマル) 女 age 17


体力 115/115 +24

攻撃力 92/92 +18

耐久力 95/95 +20

精神力 93/93 +18

魔力 116/116 +24

俊敏 181/181 +36

魅力 73/100 +14

運 30 +6


2分間、各ステータスが20%能力向上する。こんなバフが2分間とは本当に、恐ろしいね。しかも、最大値が固定されている魅力や運までも上げてしまうのだから。

彼女の上がった腕力は、ライナスの耐久力を上回った。結果は言うまでもなく、更に俊敏な動きになった彼女の動きに、ライナスは手も足も出ずに膝を土に付けた。


「おいおい!ライナスが負けちまったぞ⁈食堂の嬢ちゃんが、こんなに強いとは‼︎」


「くっ…」


ちょっと、本気で凹んでる。対象的に、凄く喜び笑うサナエさん。今後に影響出るかもしれないから一応、フォローしとくか…。


「ライナスさん、ありがとうございました。今回は技能の使用を控えて頂き、サナエさんも怪我をせずに済みました」


「え?どういう事?」


「サナエさん、ライナスさんにも技能はあるんですよ?しかも、彼の職種は槍兵で得意武器は槍です。間合いが元々違う条件で戦ってくれたんですよ」


「そうだったんだ…ありがとうございました!」


「違う言葉で話されても分からん」


負けたのに何故か感謝されてライナスは若干引いてる。

まぁ、本人も得意武器は分かっていても、自分の技能は知らないみたいだけどね。結果的に、まぁいい経験が出来たのではなかろうか。


「嬢ちゃん、今度、食堂でも踊ってくれよ」


「仕事中は踊らないと決めてるんです。すみません」


守衛達に頼まれるも、サナエさんはやんわりと首を振って断っていた。残念そうな彼等に手を振って、今晩は帰る事にした。夜に実戦訓練は控えるとしよう。一応約束だからね。だから仕事で休みの日をもらって、日中に行くとしようかな。

因みに、今日のサナエさんの成長はこうなった。


サナエ=ツチダ


種族 人間 (ノーマル) 女 age 17


体力 121/121

攻撃力 94/94

耐久力 95/95

精神力 94/94

魔力 117/117

俊敏 189/189

魅力 74/100

運 30


劇的な変化は無いけど、確実に上げて行くとしますか。もっと熟練度を上げなきゃ技能の方はレベルはまだ上がらないみたいだね。

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