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空の彼方

作者: 川理 大利

かなり短めの短編小説です。

 空の彼方、そこには何があるのだろう。青く広がる空を見上げながら考える。どこまでも宇宙が広がっているのか。はたまた宇宙の果てがあるのか。それとも想像すら難しい何かがあるのか。はっきりとは、分かっていない。しかし、そんな未知なものであるという状態が好きだった。全てが分かりきってしまった世界で未知なものは空の彼方だけだった。だからその未知であるということが好きだった。


 数年前に時間旅行というものは手軽な物になり数百年前の世界を一周旅行するなんてものもあるらしい。それが可能になると共に未知の存在とされてきた未確認飛行物体は時間旅行中の旅人だということが判明した。あくまでも予測にすぎないがその予測はほぼ確実だろうと言われている。


 現実と、非現実の境界線は曖昧であり一歩外に出れば非現実の世界に踏み入れてしまう数千年前はそれが常識だったのだ。今現在とは大違いだ。現実と非現実の境界線ははっきりとしており外に出ることはできない。きっと、空の彼方が何かが分かれば世界はつまらなくなるだろう。


 しかし、きっと空の彼方は綺麗だろう。今では望めばすぐ作り出すことができてしまう虹やダイヤモンドダストのように幻想的なのだろう。そう、信じてゲートの中に入り世界の境界を越える。数年前に異世界と交流ができるようになり更に技術力は上がった。今では複数の世界と合同で研究が行われており数年後には空の彼方がどうなっているのかが分かるらしい。


 本当につまらない世界だ。今の世界は。もう、この世界はだめだ。そんな事を考えながら目をつぶり再び目を開けると、先程までとは異なる景色が広がっていた。別の世界に飛んだ。世界同士の行き来は基本的に自由である。理由としてはどこからでも一人一人の人間を監視することができるからだそうだ。そのおかげで犯罪は無くなった。良いことがある反面で悪いこともあるのだ。


 ところで、先程からいるこの世界はどこの世界なのか。どうやら、森のなかに立っているらしい。視界にナビを呼び出してどこの世界かを調べる。全てはこれで済ませることができる。買い物もコミュニケーションもこのナビで全て足りるのだ。イマイチ仕組みは分からないが便利だから良いかと思っている。しかし、ナビに表示されたのは現在地不明というものだった。どうやら、誰も知らない世界に迷いこんでしまったらしい。ここは、きっと未知で溢れているだろうとそう信じて歩きだした。


 しかし、森を抜けた彼が見たのはもと居た世界が発芽前の種に見えてしまうほど発達した世界だった。そう、世界にはまだ未知がたくさんあったのだった。


 そして、彼が居なくなった数年後。空の彼方が何かが分かったのだった。結論としては果てがあった。しかし、その果ての先には未知の領域があったのだった。それこそ、これまでの常識を覆してしまうようなものだった。

読んでくださりありがとうございます。


希望がないようでも案外近くにあるのかもしれません。

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