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クリスマス特別編 中

クリスマス特別編2話目です。

「お待たせタツ」


珍しく待ち合わせになった本日、12月24日のクリスマスイブ当日・・・待ち合わせの場所に早めに来て待っていたら瑠璃さんが時間より少し早くやってきた。


「ごめんね。寒いのに待たせちゃって・・・」


「ん?全然待ってないよ。今来たところ」


きっと今どき珍しいくらいに定番な台詞を言えたことに少し嬉しくなっていたが、実際そこまで長時間待ってたいた訳ではないので本音でもある。


本日の瑠璃さんは白を基調としたもこもこコートにロングのスカート・・・兎柄のマフラーが特徴的な全体的に可愛い印象の衣装だ。


「じゃあ、行こうか」


「うん・・・あ、ちょっと待って」


歩き出そうとすると瑠璃さんに制止させられる。

どうかしたのかな?


「これとこれで・・・タツ。ちょっとこっち来て」


鞄を漁って何かを取り出した瑠璃さんに呼ばれて近づくと、瑠璃さんの手元には自撮り棒があり、先端にはスマホが・・・うん?あれ?


「瑠璃さんどうして、今それ・・・」


「いいからいいから!」


そう言って瑠璃さんが僕の腕に抱きついてきて、そのまま一枚カシャリとスマホからカメラの音が聞こえてきた。


「うーん。タツ少し表情固いよ?」


撮った写真を見て瑠璃さんがそんなことを言い出した。

・・・いきなり撮られるとそうなりますよ。ましてや抱きついてきた瑠璃さんの感触が表情にダイレクトに現れそうになるのを抑えるとそうもなりますよ。うん。


「瑠璃さんなんで写真を?」


「うん?だって、タツと初めてのクリスマスだよ?思い出は心にも形にも残さないと・・・ね?」


ウィンク付きでそう言われてしまえば僕にはそれ以上は何も言えず・・・結局何枚か寒いなか写真を撮ってから、僕の顔だけは熱を持った状態で町を歩き出す。


「さて・・・どこ行こうか」


「うーん。どうしようね」


基本的にはデートは瑠璃さんが率先して行きたい場所を言ってそこに僕も行く・・・という瑠璃さん主導のものがほとんどなのだが・・・今日に関しては特に決めてないようだ。


本当なら、僕が店を予約したりと男らしいところを見せればいいのかもしれないが・・・これが僕と瑠璃さんの自然な形なので変に気取ったりはしたくない。


無理して背伸びして瑠璃さんと並ぶより、僕のペースでも瑠璃さんに追い付くようにしたいのだ。


以前瑠璃さんにも、そう言われたしね。


「とりあえず・・・夕飯はまだ早いけど・・・」


「あ、夕飯はお店予約してあるから大丈夫だよ」


流石瑠璃さん。男として自信を無くしそうになるけど、元より無いようなプライドなど考慮する必要はない。


「それじゃあ・・・少し色々見て回ろうか」


「うん!」


そう言うと笑顔で頷いてくれる瑠璃さん。

そうして、二人でお店巡り・・・と称した冷やかしのようなデートを夕飯の店の予約時間まで楽しんだ。


クリスマス限定で出てる商品を見て回ったり、女子力高めの店で瑠璃さんに解説をお願いして色々見たり、この寒いなか頑張ってケーキを売ってるミニスカサンタ姿のお姉さんを見て瑠璃さんに「私も着た方がいい?」と究極の問いかけをされたり・・・とにかく瑠璃さんとの時間を満喫した。


その後で入った瑠璃さんが予約したお店は、そんなに敷居の高そうなところ・・・という感じよりも庶民的な感じのレストランで、クリスマス限定メニューなるものを美味しくいただきました。


ちなみに、最後のデザートであるケーキを食べた時にどうやらクリームが僕の唇についたらしくて、瑠璃さんに言われてからすぐにキス・・・ごほん!とって貰ったことで赤面してしまったのは言うまでもないだろう。


そのときの瑠璃さんがまたなんとも妖艶に「ごちそうさま」なんて言うから・・・しかも店の中でやられたから羞恥心も混じってかなりの赤面具合だったと思う。




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