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10 僕と彼女の解決法

おはようございます。


ニチアサが終わってからぬると投稿(°▽°)

「な、何よあんた!離しなさいよ!」


僕と瑠璃さんが見つめあっていたら、再起動したらしいピンクさんがそう言って瑠璃さんの手をほどこうとする。

そんなピンクさんを瑠璃さんはスルーして後ろに放り投げると僕の方へと寄ってきた。


「タツ・・・」


「瑠璃さんあの・・・」


「似合ってるわよ、それ」


ニコッと笑顔を浮かべてそう言われてしまえば僕はもう何も言えない。

かぁ・・・と赤くなる顔を隠そうと顔を俯きかけるが、そんな僕を瑠璃さんは逃がすまいと顎をくいっと持ちあげて微笑んだ。


「照れなくてもいいのに・・・でも、無事でよかったよ」


「・・・!?る、瑠璃さん・・・あ、ありがとう・・・」


照れながらもなんとかお礼を言うと瑠璃さんは頷いてから、視線を後ろに向ける。

気がつくといつの間にか僕を囲っていた連中やピンクさんはいつもの部下の人達に取り押さえられていた。


「ちょっと!何するの!私を誰だと・・・」


「誰なのかしら?」


抑えられて喚くピンクさんに瑠璃さんは冷たい声をかける。

あれ?もしかしなくても瑠璃さん少し怒ってたり・・・


「誰なのかしら?私のタツに手を出そうとしたのは?」


ごごご・・・と効果音がつきそうなくらいに静かに問いただす瑠璃さんのその異様な迫力にピンクさんはおろか、その場の誰もが圧倒された・・・が、ピンクさんはなんとかそれに震えながらも言葉を続ける。


「ふ、ふざけないで!私は烈兎隊の幹部なのよ!私にこんなことをしてただですむと思ってるの!」


「ふふ・・・それが本当でも嘘でも確かにただではすまないわね」


「ど、どういうことよ?」


瑠璃さんはそのピンクさんの問いにただ無言でマント?なのかはわからないけど、羽織りのようなものを部下から受けとるとそれを身に付けてピンクさん達によく見えるように広げた。


刺繍されているのはファンキーな兎のキャラクターと『烈兎隊総長』の文字・・・それを見てピンクさん達は言葉を失う。


「自己紹介しましょうか?『烈兎隊』の総長・・・雲雀瑠璃よ。さて、じゃあ、あなたも改めて名乗って貰おうかしら?自称『幹部』さん?」


ニッコリと微笑んだ瑠璃さんは・・・しかし、やはり気迫がさっきまでと段違いで、ピンクさんは顔を真っ青にして震え出す。


「ど、どうして、本物が・・・」


「言ったでしょ?『私のタツに手を出したのは誰?』って。貴女がご執心だった男の彼女役を私の彼氏がやっていたのよ」


「か、彼女役をって・・・まさか男!?」


そんなに驚愕して見ないでよ。

僕だってそんな趣味があってやった訳ではないんだから。


「タツ。頭のそれ取ってこっちにきて」


瑠璃さんからそう言われて無言でウィッグをはずして瑠璃さんの隣に並ぶ・・・と、瑠璃さんが僕の体を抱き寄せて抱きつくような姿勢をとった。


「紹介しましょうか?私・・・烈兎隊総長、雲雀瑠璃の彼氏の・・・鈴木達也よ」


「えっと・・・どうも・・・」


瑠璃さんの体の柔らかさを感じつつも自分が今は女装中だと思うと泣けてくるので静かに挨拶をする・・・と、益々真っ青になっていくピンクさん。


「そ、そんな・・・」


「別に私はタツに関係なければ貴女が何をしようと勝手だと思ってるけど・・・でも、私のタツを襲おうとしたのを許すことはできない」


隣の瑠璃さんはすっと目を細くして視線を鋭くしてピンクさんを見て言った。


「貴女が烈兎隊だろうが、他のグループだろうがタツに手を出そうとしたのがそもそもの間違いなのよ。本来ならここで八つ裂きにしたいところだけど・・・」


「ひぃ!」


瑠璃さんの台詞に恐怖で悲鳴をあげるピンクさん。

ハッキリ言う。僕も怖いけど・・・


「瑠璃さん。別に僕は何もされてないから大丈夫だよ?組織としての罰を与えるなら僕からは何も言えないけど・・・でも、個人的には何もされてないからほどほどにしてあげてね?」


いくらストーカー女でも、特別なにかをされた訳ではないので瑠璃さんにはそういっておく。

まあ、正直、目の前で人がばらされる瞬間を見たくないという思いが強かったけど・・・


瑠璃さんは僕の言葉にキョトンとしてから「仕方ないなぁ」と言いたげな表情を浮かべてからピンクさんに言った。


「優しいタツに感謝しなさいよ?皆、あとはよろしく」


「「「はい!姐御!!!」」」


その言葉で連れてかれるピンクさん達。


「さてと・・・タツ」


路地裏が静かになると瑠璃さんはにこりと笑って・・・あれ?なんか嫌な予感が・・・


恐る恐る瑠璃さんから距離を置こうとするが、それを逃がすまいと瑠璃さんに腕を掴まれてしまい、柔らかい感触がダイレクトに伝わる。


う、うれしいはずなのに・・・これって逃がさないってサインだよね?


「約束覚えてるよね?」


「や、約束って・・・」


なんでも言うこと聞くってやつ?

瑠璃さんは僕の内心の疑問にこくりと頷いてからニッコリと笑って無慈悲にも・・・それを告げた。


「今からその格好のままデートしましょう」



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