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6 〜動き出す〜

戦闘などない

あれから……5ヶ月が経ち




私の首が座った


寝返りが打てるようになった


外の景色(空以外)がみれるようになった


歩くことができるようになった(空中限定)



それまでの私は暇だった。暇すぎる。暇すぎて死にそう。多分人生の5分の1の暇は使ったんじゃ無いかっていうくらい暇。

5ヶ月なにもしないなんて考えられるだろうか?なにもっていうと魔法の練習とか私の中にいるフェル達を起こすために魔力をフェル達に注いでたりしていたから嘘になるけど。


で首が座ったはいいがまだ歩くどころかハイハイもできないわけだ。まぁできても土の上をハイハイするのは汚れるから嫌なので色々と移動速度と移動の楽さを考えた結果が空中を漂って移動するという方法である。


ちなみになぜ浮いているのかというと、私の魔法『浮遊フロート』のおかげである。多分一日中使っていても魔力が切れないくらいの低燃費な魔法だ。そのうち『飛行フライ』にも挑戦したい。


さて、浮かんで移動できるようになった私は秒速40センチメートルでクレーターの中を進んでいく。


いや私も驚いたよ、ほんと。どうやら私は6メーター四方の正方形の隕石とともにこの世に生を受けたらしい。まぁよく見たら隕石に『ひかるちゃん!元気にしてる?僕たちからのプレゼントだよ!中に入ってるのはきっと役に立つし、この外壁も金属として役に立つよ! あなたの家族 最高神クライブより』って書いてあったし。

まさかの謎鋼鉄製のこのプレゼント箱だが…どこから開ければいいんだ?穴を開けろと?


面倒なので3歳になるまでは無視を決め込むことにした。というか唯一の知り合いとのつながりを壊せるほどまだ心が落ち着いてない。フェル達が出てきたら壊そう。


私は取り敢えず森を探索する。

とにかく何か食べたい。

フランス料理や懐石料理なんてここにはないだろうけど、というかそんなの食べたことない。

フォアグラもキャビアもトリュフも…食べ損なったなぁ…

森の中なので食べ物といっても最初はすりおろしりんご的なもので我慢する。


何か果物ないかな?

ちなみに私の寝床は木精霊のドリアードさん達が守ってくれている。

木がひとりでに動く様はホラーだが私に日陰を提供してくれる有難い存在でもある。ちなみにどういうわけかこの周りはドリアードだらけだった。

なんで?


そんなドリアード地帯を抜けて少し行くとやっと普通の森になった。若干足元…浮いてるから足下?私の下を紫色の霧というかもやというかなんかが通ったりするのも異世界ならではのことなんだろう。そのもやは私に触れたら消滅したけど。


私は食べ物を求め彷徨う。森の中で迷子になったらやばそうだけどその心配はいらない。一応寝床の場所はわかる。『マーキング』しておいたから。

魔法が便利すぎて地球に帰れない。


…そういえば私は今まで『地球に帰りたい』とかそういうのを感じたことがない。

『あのおばあちゃん大丈夫かな?』とか『仕送りしておけば良かった』とか『どういう扱いで処理されてるんだろう』とかは思ったけど、あの場所に帰りたい、やり直したいとは思わない。こう思うと案外私は自分に未練がなかったのだなと思う。


コーヒー飲みたい



私がしばらく歩いて…ふわふわと浮いていると私はとうとう命あるものを見つけた!


私の目の前、少し見下ろす感じになってますが…にいるのは黒い毛並みに赤色の目が美しい狼さんである。


もふらせろ!


私は狼さんに秒速40センチメートルで飛びかかる。

狼さんは後ろに跳躍したのち遠吠えをした。

カッコいい!!

フェルはどっちかというとなんていうんだろう…癒し!そう癒し系なんだよね。なんかたまに渋い雰囲気を出してる時もあるけど。


ちょっとフェルの魅力について思い出していたらいつのまにか私を中心に狼さんが集まっていた。


集団でもふられにきたのか…いいだろう。その勝負受けて立つ!お前らがもふられ負けるか私がもふりまけるか勝負だ!


私はもふもふの構えを取る


説明しよう!もふもふの構えとは突っ込んできた動物の頭をお腹で受け止めてその後もふるための構えである。ちなみにクマなどの大型動物はNG。


狼さん達が一斉に動き始めたので私も動き出す。

異世界初の戦闘だ!


私は戦闘モードに意識を切り替える。


……ちゃんと切り替ってるかな?


それにしても狼さん達の動きが遅いさっきからずっと止まってるんじゃないか?

そうか!…仕方ないな。こちらからいくぞぉぉおおお。




……あぁ、ちょっとゴワゴワするけどなかなかのもふもふをお持ちで。いいね…でもなんか臭うな…


においが気になるので神様直伝の汚れを落とす魔法を使うおう


浄化プリファイ


ちなみに、私は詠唱とか魔法名を叫ぶのはやりたいと思うのだが…


「ふりあい…ふりふぁい」


こんな感じ。それでも魔法はちゃんと発動するんだね。

まぁ、日常生活で使うときは魔法名だけで使っていこうと思う。魔法名も無しだとイメージだけでやらないといけないからちょっとめんどくさい。


しばらく狼さん達を綺麗にしていくとぐったりとして動かなくなった。

色も綺麗な淡い緑色になったし……すごい汚かったんだね君たち。


私はこの勝負にもふり勝った。

やったぜ


しばらく綺麗になった狼さん達をもふっていると狼さん達は再起動し始めた。


可愛い。


それにしてもいいにおいだなぁ。お日様の匂いというか干したてのお布団みたいな匂いがする。さわり心地はなんというか毛布みたいな感じで気持ちいい。

あー癒されるわぁ。フェルもいいけどこっちもいいなぁ。


ん?なんかフェルの魂だけ魔力を吸うスピードが増えた気がする。

なんとなくフェルの吸い込む魔力の色が橙と緑と紫ばかりなのでフェルには追加でその色の魔力を上げることにした。


もしかして好みがあったりするのかな?


よくよく感じ取ろうとするとミーシャは赤と青色をレイさんは白色と黒色…黒?

白の光を分解しても黒色の光は…というか光なのに黒って時点でおかしいし。

多分この魔力の色というものは私が魔力から感じているイメージみたいなものだからそんなこともあるんだね。というかレイさんも結構吸うな…だいたいミーシャの1.5倍くらい。


あと1ヶ月くらいしたら出てくるのかなぁ


=うぅ、ここは?=

=我々はどうしていたのだ…=

=うわっやめて、あっそこっ。んっ…=

=ひとまずみんな無事か?=


突然念話が飛び込んできた。

今度は誰の念話なんだか。どうせ今回のも盗聴まがいの状態だろう。なんか勝手に聞こえちゃうんだよなぁー。


取り敢えず狼さんの首の周りと尻尾をもふもふしながら私の念話能力について考える。

まぁ聞かないようにできるかな…


=えっ尻尾はラメェ…あっ /



………



おっ出来た。やればできるじゃん私。

あーもふもふサイコー、これは日々の疲れも吹き飛んで明日からも頑張れるってもんですよ。

やることないけど。



あーなんかわからないけど狼さんがあったかくなってきた。

いい感じのサイズなので背中に乗る。

なんたってまだ乳幼児だからね。かなりのフィット感。冬場のコタツのような安心感。

あぁいいわぁ。


またフェルの吸い込む魔力の量が増えたような気がした


…そもそも何しにきたんだっけ。


えーと確か、何か食べたいなぁと思ったんだよな。


私は周りをキョロキョロと見渡し

周りの木の中に赤い実をつけた木を見つけた


りんごかな?


私はそのままふわふわと浮いてその実を掴んでむしり取ろうとしたら実が砕けた…


○子DXかよ…


なんなのこの果物。


〈スキル 鑑定 を取得しました〉


アナウンスが脳内に流れる。


鑑定キタコレ!!

定番もど定番。知識チートには欠かせない!

でもどんな効果なんだろ。できればどうか相手のステータスまで見れるようになっていてください!


とりあえず赤い実を鑑定してみた。


鑑定と心の中で念じると半透明の説明欄が出てきた。えっとなになに…名称はアポルの実。その実は甘さと酸味のバランスが取れていて美味である…食べれるということがわかっただけよしとしよう。


じゃあ狼さんは?

鑑定!


種族リトルレッサーフェンリル


本家フェンリルに比べてはとても弱い聖獣レッサーフェンリルの子供。子供の内は群れで過ごし成熟すると番を探し旅をする。ちなみに子供とはいえ自然界では群れでのチームワークを生かし上の下あたりの強さを持つ。単体でも中の中ほど。



え?アポルの実の説明よりだいぶ濃い?

いやいやアポルの実の説明載せようか?



アポルの実(品種 サンサン)


日の光を浴びて育ったアポルの実。

特に品種サンサンは甘みが強くわずかな酸味も相まってとても美味とされている。

みずみずしさでは品種マギナゴールドに負けるがそれでも噛んだ瞬間に溢れるような量の水分を含んでいる。レッサーフェンリルを始めウインドイーグルやデスホークなども好んでーーー


割愛



ーーであるため市場には絶対に生では出回らない貴重品である。



長いから途中で読むのやめたの。

なんか五回くらい画面を上にフリックした気がする。

一体この文章は誰が書いたんだろう。

脳裏にリーブさんの顔がクローズアップされてフェードアウトしていったが気にしたらダメな気がする。


りんごをかじることはできないので魔法でスパッと切り分ける。

このりんごは驚いたことに一個だけ大きめの種がある。

種があることに驚いたがよく考えたら普通のことだった。

貴重っぽい感じだし、帰ったら埋めて育ててみようかな。


切り分けたりんごを握り潰してジュースにする。

ジュースが私の手を濡らし過ごしベトベトするが


うまっ!!

これは…確実に栽培に成功する必要が出てきた。


早く帰らねば!


私は布団とかしていた狼さんから飛び上がって自宅までまっすぐ木の上を飛んで帰った。


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