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これ以上この場をカオスにしないでくれ

〈レインside〉


「あーあー、自分の娘が怪我するのを黙って見ているなんてひどい親じゃの」


このロリババアがばーちゃんこと三将軍が一人


不死身の分隊長ことヒルダ将軍。


本名はヒルダ・アル・エルダ・エルフォニアという。


長ったらしい名前から分かる通り

エルフの国の元長である。

ちなみにエルフの国では上層部の腐敗を防ぐ為に長は最大で100年までしかすることができないという。

ちなみにばーちゃんはもう100年長を勤めたのでもう長になることは出来ない。

ちなみにそれが500年ほど前のことだという。

ちなみにその時長をやめてすぐに勇者の仲間になったらしく、魔法使いといえばエルフなんていうイメージを人々に植えつけたのもばーちゃんである。


あと名前の意味だがヒルダが名前、あとは色々めんどくさいので覚えてない。


そもそもエルフには家名というものがないので


どこどこさんの息子の誰々みたいな自己紹介なのだ。

ちなみにエルフォニアはどこの族に所属しているかを表している。


そういう俺も160年か、もうちょっと前まではレイン・エルフォニアだったからなぁ。


まだあの頃はまだガキだったなぁ…50歳くらいの時に武者修行の旅に出てソニアと出会って一緒に進化して…あの頃はまだ80年か100年くらいしか生きてないガキだったからなぁ…


ソニアと出会って…旅して冒険して駆け落ちして…ソニアも俺も身分も金も王族としての義務も責任も全部投げ出して…この国のトライトさんに引き取られて…


それからトライトさんは旅に出るから任せるって言ってイース家を任されたんだったなぁ…


懐かしい…またソニアとどこかのダンジョンに潜るのもいいかもしれない。


それもソニアが子供をしっかり産んでからだな…

…なんだかソニアが一段と愛おしい。


「おいっ私より若いのに遂にボケたのかい?」

「あぁソニア…君を愛しているよ…」


あぁソニアが可愛い…食べちゃいたいくらいだ…

今日はライカちゃんには早く眠ってもらわないとな…


「おいばーさん…っ!いえっおねーさん…そいつ色ボケしてるんでそのままにしてやってください」

「なんだ、やっぱりボケてるんじゃないかい。私しゃこの前また一つダンジョンをぶっ壊してきたからね。レベルも238じゃよ!もしかしたら進化するかもと思っていたのじゃが…」

「ば…おねーさんバケモンかよ…ところで進化するって聞いたことないぞ?」

「わしも聞いたことがないのぉ…わしは今レベル311なんじゃが…」


ばーちゃんとマークが何やら話し込んでいるがそんなことはどうでもいい。


「実はな…進化すると若返るんじゃよ!」

「な、なんじゃとっ!人間は?人間は進化できるのか?」

「え?できるよ?お前たちが三将軍とか呼んでるやつの一人がそうじゃ。…それに比べるとクロムや…お前には、ちと将軍の座は重すぎたかもしれんな」

「全くです。日々精進します…」

「本当に気概のないやつばかりで困る…わたしの若い時なんかはなダンジョンを踏破しまくってダンジョンをハシゴしたもんじゃ」

「全くそうですなぁ…わしも気にいる杖がなかなかダンジョンで見つからなくて日々ダンジョンを踏破したものですわい」

「全く最近の若いのはこれだから…どうだい?ハウルさんや?ダンジョンサクッと行きます?」

「おおっ!それはいいですな…しかし半身がこのようになってしまっているので足を引っ張りますよ?」


出産に適した場所を探さないと…そういえば魔力が整っていて澄んだ場所がいいと聞いたことがあるな…


「シルフォよ…来てくれ」


「ちょっと見させてもらうぞ?」

「えっええ…」

「んん…魔力回路の深い損傷…イドからの供給回路も焼き切れているか…何老いぼれが無茶してるんだい」

「無茶しなきゃ守れなかったのさ…」


シルフォは基本的に呼んでから来るのに時間がかかる。

シルフォ曰く準備が色々あるのだという。


「どうせ飛行魔術使って飛び回りながら魔法打とうとしたら腰をやってモンスターの群れの前に不時着したんだろう?」

「な、何故それを?!」

「腰の痛みで飛ぶわけにはいかず着地の衝撃で足首をやってしまったのじゃろ?で痛みで集中がうまくできず出力を無理にあげた結果がこれじゃろ?」

「め、面目無い」


ん?今日はいつにも増して遅いな…

そういえば25年くらいぶりかな?

ちょっと多めに魔力注ぐか


ふんっ!


「なに、老いぼれのよしみじゃ。直してやろう」

「ありがとう」

「別に構わんよ。そのかわりわたしとダンジョン探索に付き合ってくれよ?」

「デートじゃな。構わんよ」

「で、でーとじゃと?!そ、そんなわけなかろう?」

「そうかのぉ…わしにはお主が結構いい女に見えるんじゃが?」

「ちょ…バカじゃないのか?わたしは…もう老いぼれじゃよ?」

「わしも老いぼれじゃよ」


俺にできることは何でもしよう。

風の大精霊のシルフォを召喚する。

俺の契約精霊の一人だ。


『はいはい、久しぶりだね?25年ぶりくらいかな?』

「知らんがとりあえずソニアが出産するんだ。マナが整っていて澄んだ場所を調べてくれ」

『ここから北に行った森の奥深く…あっこれ言っちゃダメだった!…うぅ精霊王様に怒られちゃうよ…』

「「「「ファッ?!」」」」


うん?セイレイオウ?

なんかハウル元将軍も口開けてるし…ばーちゃんも驚いてる?!


「ど、どういうことじゃっ!教えろ!わしの進化のために!若返りのために!」

「教えなさい!わたしの若返りのためになぁっ!」


な、なんだっ?ジジイとババァが恐ろしいぞ?


「ふふふ…精霊王の下で修行すればわしはきっと若返ることができる…そうすればヒルダさんを振り向かせられるはず…」


ボソボソハウル元将軍が言ってるけど全部聞こえてるぞー


「……精霊王の下で修行すれば若返ってハウルさんもわたしにメロメロになるはず…」


ばーちゃん、お前もか。


「で腕を切り落としたらその後どうする?」

「うーんそうだなぁ…すぐに引っ付けるのはなんかなぁ…」

「でもどうせすぐ会うぞ?後から引っ付けたところでなぁ」

「もういっそのこと片腕になっちまえよ……部位欠陥の回復ポーションがうちに結構あるからさ」

「訓練になりそうだな…それもいいかもしれん」

「じゃ回復は「傷口を塞ぐ程度で」オッケー了解した」


うわっなんか知らんが勝手に色々と話が進んでる?!

というかマークもクロムもやばい話するなよ。

まず人の庭で腕切り落とすとかなに考えてんだ。


「教えろぉぉおおお」

「教えるのだぁぁあああ」

『あばばば…た、助けて!レイン!』

「「なに、教えてくれれば命まではとらんさ」」

『ひっ……』


大精霊を気絶させる…だと?


「起きろ」

「起きなさい」

『んにゃ…もうお腹いっぱい…』

「「おい」」



「よし、いいかガキ?これがお前の犯した罪の大きさだ…(クロム、これでいいか?)」

「お前!親父になんかしたら許さないからな!絶対許さないからな!」

「ガヴェイル…父さんはお前の代わりに罰を受けるんだよ。お前はその意識をしっかり持ちなさい…(おう、いいぞ…そう身体強化をかけて一思いに綺麗にスパッと切ってくれ)」

「(いや、剣なんて持ったことほとんどないんだが?)…よし、ではやろうか」

「親父…」

「(ちょっ、お前さぁなにやってんの?剣先震えてるんだけど…切断強化もかけてくれ、切り口が汚くなりそうだ)…マーク頼む」


いや?なにこのカオス?


「ハウルさんや…〔ポカポカ〕…この精霊殴っても起きないね」

「そうですねぇ…〔ビシっバシっ〕…起きませんねぇ」

「ちょっとばーちゃん?!俺の契約精霊になにやってんの?!」

「「えっ?拷問?」」

「なんで疑問形?!」


くそっクロム!マーク!助けて…くれ…


「オラァっ!」

「もうちょっと踏み込んで!」

「オラァアっ!!」

「なんで腕が切れないんだよ!」

「お前が腕に強化かけるからだろっ!」

「すまん!無意識だ!ところで切断強化はっ!」

「絶対かけん…俺は俺の剣の腕だけでお前の腕を切ってやる…」

「お前…魔術科目専攻だっただろ…戦士科魔術科のどっちにも行ってた俺とは違うんだからさぁ」

「否っ!クロム・アーツクスに出来て、このマーク・マギラウスに出来ないことなどない!」

「そういうところ変わらないよなぁ」

「この天才が…絶対負けんぞ…剣も魔法も極めようとしたくせに俺と同等に魔法が使えるなんて俺は絶対に認めん!」

「今は違うだろ…早く切断強化かけろよ」

「…無理だ…動きながらではうまく集中できん…同時に4つ魔術を違うのは平気なのだが…スキルレベルも最近ようやく魔法術の火属性が10になったのだ!光属性は8になったぞ!」

「へぇすげぇな!俺なんて火属性は8だし光属性はまだ6なんだぞ」

「なんでお前の魔法スキルはそんなに高いんだぁぁぁあああ!……だぁっ!切れん!」

「だから切断強化使えって」


だれかー!だれかこのカオスを止めてくれー!


「おおっ足が動く!ありがとうヒルダ!」

「ハウルっ?!きゅ、急に抱きしめるなどハレンチではないか!」

「あぁ…すまんな…嫌…だったか?」

「嫌…ではないが…ほら…人の目があるじゃろう?」


おいジジイ、ババァイチャつく元気があるならこの現状をどうにかしてくれ。

そして目に毒だからいちゃつくのは部屋の中でやってくれ。


見た感じおじいさんが孫を愛でてるようにしか見えないから…悲しくなるから…


「部屋の中ならいいのかの?」

「い、いや…構わんが…そういうことは…まだ早いんじゃないかと…」

「なんじゃ?そういう経験ないかの?」

「あ、ありますよ!わたしだって大人ですし?」

「そうか…残念じゃ…わしはそういう経験ないからの…」


まじか…ハウル将軍が童貞だと…

そしてばーちゃん…あんた夫がいるのに…いや居たのにが正しいか…


「(始めての一回以来やってないのじゃが…)」


…まじで?そういえば結婚して妊娠して子供が生まれた数日後にに夫が魔獣に食い殺されたとか昔に言ってたな…


「(あの人に似てないのに…なぜか心が惹かれる…こんなのあの人への裏切りになってしまうじゃないか!…しかし…しかしじゃ…もういいのかもしれんの…すまぬ、わたしはハウルが好きじゃ…)」


確か…うん、ばーちゃんは1000年も貞操を守り続けたんだからもういいんじゃないのかな?

そしてふつうに聞こえる。

心の声漏れてるよばーちゃん!


「(確かに…こんなにステキな人が男を引っ掛けないわけがないか…きっと若い頃は男に囲まれて生活して居たのだろう…それでもいい…わたしはヒルダのことが好きなんだ…女性を好きになったのは初めてだ…これが恋なのか?)」


ジジイ…心の声漏れてるぞ


というかより一層ここをカオスにするじゃない!

年寄り同士のイチャラブなんて需要がねぇよ!


「ヒルダ…」

「ハウル…」

「オラァ!なんで切れない?!」

「切断強化かけろって!」

「お、親父に手を出すな!」

「ソニア様っ!動いちゃダメにゃ!」

「お母さん?!動いちゃダメだって!」

「ソニア様。ハーブティーです」

「ありがとう……スヤァ…」

「私ももらうにゃ…スヤァ…」

「フェル…なにこれ?」

「睡眠導入効果のあるハーブティーにございます」


やめてくれ…これ以上この場をカオスにしないでくれ!


「おっす…あっレイン様じゃないっすかトリスっす。お久しぶりっす…ってええっ?!なにがあった?」


そういえばトリスは孤児院出身だったな。

元闇のエースだったし。

闇関係でなんかあるのか?

というかこれ以上…この場をカオスにしないでくれ…


ジジイ、ババァに一目惚れ

ババァ、ジジイに一目惚れ

ジジイとババァのイチャイチャなど需要があるのか……

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