41〜グダグダ回〜
注意!
この話には中身が恐ろしいほどありません
おかしい。
なんで眠いんだろう?
今まではそんなことなかったのに。
=ライカちゃん、ライカちゃん=
クライブから念話が来た。
=はいはいもしもしー。こちらライカです。ご用件をどうぞー。=
そういえばさっきから寝心地がいい感じなんだけど…まるでいいマットレスみたいな寝心地。
でも体がなんかスースーする。
=じゃあ伝えるよ。昨日くらいを持ってライカちゃんに付けてた絶対に死なない加護が期限切れになったことをお伝えしまーす。=
=まだ…6年経ってないよ?=
=いや、でもさ、結構この加護大変だし…まっ、イース夫妻に無事引き取ってもらえたみたいだし、僕のお仕事はこれでしゅーりょー…みたいな?=
=なんだそれ…まぁいいですけど=
=じゃあお腹が減ったり、眠気がくるようになったりいつもと体の調子が違うようになるからね、そこんとこよろしく!=
念話が切れた。
念話をしたおかげなのか眠気が取れてきたので重かった瞼を開ける。
「知らない天井だ…これ言ってみたかったんだよね」
はい、知らない天井がありました。
自分の周りを見回して見る。
中世ヨーロッパ風の洗練されたデザインの調度品がいくつかある。
少し大きめの窓からは夜空が見える。
前世じゃこんなに綺麗な星空は拝めないんだろうなぁ。
もちろん部屋のランプは点いていない。
…私真っ裸なんだけど。
しかもベットの上。触った感じからするとスプリングベットかな?
とりあえず寝心地はいい。
掛け布団は羽毛…じゃなくて綿みたい。
服、いつ脱いだんだろう。
私の体をくまなく観察する。
クライブもなんか言ってたし異常がないかチェック。
ちょっと膨らみ始めた胸。
程よく引き締まった体。
汚れのない肌…ん?石鹸みたいな匂いがする。
いつ風呂に入ったんだろう?
髪も綺麗になってる…
最近土とかホコリだらけでちゃんとお手入れできてなかったからちょうどいいか。
服は収納から出せばいいんだけど…多分私が寝てる間に風呂に入れてベットに寝かせてくれたんだよね…そう考えると、うーん…とりあえずフェルを呼ぼう。
「フェル」
私は小声でフェルを呼んでみた。
でもここで私は気づく。
念話で呼べばいいじゃないかと。
「今ここに」
フェルがドアを開けて入ってきた。
じゃあサクッと服を持ってきてもらおう。
「フェル、服持ってきてくれない?」
「ではこちらをどうぞ」
そう言ってフェルはもともと持っていた青いドレスと下着を私に渡してきた。
ん?私が頼む前から服持ってなかった?
ブラを手早く付けてパンツを履く。
なぜか下着だけ現代レベルの品物なのだがそれは気にしてはいけない。
それにしてもドレスかぁ…私こんなのどう着ればいいかわからないよ。
「私が着付けをします」
むうっ⁈また心を読まれた⁈
しかも妙に手慣れている。
「主人様にはコルセットは必要ありませんね」
手早く私にドレスを着せたフェルは満足そうにそう言った。
でもここで気づいたことがある。
「フェルはイース家に雇われたんだよね?」
じゃあ主人はイース夫妻なのでは?
「ええ、そうですが…主人はライカ様ただ一人です」
誇らしそうにフェルはそう言った。
でもそうじゃないんだよ。
「お嬢様」
「主人様?」
「お嬢様って呼んで?」
やっぱりお嬢様って呼ばれてみたくない?
私は主人様と呼ばれるよりお嬢様と呼ばれたい。
フェルの顔が苦々しい。
「お、お、お、じょう、…主人様やはり無理です」
ダメかー!
あとちょっとだったのに!
なんでそんなにこだわるんだー!
こうなっては仕方ない…主人として命令するしかないようだな…
「いいから、これは命令だよ?お嬢様って呼んで?」
「かしこまりました、お嬢様」
おー!効果覿面じゃないか!
「お嬢様…やはり主人様と呼ぶのはダメですか?」
「ダメです。諦めなさい。」
フェルがしゅんとなっている。
が私はこれを譲れないのだ!
そして私はベットに舞い戻る!
「ある…お嬢様、ではまた朝にお迎えに参ります」
そう言ってフェルはドアを開けて出ていった。
ベットの上にダイブ。
んんー。いい感じ。
…………
…………
…………
眠れない。
こんなときは…
刀を振るか、それとも槍?剣もいいけど魔力操作の練習も捨てがたいよなぁ…
趣味、鍛錬…
さて、お嬢様と呼ばれる人種は嬉々として刀や槍を振り回し、体を鍛え、魔力操作の練習を一日中しているのだろうか。
否!きっと毎日優雅にお茶会を開き優雅な時間を過ごしているのだろう…
それに比べて私はどうだろうか?
…………
ダメだ!これでは私のお嬢様ライフに悪影響が!
そう思いつつも左手にはカミカゼの入った木でできた鞘が握られており、右手の上では魔力の球が50個ばかり浮かんでおり。その全てが高速で回転している。
まずい。まずいですよ!
早くお嬢様らしい趣味を見つけないと
私が戦闘民族になってしまう…
なんて恐ろしいことなんだ…
でも右手の上に浮かんでいる魔力球はより小さくなり数は800ほどになっている。
はやくお嬢様らしい趣味を見つけないと…
魔力球の数が3000を超えもはや霧か何かにしか見えなくなった頃ようやく眠気が来たので魔力球を消して私は寝ることにした。
ちなみに部屋の中では刀は振ってません。
最低限の常識くらいわかります。
ーーーーーーーーー
朝チュン!
おはよう!
カーテンを開けるとそこには明るい青空が
…そこに広がっていたのは夜空だった。
なんでだよ!
「フェル」
「ハッここに」
「ひゃっ…びっくりさせないでよ」
「申し訳ございません」
フェルが天井裏から降ってくるとは思わなかった。
もうちょっと探知能力を鍛えた方が…あぁダメだー。こういう考え方がいけないんだよぉ…もう。
でも鍛えるけどね。
「私どれくらい寝てた?」
私の眠気はもうすっかりなくなっている。
「おそらく2時間ほどかと」
「夜明けまではあとどれくらいの時間がある?」
「約3時間ほどです。いかがなさいますか?ある…お嬢様」
また主人様と呼びそうになっているけどまぁいいか。
あぁー、やっぱり夕方から寝ちゃったのがダメだったんだろうなぁ…
「チェスとか将棋とかボードゲーム的なものってある?」
「こちらにあります」
そういってフェルはチェス盤を出して来た
……それどこに置いてあったんだよ。
それからフェルとチェスをして夜明けまで遊んだ。
勝率は5割。
チェスって先行が必ず勝つゲームだったんだね。




