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小話 天使達の裏事情

私は天使。

名前はまだない。

生まれてから大体…何年だったか。

とりあえず、世界が生まれてから創られた最初の天使、100人の内の生き残りといえばいいかな。


天使は20になるとそこから老いなくなる。


種族特性、不老

種族スキル、透過


とは言っても天使だって死ぬときは死ぬ。


天使のお仕事は危険とストレスに満ち満ちているのだ…



今この世界に働ける天使は10000人いる。


だがよく考えて見てほしい。

たかが10000人で世界は回せないでしょう?


子供を増やせばいいじゃない?


そんなことを思ったあなた!


…天使は9.9割が女性なのだよ。


しかも、たった100人ほどの男天使は基本的に上級天使や大天使。

高嶺の花というものです。


上級天使は500人、大天使は8人しかこの世界にいない。


その一人一人が一騎当千(お仕事を捌くスピードと捌くお仕事の量的な意味で)




天使は絶滅危惧種です。



天使さんはとにかく働く。

働くことを強いられているんだ!

とにかく仕事。仕事、仕事。

膨大な量の仕事、週140時間労働は天使達の寿命をゴリゴリ削る。


だが寿命が永遠という皮肉


そのせいか天使の死亡理由ランキング堂々の一位を飾るのは


自殺。


ちなみに2位は

魔物に襲われたことが原因。

3位は過労死

4位は落下死


これくらいしかない。


さて、天使についての紹介はこんな感じでいいかな?


で最古参の内の一人である私なんだけど…


この度無事に上級天使に昇格できました。

ヒャッホーイ!


いやー本当に長かった…


上級天使になると異世界から神様が持ってきた


ぱそこん


なるものが支給される。

これで作業の効率化が進むらしい。


本当今までステータスの書き換えは手書きだったから大変だったんだよね…


全然ステータスの書き方が違う天使もいるし…


マニュアルなんてないから変なステータスの書き方をしてる人もいるし…


とにかく、これでやっと楽できるんだ…


大天使になったらペガサスが支給されるらしい。

飛ぶのに疲れて飛んでる最中に寝て落ちて死ぬ、なんてケースがかなりある。

その予防策として大天使にはペガサスが支給される。

上級天使にもよこせ!


それにしても移動中に睡眠がとれるなんて羨ましい。



で、私の昇格理由は…と、どうやら新しくできた神殿の担当天使に選ばれたらしい。


私神殿で働けるようになったら一週間に一回は寝るんだ…と思っていた私の悲願がついに、遂に果たされるのか…よっしゃぁぁ!



私は今まで勤めていた教会を後にする。

3人一組のローテが2人になってしまうのは申し訳ないが、なにせ私は神殿専属になった上級天使。

バリバリ働いちゃうぞー!


ん?…あれ?よく考えたらワンオペですか?


ーーー

※ワンオペ

一人で店を切り盛りすること。

深夜の牛丼チェーン店において問題になった労働方法。

来る客に対して店員が一人のため負担が増える。

もちろんこの世界には労働基準法なんてものは存在しない。

ーーー



…とりあえず行ってみよう。

現地集合かもしれないし。


私は大天使フィギュアを袋に入れて出発する。


移動方法は基本的に、飛ぶOR走る。


飛ぶのは確かに早いけどすごく疲れるのでちょっと…


そんなわけで歩いて移動。


目的地は…聖域 ライトフォレスト?


聞いたことのない地名だけどとりあえず行ってみないと。



一番最寄りの教会があるマース王国の王都に着いた。


冒険者ギルドには地図があるのでそれと指示書に書かれている地図を見比べる…



………???



立ち入り禁止区域?


死の森?


うっそでしょ。


でも、でも行かなければ…


大丈夫、出るのはレッサーフェンリルくらいだし…あの凶暴なウサギやらクマやらも長年天使をやっている私の敵ではない!


まぁオリジンの生き残りとしては当たり前なんですけどね。戦闘技能だけなら上位30人には食い込めると自負しております。昔は一緒に戦っていたあの8人が今じゃどんどん出世して大天使だからなぁ…

たまには9人集まってお話したいなぁ



…とりあえず行ってみる。


種族スキル、透過


それはオリジンの天使にしか無い特殊なスキル。

簡単に言うと干渉されない。

相手からは自分のことが見えないし何も感じられない、しかも全てをすり抜けることも可能というかなり強めなスキルだ。


ただ次世代天使達は身体能力が私たちよりも高めで生まれるんだよね…そのせいで一体何回辛酸を舐めたことか…後輩に抜かれる先輩ほど惨めなものはないと思うよ、少なくとも私は。


森に入る。

すぐに感じたことは


「ここのマナの流れ妙に整ってる…」


この世界のマナの流れは基本的に淀んでいる。

そこまで手が回らないんだよコンチクショー!

天使のせいにしないでください…


さてそんな妙にマナの流れが整ってる森を進んで行くと何やら気配を感じる。


久しぶりにマナの流れがいいところに来てテンションが上がっていた私は、スキップをしつつ鼻歌を歌いながら進んでいたから、そのせいかもしれない。


慎重に、気配を殺して、足音を立てないように進んで行く。


透過は使ってもいいんだけどそれなりに疲れるからね。


実際オリジンの天使達は透過の使いすぎでマナが枯渇したところをグサリ…だったから。

魔狼フェンリル、邪神の手先だった神祖吸血鬼の魔王。突然変異で生まれたベヒーモス。

突然のスタンピード…散って行く仲間の命…


平和になったもんだなぁ…


ある程度進んで行くと白い狼達が八匹ほど並んで私を待ち構えていた。


むぅ…あまり消耗はしたくなかったんだけど…

でもレッサーフェンリルくらいなら…


あれー?おかしいなぁ?


私は目をこすりもう一度狼達をみる。


狼達は襲いかかって来る様子も威嚇してくる様子もなく、ただ強者としてこちらを値踏みするような目つきでこちらを真っ直ぐに見ている。


「ガーディアンウルフ…なんでこんな場所に…」


指示書をもう一度みる。


聖域 ライトフォレスト


と書かれているその他の記載は特にない。


指示書を丸めようとしたとき私はそれに気づいてしまった。


「裏になんか書いてあるんですけど…」



『守護獣が住み着いてるから頑張ってね☆』



「ざっけんなバーロー!」





なんやかんやあって私は聖域ライトフォレスト専属の天使になった。


「なんでこんなところに神樹なんてものがあるんですか…」


私の勤めている神殿には今日も敬虔な魔物もとい守護獣達がお祈りにやってくる。


『ぱそこん』なんてものは使わなくてもいい環境。

少なすぎる仕事の量。

毎日8時間寝れるという幸せ。


今日も今日とて聖域は平和です。

後から書こうと思っていた内容なのですが、ステータス表示がわかりにくい、とのことでしたのでその原因を書かせていただきました。

裏設定というやつです。


作者が考えなしに書いていたわけではありませんよ?(自爆)

見切り発車のタグは伊達じゃない。


ちなみにオリジンの天使さん達は一人一人があの『ヤラレちゃったー』で有名な天使君より少し下程度の力量を持っているものと思ってください。


冥界の王を単独(支援あり)で撃破するあたり、あの天使君は半ば神さまの領域に入ってると思うんですよ。


ピッ○君強すぎると思うんだよなぁ…

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