23 〜準備期間〜
魔獣達が到着するまでの間、王都は慌ただしくその対策をしていた。
壁の補強。それに堀や柵を設置してある。
これで魔獣の勢いを削いで、それから安全に仕留めて行くという作戦らしい。
また壁の決壊の可能性もあるため、住民は今だけ貴族街と市民街を分ける壁の内側へ避難している。
討伐隊はCランク以上の冒険者、王国騎士隊、王国魔道士隊、それに加え傭兵ギルドの傭兵で構成されている。
特に私は魔道士隊が気になる!
この世界に来てから他人が魔法を使ってるのを、チンピラが使ってる一回しか見たことがないのでちゃんとした魔法というものにかなり惹かれている。
そういえば魔法使いのコスプレはなかった気がする。
やっぱ箒に乗って空飛ぶのがそれっぽいよなぁー。あと三角帽子に黒っぽい服装。
あとで森のみんなに作ってもらおうかな。
それにしても…話長いなぁ
今私は冒険者ギルドの1階で他の冒険者達と講義を受けている。
「……え〜、つまり柵や堀の前の敵は魔道士隊が、え〜柵あたりは冒険者と傭兵が壁のところまでたどり着いた魔物には、え〜騎士隊が対応することになっています。……え〜魔道士隊ともいえどマナ切れの可能性はありますので冒険者や傭兵に負担がかかりやすくなります。なので、え〜囲まれないように立ち回る必要が…え〜………」
え〜 が多いよ!
本当にえ〜が多い。
けど大事なことなので聞いておかないとね。
「ぐが〜」
「すぴー」
「zzz」
「……フゴッ」
「んにゃんにゃもうお腹いっぱい」
ほとんどの人が寝ていた
話し聞けよ!
「……冒険者って自由だわー」
本当にそう思った。
今酒を飲んでる人もいるし
カウンターに寝ている人もいるし
「みんな〜、今日はミケキャットのためにありがと〜」
「「「うおぉぉぉお」」」
ミーシャがライブ的ななにかを始めてるしオタク的な冒険者がその周りに集まってるし…
意外と歌が上手いじゃないか…
踊りもなかなか上手いなぁ…
んー…どっかで見たことあるなー
……前世の有名なアイドルの丸パクリでした
「はい!はい!はいはい!」
オタクどもが右腕を振るっている。
あの一糸乱れぬ連携はなんなんだろう…
レイさんもフェルもなんか人に囲まれてるし…
このままでは前回と同じく私はぼっちになってしまう…
そんなわけでいつもの山の上で鍛錬することにした。
「「「今日もよろしくお願いします!」」」
そうだ!私たちには弟子風の騎士みたいな人たちがいたよ。
嬉しいから今日はいつもよりまともに相手をしてあげよう。
「そこっ。ほらっ!もっと!」
うん。弱い!




