14 〜ここを出るために〜
あとがきになんとなくこの世界の武具の情報を書いて見ました。
そろそろ私はこの森を出ようと思う
季節は夏と春の間、暑い時が多いのでもう初夏だろうか。
森の木も青々と茂っておりもう夏だなぁと感じさせる
この森の木は一年中葉をつけているのだが、まぁ雰囲気的なことだ。私が水を上げたら喜んでるし。
どこにいくにしてもとりあえず服を作らないといけないので北の森にいるデモンスパイダーロードとやらに糸を貰うため会いに行く
そういえばここの地形もおかしいことになってるよなぁ。
北には木々が鬱蒼としていていつでも暗い森が。
あ、もちろん私が通る時は木が動いて明るくしてくれますが。 …あれ、なんか常識が崩れていく音が聞こえるような。
東には火山が。私にとってはサウナ程度の温度でちょうどいいです。木で建物を建てようと思ったら燃えてしまったので石と砂で作ることになりましたけど。
西には雪山が。クーラーがガンガンに効いてる部屋みたいな感じです。ここの洞窟を冷蔵庫がわりにしています。頂上には大きい亀が居座っていますが、私を乗せてソリみたいに山を下るというアトラクションをたまにしてくれる優しい亀です。
南には高めの山と狼さんやうさぎさんがたくさんいる場所です。もふもふできるので私の癒しスポットでもあるし、四方向の環境の中では一番過ごしやすい場所ですね。
で最後は中央のここ。私の家があるので環境はそれは整えましたとも。冷暖房完備温泉付き。汚物は浄化しているので問題ありません。洗濯物は浄化魔法を使っているので出ません。なので今まで一張羅でした…
まずいですよ!
蜘蛛の糸くらいしか糸の素材が思いつかなかったのでそれをもらって服でも作ろうと思う。
ノエルさんから贈られたあの派手な色のマントと仮面に合うような感じの。マントにフードが付いてたのでそれに合う感じに。これは冒険者として活動する為の服装になりそう。
後はそうだなぁ黒いコートに黒いスーツ、全身黒色な隠密用の服も欲しいな。
こちらライカ!これよりミッションを開始する!
あのステルスゲームは面白かったなぁ
後は普通に村人A的な服装。
ま、これはどうにかなるでしょ。
とりあえず妄想はいいから移動しないと!
北の森に着いた。
「主人様、しばらくお待ちを。あの蜘蛛を呼んで参りますので」
「その必要はないよぉ」
木々の間からその人は姿を現した
「ん?貴様誰だ?」
「あ、どーもぉ。ここのトップに会えて光栄ですぅ」
なんかすごいおっとりした上半身が女で下半身が蜘蛛という生き物に出会ってしまった。
「どうも、ライカです」
挨拶と自己紹介を済ませて話を進めようとするとフェルが珍しく狼狽えていた
「前は普通の蜘蛛じゃなかったか?」
「なんか前にそこの人に会ったときにねぇ……
「そこの人とはなんだ!」
「えーだって名前を呼ぶのは失礼にあたるしぃ」
(口喧嘩中……)
要約するとフェルが私をあの人呼ばわりされたのが気に食わなかったらしく、蜘蛛の女の人に食いかかっていたが、のほほんとした会話内容や口調にやられたようでしょんぼりとしながら戻ってきた。
しかも!
精神的にダメージを受けたのが原因なのか、人化の術が不完全になって、渋い大人なケモミミ執事からケモミミショタ執事へとグレードアッ…げふんげふん、グレードダウンしていた
「うわぁぁあん。あるじさまぁああ」
ケモミミショタ執事がこちらに向かって走ってくる!
ライカはどうする?
1抱きしめる 2抱きしめる 3抱きしめる
もちろん抱きしめる一択ですよ〜!
数分間モフるとフェルは落ち着いたらしい
「ご迷惑をおかけしました。申し訳ございません…」
また渋い執事に戻った。
なんというかシュールだ。
さっきまで泣いていたとは思えない。
…これがっ、執事という生き物なのか!
で糸が欲しいと交渉すると名前を付けてもらえるなら幾らでもどうぞとのこと。
正直森の動物たちにも「ベア蔵」とか「ワッフル」とか適当な名前をつけているので問題ないけど…人の名前だもんなぁ。
「ところで下半身は蜘蛛のままなの?」
「人の姿にもできますけどぉ歩きづらいんですぅ」
そういうとトランスフォームした。
それにしても『イチ』とかだったら怒られるよなぁ
「じゃ『アン』よろしくね」
「ありがとうー」
アン、ドゥ、トロワの意味が確か1、2、3だったのでそこからとりました。
数字系統でごめんなさい!
『一太郎』から『三十郎』までには悪いことをしたなぁ
そして服の製作が開始された。
私が適当に描いた服の絵を
フェルが手直しすると…
なんか私の描いた絵っぽいんだけど全然違う絵になった。
それを元にアンが服を作っていく。
ちなみにアンは服を着ているのだが、それは何も着色がされていない真っ白なTシャツだ。
ミーシャがいたら何か描きそうだな…
「呼ばれて飛び出てにゃにゃにゃにゃーん!そりゃぁぁあああ。ふぅ完成にゃ。ではさらばにゃ」
アンのTシャツには大きな黒い文字で『猫派』と書かれていた。
意外と字が上手い。
しかもちゃっかり『ミーシャ 作』と右下に書いてあり肉球スタンプまで押してあった
私もそのTシャツ欲しいな。
不覚にも気に入ってしまった。
そしてアンから私はとんでもない量の布を渡された
糸の状態で渡すよりこちらの方がいいと思ったんだそうだ。
ありがとうございます。
家に帰りフェル達に手伝ってもらって、というかフェル達がいつもの2倍動いた為私のする事はなく。裁縫と芸術のスキルを持っていない私は参加することなく服は完成した。
まず冒険者用の服だが白いスカートだった…
いや、ドレスというべきだろうか。
ヒラヒラがたくさんついてるけど…
黒いブーツが映えます
ヒラヒラをよく見たら青みがかっていたり赤みがかっていたり大事な部分(心臓や内臓あたり)は何重にも布が重ねられていたりと工夫が施してあった。
鑑定!
精霊の衣
耐久性S 耐刃性A 耐貫通A− 耐魔性S 衝撃耐性A+
補助効果
身体能力アップ
備考
伝説の金属4種が僅かながらではあるが均等に糸に織り込まれた一品。糸はアラクネの糸が使われており滅多なことでは傷がつかない。
自動修復機能付き。サイズ自動調整機能付き。
あー耐刃性能Aなのか。大丈夫なのかな?貫通しやすいみたいだし。
ま、どんな格好でも問題ないだろうけどさ…性能がS無いと心配になってきたよ。
「足を保護するものがないわけですよ」
「やはりフルアーマーに?」
「やっぱこのままでいいかも」
足だけアーマーをやろうとしたけど前にすごく動き辛かったのを思い出した。
でも名前がね…精霊は今回手伝っておりません。
詐欺じゃん。
隠密用の方も見る
こちらは黒いとにかく黒い。革っぽい感じのするコートにズボン、そしてストレッチ性のある黒い服がセットだ。
とにかく動きやすさを追求したものになる。
性能も気になる。鑑定。
鑑定の結果は満足いくものだったので割愛。
次は村人の服だなぁと思っていたらミーシャがメイド服で出てきた。
「似合ってるかにゃ?」
顔が赤いのがグッドです。
と思っていた時期がありました。
そこからいきなり「着せ替え人形にゃんていやにゃー!」と言って私を身代わりにした。
私は着せ替え人形になった。
おおよそ50回は着替えた気がするよ…
でも村人の服は全部性能をC+に抑えたから問題ないだろう。
うん、満足のいく出来だ。
「明日には出発しようか」
これ以上は決断が鈍る。
早めにこれからどんな場所で過ごすのか調査しないと私を養子にとってもらった時困る。
…あれ?私が養子になったらフェル達はどうなるの?
ペットとしては連れて行かないだろうなぁ。
そうだ!また私の中に戻ってきて貰えばいいんだ。
そんな話をしてみるとこんな答えが帰ってきた
「もう、主人様の中に戻ることはできません。肉体を持っているので」
本当にどうしよう。そう悩んでいると
=ペット同伴でも大丈夫だよ=
と神からの久しぶりのお告げが来た。
そういうわけでペット同伴でも大丈夫みたいだとフェル達に言うと
フェルは「主人様のお世話をするのは私だ!執事として雇ってもらう」と宣言した。
ミーシャは「こだわりはないから主人と一緒にいるよ」と言った
そしてレイサンは「この姿では怖がられてしまうからな」と言って体をとても小さく変化させた。
丸い体、短い手足、小さな翼。
この姿は?
「この姿は小竜って言われる愛玩用のドラゴンの一種だな。これでも体の性能は変わってないから主人を守ることくらいは簡単だ」
レイサンも私のペットを演じてくれるらしい。
まぁ実際私のペットなんだが。
最近はペットだということを忘れてたよ。
まるで信頼できる部下みたいな感覚を抱いていた。
少し心の穴が埋まった気がした。
でも私が欲しいのは部下じゃない。
もちろんフェル達は大事だ。
でも私が求めてしまうのは
私の隣を一緒の歩幅で歩いてくれる人なんだ。
私をちゃんと見てくれる人なんだ。
私のことを全部受け入れはしなくても理解してくれる人なんだ。
互いに馬鹿なことを言い合える人なんだ。
だから私を全て肯定する今の環境は私に『何か違う』と、そう思わせた。
今の環境はとてもいいはずなのにね。
フェル達もいるのに。
こんなにいい現状で満足できないのだから
やはり私は強欲だ。
この世界の一般的な武具の性能です
武器屋の中で一番量産されているような
武具の設定です
鉄の剣
耐久性D−切れ味C−貫通性C
耐魔性D+マナ伝導率D+
備考
一般的な剣
鉄の鎧
耐久性C−耐刃性D+耐貫通D+
耐魔性C−衝撃耐性D+
備考
一般的な鎧
それなりに腕の良い冒険者ならばこれの一ランク上のオールC+程度をベテランならさらに上のB−ランクの武具を装備しています。
冒険者達は命がかかっているので装備にはお金を惜しみません。
ちなみに近衛兵もB−ランクの武具を使います。
一般兵だとC程度のランクの武具です。
Aランクは国宝級で聖剣並み
Sともなれば眉唾ものの伝説の武器です。
猫派Tシャツ
オールC
備考
猫の気持ちがなんとなくわかるようになる。
猫に好かれる。
猫があらゆる情報を持ってくる(ただし猫語)




