プロローグ
「嫌じゃ嫌じゃあ〜!絶対に嫌じゃあ〜!」
山の上にある大きなお屋敷。
そこで、大きな男が畳の上で小さな子供が駄々をこねるかのように、両手両足をジタバタと動かして叫んでいます。
そんな男を、長い髪をした美しい男が見下ろしていました。その目は氷よりもずっと冷たく、まるで汚いものを見るような目です。
「……あの人が何を言うか、わからないよ?」
呆れた様にそう美しい男が言うと、ガバッ!と効果音が付きそうな位にいきなり起き上がり、目の中に星が見えるような爛々とした目でこう言いました。
「そこは大丈夫じゃ!わしらは年を行く事にショタコンロリコンになるからのう!きっとあのお方も許して下さる!寧ろ嬉々として賛成して下さるじゃろう!」
大男は饒舌にそう言いました。
美しい男は、ハァ、と大きなため息を吐きました。
大男は爛々と目を輝かせています。
大男と美しい男の様子は、まるで鏡の右と左の様に対局です。
「じゃあ、わし、行ってくる!待っててくれ、ロリショタァァァァァァァ!」
「え、ちょっ…………!……ハァ」
大きな男は、すぐに見えなくなりました。
美しい男は、本日2回目のため息を吐きました。