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UnLimited KNights   作者: 刹那翼
第2章 銃の街 アプエスタール 英雄暗殺編
34/45

ウェドニアの執念

リュウSIDE

「その程度か、ウェドニアの王よ」

 リュウの頭を、レイオスが踏む。もうヴェロキラプトルになる気力も無い。

「俺の負けだ……レイオス」

「なら、死ね!」

 何とか、体を捻り、レイオスの振り落とすナイフを避ける。

「おいおい、まだそんな体力残ってんのか、よっ!」

「がはっ……」

 レイオスの蹴りが、リュウの鳩尾みぞおちに入る。

「お前が死ねば、他の奴等は許してやるからさぁ〜。もう面倒臭いんだよねぇ」

「なら、どっかいけよ」

「いやぁ、殺していかなきゃ、俺達のリーダーのユリウル=マルク様に迷惑じゃねえか。折角リュウ=アレクセイを殺せるってのによォ」

「殺せるもんなら、殺してみろ。ウェドニアの執念で、逃げ切ってやる」

「そんなボロボロの体で何処まで逃げれるのか、なっ!」

 また蹴りが鳩尾に入る。口が鉄の味で満ちて、気持ち悪い。

「そんな泥臭い執念は要らないんだよねぇ。もっと、熱い勝負がしたかっただけでぇ、今のお前みたいな虫の息の奴とは全く楽しめないんだよねぇ」

「……そんなの、知るかよ」

 リュウは最後の力を振り絞って立つ。リュウはふと、思い出した。ルシエの、任せたという言葉を。

「へぇ、まだ立てるんだぁ。なら早く立って。影で殺すから」

 ルシエ、ジン、ティエリ、ティーゼル。今、リュウが死んでは彼等が困る。英雄達のリーダーとしての、役目。それを果たさなければ、英雄に選ばれる価値もない。

「……フォルムチェンジ、プテラノドン」

 太古に生きた翼竜、プテラノドン。鳥類と爬虫類の丁度中間の存在。空を飛ぶ為の翼や鋭利なくちばしを持つ。

「空を飛べたからって何だ?お前にはもう体力が無い。飛んでいるのを追いかけ回して仕留める事だって出来る」

 プテラノドンに化したリュウは、翼を自暴自棄になったように振り回す。

「何だ?仲間が来る時間稼ぎの為に、やぶれかぶれの攻撃か?舐めるんじゃ、ねぇよ!!!」

 翼を掻き回すリュウに向かって、レイオスは、蹴りを入れてくる。

ーー掛かった。

 レイオスの足が、異次元の魔獣に刻まれたように裂け始める。

「ぐっ、いってぇ!!なんだこれは!?」

「お前の、負けだレイオス。完全なる詰み(チェックメイト)だ」

 リュウはフォルムを解除しながら、レイオスに言い放つ。

「何をした、テメェ」

 リュウは指をパチンッと鳴らす。すると、レイオスは身体中が切り刻まれた。

「な、なんだ……と?」

 レイオスは血塗れで、足を切れていて、立つ事も出来なかった。

「ウェドニア奥義の一つ、鎌鼬カマイタチ。これは、出来るだけ奥の手(ジョーカー)として取っておきたかったが、お前への賞賛だ、レイオス。

 そして、お前も俺を殺さなかったから、俺もお前を殺さないでおくよ。次会ったら、命は保証しないが」

 鎌鼬、それは未だ何故起こるか解明されていない現象。説として、冬に起こるため、旋風、真空、寒冷、電気などが考えられている。

 リュウはそれを魔法で擬似的に起こした。これはウェドニアに伝わる奥義の一つで、風を体全体で巻き起こし、その風を七つの定石のうちの一つ、ベクトル"変換"で全てを合成。すると、微風が突風と変わり、体を刻む。

「最後に、ウェドニアの執念、舐めんじゃねえよ。そんなに殺したければな、俺の恩人でもあり、現アルカディア7幹部主席ジャッカルを呼べとマルクに伝えておけ」

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