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UnLimited KNights   作者: 刹那翼
第2章 銃の街 アプエスタール 英雄暗殺編
31/45

Ancient power〜白亜の猛威〜

 森の湖に着く。湖は、月の光でキラキラと輝いていた。湖面に映った月は、ユラユラと黄色い楕円だえんで、湖の底までを光の筋を揺らめかせていた。

 湖水を両手ですくって、まずは顔を洗う。ひんやりとしていて、疲れた身体中を浄化してくれている気分になった。

 今度は、水を飲む。

「どうだ、回復したか」

「まあ、ある程度は。でも、魔法を使えるのは、無理して二回って感じかな」

「まあ、あれ程の勇気があるなら、心配してねえよ。任せたぞ」

 ジンに肩をポンと叩かれる。

 ルシエはずっと物思いにふけっているようだ。

「さっきからどうしたんだ、ルシエ」

「嫌な感じがする。何か、森がざわめいているような、変な感じ」

「……そうか?」

「うん。森全体が動いているような……」

「……まさか!」

 湖の方に数え切れないほどの影が差し迫っていた。その正体は、レイオスの影魔法、不死軍アタナトイ。そう、森林を駆け回る事で、森林全体の影を操っているのだ。

「アレクセイ!まんまとはまったな!お前もこれで地獄行きだ。じゃあな、英雄えいゆうもどき

 無数の影の剣士が三人に迫る。

「ルシエ!後ろに防御網を!ジンと俺は前を守ろう!」

 即座にルシエは背後にきめ細かい網を張り、ジンは銃を構えた。

「ダメ!リュウ!影が網の隙間から出てくる!それに、影が網を押し込み始めてる!」

 ……仕方がない。最強の布陣はまだ最後の1ピースは揃っていない。リュウ自身の切り札を今こそ使う時なのだ。

「仕方がない。作戦変更だ。二人共、……オレヲゼンリョクデエンゴシロ」

 魔力消費が激しい、変化を使わざるを得ない。その中でも最も燃費の悪いが、最強の部類に入る生物だ。

 爬虫類はちゅうるいが地球の覇権を握っていた頃の姿。その中でも、飛翔出来ない翼を持ち、非常に発達した視覚と狡猾こうかつな頭脳を持つ。白亜紀に生きた恐竜の一種、ヴェロキラプトル。

 リュウが紅の目をした時のように、暗闇がスコープで見たように、真昼のように見える。ラプトルは夜行性動物だったという。その分、影も鮮明に見える。

 勿論、レイオスの微細な動きも見逃さない。

「イクゾ……」

 尻尾と翼を同時に振り回す。影を切り裂く。不死の軍隊は不死の軍隊でも、攻撃が無駄だということではない。もう一度形作られるというだけ。

 しかし、一度の攻撃で影の軍は統率が乱れたように、穴が開く。影の中に隙間が空いただけで十分。その穴に、跳べばいい。動体視力が良過ぎる故に、全ての動きがスローモーションに見える。

 ルシエが繰り出す、ガイアの複雑な動きやジンが放つ銃弾の軌道、螺旋さえ見える。

 目の前で人間の形を作り始める影を、空中で体を捻り右翼で一発パンチを入れる。そのまま、足を地面に着けず、尻尾で思い切り地面を踏み込む。

 レイオスはあと数十メートル先の木の上。

 走行速度は時速60kmをも超えるラプトル。脚力も舐めてもらっては困る。地面に着いてから、数歩助走をつけて、斜め上に大きく跳ぶ。

 これでチェックメイトだ!

「リュウ!違う!敵は一人だけじゃない!」

リュウはジンの叫びを聞き、右側で爆弾が爆発し、それに仕込まれていた毒針や手裏剣などをスレスレで避ける。

「美しいよ。リュウ=アレクセイ。今の技を反応が遅れたにも関わらず、避けるとはね。それほどまでの実力、こちらにもりがいがあるってもんさ!」

 まさか、アルカディア7幹部がもう一人だと。しかも、今度も上位の部類。奴の名は"幻影のアルフレッド"。性別は誰も知らない。容姿や声だけでなく、体型も中性的。存在でさえ、謎が多い幻影のような奴なのだ。

「さぁ、第二ラウンド始めようぜ。ウェドニアの王よ」

 レイオスとアルフレッド。これは万策尽きたな。

ルシエ「なんで、リュウは変身したらカタコトになるの?」

リュウ「ん?そっちの方がそれっぽくない?」

ルシエ「う、うん。そうね」

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