陰謀と予言
時は満ちた。
この醜く腐り切った世界を消去する時が、新たなる世界を創生する時が。
人間は争いを止められず、憎しみを消す事は出来ない。
ならば、世界を消してしまうのが相応しい。
全ては、三ヶ月後の満月の夜に、願いは達成されるであろう。
それまでに予言に選ばれた英雄達を排除しなければな。
此処は荒廃した世界。民衆の記憶から消された約百年の暗黒の時間を経て、世界は漸く落ち着きを取り戻した頃、また世界には絶望が訪れてしまった。
だが、それと同時に、世界に一縷の希望が生まれる。それは一つの予言だった。誰が唱え、何処から来た予言か知る者は誰一人として居ない。しかし、それはこの時代を生きる人にとって、勇気であり、生きる為の光であった。
此の世界が数多の国に分断されし時、各地の暗黒の時代を生き抜いた猛者が各地の特色を活かし、各々の国を治めるだろう。その中で一つの国が世界の覇権を握り、世界支配という一つの権威を我が物にしようとする。劣る国はその国を嫉妬するに至るまでもなく隷従する。畢竟、世界は擬似的に統率される。
その混沌の中に四人の英雄が立ち上がる。唯一無二の統率力を持つ英雄。剣技に於いて無敗の英雄。乗馬に長け、特別な魔法を扱う英雄。如何なる物でも撃ち抜く射撃の英雄。
各地の長と協力し、屈強な反抗勢力を確かな物とする。四人の勇者は、協心戮力し、その儚い命を落としながらも、世界を混沌から平和へ導く救いの手を差し伸べるであろう。