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UnLimited KNights   作者: 刹那翼
第2章 銃の街 アプエスタール カジノ編
27/45

Be ambitious

 勝つには、合計で7か単発で7を引くしかない。それか引き分けでもう一度勝負を持ち越すか。

 しかし、どちらも希望は薄い。

「……ルシエ、好きな数字は?」

 ルシエはいきなり話しかけられて慌てふためく。

「な、7だけど!」

「じゃあ、利き手は?」

「りょ、両方使えるんだけど、基本左手を使う!」

「全世界人口の10%か。まあそんな事はどうでも良いんだ。俺は、俺から見て左側の7番目を引く」

「え、ちょっと待って!それで負けちゃったら、私のせ」

「ルシエのせいじゃないよ。今まで勝てなかった俺の責任だ。

 それに今信じるべきは仲間だ。今は俺一人で戦っているんじゃない。俺は、ルシエとジンと戦っているんだ。ジンはこの場には居ないが、俺がさっき殺されそうになった時、守る素振りを見せてくれた。だから、今度は俺が仲間を信じる番だ。それで当たらなくても後悔は無い」

 フェルディナンドはその会話を聞き、笑う。

「勇ましいな、青年よ。その態度だけでも、余は主を賞賛するに値すると思う。きっと主は、この勝負に負けたら、余には交渉しないであろう。余は主と同盟を組めずにきっと生涯後悔するであろうな!ハッハッハ!」

「本当に、貴方は肝の座った方だ。きっと、この先、スエールテ、神がなんじに加護を与えて下さるでしょう」

 今まで沈黙を保ってきたアルは、フェルディナンドに便乗する。

「ヒットォオオオオッ!!!」

 そのカードを引きながら、高らかに宣言する。

 訪れる静寂。物音一つしなかった。『眠らない国』のカシーノ・スエールテができて以来、声が眠ったのは初めてだった。

 痺れを切らしたジンが二階からルシエのもとに走ってくる。

「おい、数字はなんだ!?」

 誰も答えはしなかった。最初に口に開いたのは、フェルディナンドだった。

「おめでとう。お主の勝ちだ。

 リュウ・アレクセイ。そして、ルシエ、と言ったかな。久し振りに良いものを見せて貰ったよ。若い者の全身全霊のその勇気を」

 観客からは、今日一番の歓声が上がる。この建物が潰れそうな程の、振動。ルシエは閉じていた目を開けた。フェルディナンドとアルは予言していたような顔で笑っている。

 リュウはカードを見る。

 それは、なんと偶然にも二枚が重なっていて、よく見てみると、3と4を示していた。

「やったな!リュウ!」

 ジンがリュウの肩に手を置く。

「ありがとう、ジン。そして、ルシエ。それだけじゃない。フェルディナンド皇帝、アルさん、観客の皆さん、ありがとうございました。

 そして、迷惑を掛けましたね。全コインを貴方にお返しします」

 フェルディナンドは不可解といった顔を浮かべた。

「主の用はなんなんだ。儲けることなど頭には無いのか」

「俺の目的は、できるだけ丈夫な潜水艦を一隻と、俺達に危機が迫った時、武器を提供し協力するという要望だけです」

「たったそれだけか?」

 フェルディナンドは魂消たまげたというような顔をした。

「はい。それが保証されるのなら十分です」

「フハハハハハハハ!!! 実に面白い奴だ!!! 気に入った。

 ただ、今日はもう遅い。泊まっていくといい。武器工場の横に宿泊施設が併設してある」

「ありがとうございます。仲間と共に休ませていただきます」

 精神は当然ながら、体力はルシエを回復するために殆ほとんど使ってしまった。

らば、明日もう一度この場所で落ち合おう。ではな、英雄」

 フェルディナンドはリュウ達を見送る。そして、アルや観客、それだけでなく、カジノ内のディーラーまで、全ての人が拍手で、三人を見送った。

「なんだか、歓迎されてるのに、居心地悪いね」

 ルシエはそう笑って言う。ジンも笑う。

「お前らが作った状況じゃねえか」

 出口に近づく。しかし、妙な感じがした。

「ルシエ、ジン。外に出ても一時も油断を許すな」

 リュウだけが真剣な眼差しを浮かべていた。

NGシーン

ジン「俺さ、ずっと暇だったから、トランプ占い覚えたんだ」

ルシエ「私にやってよ」

カードを三枚引く。

ジン「はい、ルシエの胸の大きさ」

ーAAAー

ジンはその後百発ほど殴られたそうです。

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