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UnLimited KNights   作者: 刹那翼
第2章 銃の街 アプエスタール カジノ編
25/45

Silence is golden〜快刀を携えた獣〜

いよいよフェルディナンド戦も大詰めです!土日なので2本ずつ投稿しました!(疲れました)

ルシエSIDE

現在:40万コイン

残り:4回

 周りの目が怖い。出来る限り視界に入らないように、下を向いて歩く。

 勝利の女神って、持ち上げ過ぎだし、恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。今日は宿に帰ったら、リュウに仕返ししなきゃ。

「ルシエ、本当にごめん。でも、少し時間が欲しいんだ。この場で頼めるのは、君だけ。ジンは参加しないという口約束があるからね」

「……時間稼ぎの内容を教えて」

「時間を稼ぐというより、カードドローの数を出来るだけ多くしてくれないか。何か違和感を感じるんだ」

「わかった。これで負けたら、承知しないわよ」

 リュウはそう言うと、笑った。

「は、初めまして。ルシエと言います」

 フェルディナンドは微笑んだ。

「緊張しなくて良い。肩の荷を降ろしてくれ。別に負けても、主人は殺さぬ」

「え、待って下さい。私達、結婚してないし、主従関係でも無いです……」

「なんと、仲間を売ったというか。主は何をしておる。しかも女性なのだぞ」

 リュウはフェルディナンドからのお叱りを苦笑いを浮かべながら、そっぽを向いて過ごした。

「女性は、手厚くもてなすのが礼儀。申し遅れた、お初にお目に掛かる。余の名は、フェルディナンド。この国の長だ。どうか気楽にしていってくれ」

 フェルディナンドは見た目からして、ギャングのボスなので、余計ルシエの恐怖心を煽っていたが、彼の笑顔を見ると、優しい老父のようにも見える。

「ありがとうございます」

 どうも、悪い人ではなさそうだ。ルシエの恐怖心は消え去る。

「では、10万コインを」

 しかし、そう思ったのも束の間。フェルディナンドの顔色が変わる。モニターで見ていても、少しピリピリとした重圧を感じていたが、これまでだとは。ルーレットの時とは、大違いだ。重圧に心が潰されないようにするので手一杯。

 取り敢えず、言われた通り10万コインを差し出す。

 やはり、見えないスピードでカードが配られる。そして表向きにされている。

 ルシエのカードは7と8。相手フェルディナンドのカードは、10。

「さぁ、どうする?」

「ヒット(カードを一枚引くこと)」

 引かれたカードは、7。合計は、22。

「惜しい、バスト」

「もう一回、お願いします」

 ルシエは10万コインを差し出しながら言う。チラリとリュウの姿を一瞥すると、灰色のフードをかぶり、手をズボンのポケットに突っ込み、何処を見ているかわからなかった。

「勿論だとも」

 どんな数が出ても、ヒット。例え19や20なってもヒット。

それを続けた。全てがバストという結果になる。

「何を考えている?」

「リュウのため。彼を信じていますから」

 ルシエはリュウの方を見る。リュウはフェルディナンドの手元だけを見ていたようだ。

「ルシエ、もう良いよ。ジンのところに戻ってくれ」

「いいえ、ここにいる」

「やれやれ……」

 ルシエはリュウと席を入れ替わる。その時、ルシエは聴こえた。リュウの深い呼吸が。

「残り一回か」

 何か、リュウの様子がおかしい。

「快刀乱麻を断つような良いアイデアは浮かんだかね?」

「沈黙は金、雄弁は銀と古来から言い伝えられるように、俺は多くは語らないので」

 リュウの手が少し震えている。

「私がコインを出す」

 そう言うと、リュウは手を止め、ありがとうと礼を言った。

 そして、ルシエがコインを出す瞬間、それは起こった。

 テーブルはガンッという大きな音を立てた。ルシエは驚き、その方向を見ると、リュウがトランプのデッキをナイフで突き破っていた。

 カジノの中がその刹那静まり返ったが、その直後、観客が慌てふためき始める。

 フードをやっと脱いだリュウの不敵な笑みが、モニター一面に映し出されていた。

ボヤキー

ジン「遂に俺一人か……」

ー作者からのカンペー

ジン「なになに、次の回は、俺の立場から……やっとか!遅えよ!」

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