Poker face〜見据える勝利〜
前回から続いているブラックジャック、フェルディナンド戦です。Brain VS Foutuneに詳しいルールが記載しております。
現在:50万コイン
残り:5回
フェルディナンドはデッキに触れる。両目を使う事で、今までより、フェルディナンドの手の動きが見える。
どうやら、右手で二枚同時に取っている。そして、右手で取ったカードを左手に移し、 その右手でもう二枚をドローする。
最初に取った二枚をオープンしつつ、リュウの目先に置く。それと同時に左手でフェルディナンド自身の前にカードを置く。そして、片方のカードを表向きにする。
これが、一巡の手順だそうだ。
特に目立ったイカサマはないが、念には念を入れる。
リュウのカードは、9と4。
「合計で13とは、天から完全に嫌われたのではないですかな?それとも、666の意味のように貴方は獣なのではないかね〜?」
獣の数字、666。反対に7は完全なる数字と伝えられている。不完全な7に加えて、13。その13は東洋では嫌われる4と9から成り立っている。……本当に何かあるのではないか。
リュウの能力、どんな生物にも姿を変えられる能力を見破られたのではないか、と思ったが、ポーカーフェイスで乗り切る。
「数だけで決めないでいただきたい」
忌み嫌われているからといって、勝負には関係ない。
「ヒット(一枚カードを引くこと)」
この数字を崩せば、問題はない。
「9。合計で22、ということはバスト」
21を超えると、その時点で負け。
「勝負を止めるか、若造よ」
「……まだです。まだあと4回残っている」
「もうわかったであろう。神から見放されているということが」
「……ある人と変わっても良いですか」
「ある人とは」
「俺の勝利の女神ですよ」
フェルディナンドは笑った。
「勝利の女神?笑わせるな。出た数字でわかっただろう。勝利の女神からも見放されていると」
「ルシエ!!!」
リュウは出せるだけの大声を出して、二階にいるルシエに聴こえるように呼ぶ。
「えっ、何!?」
「俺の代わりに、ブラックジャックをしてくれ!!!」
二階のルシエは、苦笑いをしていた。
「ほう、赤髪の女は、主の連れであったか」
「認めて頂けますね?」
「……良いだろう。勝利の女神であろうと、余には勝てまい」
「如何ですかね。彼女はどんな状況でも今までひっくり返してきた。彼女は、本当に勝利の女神なのかも、しれませんよ」
勝利の女神は挙動不審な動きで二階から降りてきていた。
「そうだと、いいがね」
フェルディナンドとリュウは笑みを交わした。
ボヤキーズ・続
ルシエ「お呼び出しなので、ごめんあそばせ!」
ジン「ぐぬぬ、裏切り者め……」