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UnLimited KNights   作者: 刹那翼
第2章 銃の街 アプエスタール カジノ編
21/45

男の戦い

Brain VS Foutuneから続いている、ブラックジャック回です。VSアル決着編です。

此方でもルールは多少説明してはいますが、理解出来ないルールがあれば、お手数ですが、Brain VS Foutuneに詳しいルールが載っていますので、そちらでお願いします。

 今度は、今までと打って変わって、5万コインを賭ける。今までの十倍。

「大きく出ましたな。それは勝ち筋を見つけた、ということですかな」

 リュウは鷹の目で睨まれるような気分に陥る。

「いえ、侮辱とかそんなものでは無いですよ。ただ、イーブンマネー(最初に配られた二枚の時点で、ブラックジャックの時に使用出来るルール。これを使用すると、相手もブラックジャックでも勝てるようになるが、配当が少し減る)で勝った。それ故の鼓舞です。よく言うでしょう。勝ってかぶとの緒を締めよ、と」

「なるほど、そういうことでしたか」

 しかし、まだアルは疑っているようだ。それでいい。

 心の惑いは、いつか破綻を来す。心の紐がもつれていくように。そこに一矢を報いれば……。

 だが、そんな甘い話でも無いだろう。

リュウのカードは8と8。アルのカードは、9。

「スプリット(最初の二枚が、同じ数字のカードが来た時のみに使える特殊ルール。それを別々に分け、プレイする事が可能)」

 右手でスプリットの合図を指しながら、リュウは賭金ベットを追加する。

 これで両方が負ければ、10万コインの損失。だが、これが最善。

 そして配られるのは、5と7。つまり一方は13、もう片方は15。

「両方共、ヒット(カードを一枚引くこと)で」

 13に配られるのは、6。19。

 15に配られるのは、4。奇遇にも、両方が19に落ち着く。

 どうする、19ではアル相手に勝てる気が全くしない。だが、ここでヒットしたところで(エース)か2でなければ、バスト(21を超え、負けを意味する)してしまう。殆どの確率で、バストなのだ。

 いや、そうかといって引かなければ、スプリットが只々、無駄になるだけだ。しかし、これでバストしてしまっても元も子も……。

 リュウはスパイラルに入ってしまった。こうなってしまった以上、抜け出す事が難しい。片方だけ、ヒットしてしまおうか、その片方がバストすれば、なら両方共賭けてみるか、賭けてみる価値はあるのか。そんなような事が延々と頭の中を回り続ける。太陽の周りを回り続ける地球のように。

如何いかがしますか?」

 突然話しかけてきた、アルの顔を見る。きっと、ずっと考え込むリュウに痺れを切らしたのだろう。

 そう思って顔を見たが、表情はそうでもない。リュウは完全に勘違いをしていた。顎髭あごひげを生やした、冷静な熟練のディーラーに相応ふさわしい凛々しい顔をしているが、心の奥底では、熱い思いをたぎらせている。そんなオーラが漂って消えない。彼は疑っていたのではない。リュウの手に興味を示しているのだ。

 そうだ。相手はディーラーであり、男なのだ。リュウも挑戦者チャレンジャーであり、男だ。

 これは男同士の戦いなのだ。

「……両方とも、ヒットォ!」

 右人差し指で、机を二回叩く。その音が、カシーノ・スエールテに響き渡った。そう、いつの間にか、カジノ中の人々が、二人の戦いを傍観していたのだ。しかし、黙り込んでいた観客も騒がしくなる。そして、遠くからルシエの声も聴こえる。

「……本当に面白い人だ。感服しましたよ。私の完敗だ、どんな数字が出ても。貴方以上の負けを認めた事は無い。フェルディナンド様に対しても、これほどまでの敗北感を感じた事は無い」

 アルは二枚同時に、カードを表向きにする。アルはそのカードを見ずに言い放った。

「……貴方の、勝ちだ」

 それは、リュウに配られたカードは二枚共、2のカードを示していた。アルはずっとイカサマをしていなかった。そう、正々堂々とブラックジャックのディーラーとしての役目を務めていただけだ。最後のカードが分かった理由。それは単純明快。彼のキャリアが物語っているのだろう。

NGシーン

リュウ「ルシエの声が聴こえるな……」

その頃ルシエ達はーー

ルシエ「人混みで、全然見えない!」

ジン「盲目だから全く見えないけど、耳で全てが把握出来るぜ!」

ルシエ「如何なってるか、教えて」

二階では、ルーレットの時とは立場が入れ変わっていた二人。

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