第7話 すにーきんぐみっしょん(即バレ)
ほかのひとの小説読んでて「ユニークPV」ってのかさっぱりわかりませんでした。
が、アクセス解析見たら解った。意外と読まれててうれしいですよー。
今回はリアルパートでカエデちゃんいじめです。
今日は特に予定の無い真っ昼間! とはいえ、一人で宗吾のアパートにてお留守番はいつもの事。なのですが! あの宗吾せっかく作ったお弁当を忘れていきやがりました。これはお仕置きが必要ですね!
「というわけで、やってまいりました雪乃華学園!」
はい、本日は僕らが通う雪乃華学園高等部に来ています! 銀髪金眼幼女になってから初めての登校? が宗吾のお弁当を届けるためとか、ちょっと落ち込んでいいですか?
「まぁ、気にしないでおこう。忘れる宗吾が悪いんだし」
それにしても、昼休みに渡せるように早めに来たせいか、人が全く見られない。せいぜい、グラウンドで戦っているINTが高そうなもやしっ子達がバテながらも相手のゴールにシュートを決めようと必死に走っては、バランス量産型ステに蹂躙されていく不条理に目を背ける。所詮リアルはバランス量産型ステに支配されているのだよ。
一応、目立たないように変装しているので、滅多な事では咎められない……と思ったのだけど、予想外に視線を受けている。
ちなみに今の恰好はデニムパンツに、白のパーカー、日除けに青地のキャップを被っている。長い髪は仕方がないので、頑張って帽子の中に突っ込んだ。フフフ、完璧……のはずなのに、なぜ僕を見るのだろう? いや、子供がこんな時間に出歩いてること自体異常なんだよね、忘れてた。
「なるべく人目の付かない道を……いや、そっち行ったら確実にアブない人の巣窟だったっけ……仕方ない、目立たないように移動するか」
グラウンド横の舗装された道を歩き、校舎へと入る。ほんの数日前まで自分が通っていた学校なのに、視点が大分下がったせいで酷く威圧感を感じる。下駄箱の癖に、やりおる。
廊下を歩いていると、生活指導の富岡がトレードマークである青いジャージを見せびらかしながら歩いている。幸い正面遭遇ではなく、彼の背後からその姿を認めることになったおかげで見つかるリスクは限りなく低い。しかしこの位置取り、暗殺し放題である。
携帯で時間を確認する。昼休みまで五分を切っていた。丁度いいので、ここで既に用意していたメールを送信し、奴に逃れられぬ宣告をしてやろう。
『お弁当持ってきたよ~♪』
ガターーーーーーンッ!!
「お、おい、どうした橘!? 頭大丈夫か!?」
なにやら激しい音がしましたね。頭でも打ったのでしょうか? 居眠りはいけないですよね。じゃぁもう一つ爆弾を投下しましょうか。
『教室ドア前なう』
ズダアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
「きゃああああ!?」
「先生、橘君が壊れました!!」
「橘、大丈夫か!? 傷は浅いぞ!!」
「衛生兵! カレーパンを持ってこい!!」
ふむ、やはりノリのいいクラスだ。というか、ドアの隙間からこっそり覗いていたけど、宗吾の奴……椅子に座った状態からきりもみジャンプで床にダイブしたよ。どこの波紋の師匠だよ。シルクハットでも似合うキャラなのかな?
キーンコーンカーンコーン……
おや、時間ですね。お昼休みという名のお仕置きタイムのね。今のメール攻撃? あはは、あれは前座ですよ。クケケ。
ガラッ。教室の扉を開き、いざお仕置きの幕開け……だ?
そこには、既に宗吾が仁王立ちしていた。おかしいな、軽いジャブを放ったから、今頃床で悶えているはずなのに。しかも表情が怖い。怒ってるね、うん、怒ってる。ならばここは!
「そうごおにぃちゃん、おべんと!!」
大声でプレゼントしてやる
「ちょ、おまっ」
焦っている、さっきまでの怒りの表情ではない、焦りが八割を占めているだろう!
「橘くん、そこに立たれると邪魔なんだけど。どいて……って、何この子?」
ん、この女子は……名前なんだっけ? あんまり話したことないよね? そもそもクラスメイトの名前とかそのうち覚えるって考えだから積極的に記憶してないし。
「こんにちは、うちのそーごがいつもお世話になってます」
「か、楓。落ち着こう? な?」
「だめだよ宗吾、お弁当忘れちゃ。折角作ったんだからちゃんと持って行ってよね」
ざわ……。
「いや、ありがたいんだけどさ。でもたまにはカレー食いたいなって……」
「もー、またそれ? 今までの食事で一生分食べたでしょ? 今は僕が管理してるんだから、少しは健康志向になりなさい」
「そこを何とか、な? 楓様たのみますよ、何でもお願い聞きますから」
「む、むぅ……」
ついうっかり、いつものやりとりに代わってしまった僕と宗吾。しかし、クラスメイトの目は意外にも鋭かったと実感させられる。僕、クラスでは宗吾としか話したことないのにね?
「え、楓って……え? ないでしょ? 嘘……楓くん?」
ワオ、一発でばれたよ、何でだ。
「チガイマスヨ?」
「目が泳いでるよ?」
「キノセイジャナイ?」
「顔背けないで」
いや、だってねぇ? ついこの前まで黒髪黒目だった人が、いきなり銀髪金眼に幼女化って意味不明な事になってるのに、何でわかるのさ?
「うーん、やっぱり顔の造形からして違うわね。楓くんは愛でたい可愛さだったけど、この子は苛めたい可愛さね」
「そんな可愛さいるか! ちょ、あの、離して!」
「ふっふっふー、楓くんだという証拠を提示すれば離してあげよう。私の名前はなーんだ?」
「ふぇ? 名前? ………………さぁ?」
必死に思い出そうとしました。ええもう必死に、でもね、記憶にないものは思い出せないのですよ。困ったね。
「ああ、うん、やっぱり覚えられてないか。やっぱり楓くんだね」
「何その判断基準!? 僕は別に鳥頭とかじゃないんだからね!?」
「このツッコミ、やはり君は楓だな」
「なんか集まってきた!?」
気が付くとクラスメイトが周りに集まっており、宗吾は人ごみの外へと排斥されていた。まぁ、お弁当は渡せたしいっか。
「この類稀なツッコみ力……だというのに、その儚い程の美しさ……」
「まぁ、元から楓君は可愛いしね。ファンタジー成分が加味されてもっと可愛くなっただけだね」
「はぁはぁはぁ、ようじょ……えろ」
「誰かそいつを捕まえろ! イエス・ロリータ・ノータッチだ!」
「「「イエス・マイ・ロリータ!!」」」
なんだこれ、メディルさんの変態がこんな処にも感染してる。怖っ! ていうか皆なんでツッコミで僕だって判断するかな!?
「おいおい、マジでこいつが椎名っての?」
「何? あのチビついに性転換したんか?」
「笑えるしw 何この髪、白髪じゃんw しょんべんもらしたんでちゅかー?」
「目とか黄ばんでっしw ありえねw」
ああ、なるべく無視したかったクラスの膿が僕に近づいてくる。無視だ無視。前からかるく苛められてたけど、暴力とか無かったせいで、僕は油断してしまった。
「おいっ! こっち向けやオカマ野郎!!」
右手を掴まれ、力いっぱい引っ張られる。その時、僕の視界に映った四人の姿が、表情が、視線が、あの時の二人と似ていて……。夢の記憶を引きずり出した。
「や、いやああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
「なっ、このっ! 騒ぐなよクソが!!」
「いや、やだっ、ゆるしてぇっ!」
必死に掴まれた腕を放そうともがく。しかし全く外れないどころか、次第に握力を込められ痛みが増していく。尚も暴れる僕を大人しくするためだろうか、頭を拳で殴られた。その瞬間、見てもいない光景が広がる。真っ暗な狭い檻の中、首輪をされ鎖でつながれた僕が、いやラスティと思われる少女がいた。既に乱暴された後なのか、服も着ずにベトベトな肌を拭う事すら許されず放置されている。いや、きっとこれは生きることすら許されていない。
「ごめんなさい、ごめんなさい、もう逆らいません、何も言いません、許してください、何でもします、だから、だから……」
「こ ろ さ な い で」
その一言に教室が静まり返る。僕を掴んでいた男ですら力が緩んだ。しかし僕にはそれを振り払う力も意思も無かった。僕は見てしまった。あの体の色は、今のこの肌とは違い血の色が無い。血抜きされているように、白く浅黒い。アレはもう、生きていない。
ガクガクと震える体を支えられず、床に座り込む。僕を掴んでいた男の手からは容易に抜け出せたが、この恐怖からは抜け出せそうになかった。怖い、恐い、根源的な恐怖が、死と言う言葉が呪いとなって僕の体を、意識を拘束する。大粒の涙がボロボロと溢れて、拭うことも出来ずに無造作に床に弾ける。
「楓!」
誰かが僕の肩を掴む。僕はつい「ひっ」と小さな悲鳴を上げるが、恐る恐る顔を上げるとそれが宗吾であると認識出た。ああ、宗吾だ。ここはゲームの中じゃない。僕もラスティじゃない。でも、あれ? なら僕は……誰だ?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
楓が昼休みに学校までやってきた。おいおい、俺のハートフルなスクールデイズをぶち壊すんじゃねえよ? いつもの姿ならクラスメイトだけどな、悪目立ちする今の楓じゃあ良い感じに俺がからかわれてしまうじゃないか!
そんなくだらない事を考えながら、忘れてしまった弁当をわざわざ届けてくれたので、有難く頂く。うん、美味い美味い。意外にも冷凍食品が大活躍だな。楓? あいつは今クラスメイトからネタフリ攻撃を受けている。仕返しとでも受け取ってくれ。
そんな時、クラスの中でもマイノリティーな不良さん方が目を付けたようだ。楓はたまにあいつらに標的にされていたから、楓と聞いて来たのだろう。どんだけファンなんだよ変態ども。お前ら不良組合で乳繰り合ってろ。
しかし、楓が異常な反応を見せる。俺の部屋に来た時からずっと、こんな事は一度もなかった。昔みたいに一緒のベッドで寝るのは勘弁してほしいが、寝具が一つだけなので仕方ない。でもだ、俺と寝たところで何の問題も無かった楓が、今になって手を掴まれたぐらいで大騒ぎしている、いやパニックを引き起こしている。
「楓!」
人垣を分け入り、俺がたどり着いた時にはもう、床に座り込み体をガクガク震わせて、綺麗だった金の瞳からは生気すら感じられない。俺が駆け寄り肩を掴んで呼びかけるが「ひっ」と怯えた反応が返ってきた。俺だって傷つくんだぜ?
「楓、俺だ。宗吾だ、分かるか!?」
「そう……ご……?」
「そうだ、宗吾だ。もう安心だから。ゆっくり休め」
「うん……」
それだけ言うと、楓は力尽きたのか意識を失った。いや、眠ったんだろうか? しかし俺に抱き付いたような形になり、制服をしっかりと掴まれていたせいで迂闊に動けない。
「チッ、白けるぜ」
「おいお前ら、いくら楓が大好きだったからって、可愛くなった楓をいじめるなよ」
「あ?」
不良が睨みを効かせるが俺には何の効果もない。それどころか、さっきまで楓のパニックに飲まれていたオーディエンスの方々が一斉に立ち上がった。
「貴様ら! 我らが愛する者は何だ!」
「「「イエス・ロリータ!!」」」
「貴様らの命を捧げる者は何だ!」
「「「イエス・ロリータ!!」」」
「ならば今、我らの敵は何だ!?」
「「「不遼太一、その一派!!」」」
あ、あの不良って不遼太一って言うのか。まんまなネーミングだな、サボったな?
「我々の怒りを思い知らせろ! 我々の嘆きを思い知らせろ! 我々の愛を思い知らせろ!!」
「「「イエス・ロリータ・ノータッチ!!」」」
「これは戦争だ、これは復讐だ、これは正義だ!!」
「「「可愛いは、正義!!」」」
「愛を知らぬ化物に、愛の鉄槌を!」
「「「愛を取り戻せ!!」」」
「突撃ィィィィィィィィィッ!!」
「「「おおおおおおおおおおっ!!」」」
なんだこいつらの統率力。いや、指揮官顔してる女子が一番怖いな。兵隊は男女混合だし。
全兵が散った後、そこにあったのはズボンを脱がされた学ランの不良達だった。ってボタン狩りかよ、古いな!
フラバってきました。
いや、ほら、定番だし?
あと一回分リアルパートあります。