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サトリの友達  作者: 李雨
2/24

面白い子

サトリさん目線で。 

悟Side


神社で一人でぼーっとしていたら、新しいクラスメートに出会った。


どうしていきなり、カミングアウトしてみようとか思ったのかわからない。

そんなことをして、クラスのみんなに言いふらされたら、やりにくくなるのは自分だというのに。

まぁ、妖なんて信じる子の方が少ないか。


言ったあとの彼女の心を読む。

多分、俺は自虐的になっていたのだ。

「気持ち悪い」とか「変なやつ」とか言われるのを覚悟してたのだから。


それが、まず、「口を動かさなくていいから楽だなぁ」と来た。

そして、自分が口を動かさなかったら、俺が独り言を言ってるように見えて変な人に見られるのか、とかわいそうな子を見るように「気の毒~」と考える。


普通なら、まず最初に「ほんとのこと?」って考えて、本当だってわかったら「気味が悪い」とか「妖なんて怖い」とかいうんだけど?

なのに、自分の醜い心があることを自覚してて、「それで嫌われるのが嫌」とか・・・。

皆、普通はそんな風に考える前に醜い心を読む奴に嫌悪を持つんだよ・・・。

自分が醜い心を持つから、じゃなくて。

まぁ、隠しているものをのぞかれるってのは嫌だってわかるよ。

そして、極め付けが「好きになったら」って、いったいどんなシーンを考えてくれるんだろう。

自分でいろいろ考えてしまって、赤くなる。

そしたら、「かわいい」とか聞こえてきた。

・・・初めてだ、こんなの。


友達になりたい、と思った。

ううん、多分、それ以上に。

この子なら、つい心を読んでしまっても(普段からみんなの心を読むわけではないのだ)怒らないかもしれない。

気持ち悪いって言わないでくれたそれだけでも嬉しくて。


「そういうシーンも見てみたいね」

そう言った意味がわかっただろうか?

彼女は「好きになったら」って考えてたんだけど。

好きになってほしい、って思った、ってわかってないよね?


そんなシーンを思い浮かべたら、有料放送にしてお金とる、とか考えてるけど。

馬鹿だな。

そんなことを考えてるのがわかったら、それは、君がOKを出してくれてるってことじゃないか。

想像より、もっと、いっぱい体験させてあげるよ。

その時の君の気持ちがぜひ知りたいね。

きっと、君はそんなこと、思ってもいないんだろうけど。


笑いながら、唐突に、恋に落ちた自分を自覚した。



読んでくださってありがとうございます。

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