変わったクラスメイト
続くかどうか、今から疑問・・・。いっそ短編に・・・と思いつつ、ハッピーエンドになってほしいじゃないか、と欲を出し、連載でスタート。
絶対に、不定期更新です。
新しくクラス替えがあって、新しいクラスメートの名前と顔が一緒になりかけてきたころ、家の近くの神社で、一人のクラスメートにあった。
彼はいつも一人だった。だから、比較的、早く覚えた。
そんなことを考えながら、彼を見てたら、気が付いたのか声をかけてきた。
彼は私の目の前で、ニヤリ、と笑った。
そして、唐突にこう言ったのだ。
「俺、実はサトリなんだよ」
・・・サトリ?
どっかで聞いたことあるぞ、うん。
有名だ。
えーと・・・
『悟り』
「ああ、「仏門に帰依した人じゃないから」・・・」
あれま、先に言われちゃった。私、考えてることがよく顔に出るって言われるもんなぁ・・・。
んじゃ、何だろ・・・?
悟ったひと?
「違うから」
ああ、また顔に・・・
「いや、さっきから、お前の顔、全然わからん、としか書いてないから」
あ、そういや、この人の名前が「悟」だったよね。あれはもしかして、さとり、と読むのか。
名前の読み方を間違えられるって嫌だもんなぁ。
「それも違うから」
あら・・?
「で、結局、それ、何なの?」
わからないなら聞けばいいんだよね。
自分から言うくらいだ、知ってるだろう。
「サトリ、って妖だよ。人の考えてることが、わかるの」
ほほー。なんて便利な。
そういや、さっきから、私、ほとんど口に出してないな。楽でいい。
いや、私が口を開く必要ないってかなり楽なんだけど、そしたら、きっと、この人、独り言を言ってるただの変な人に見られちゃうのか。
なんか気の毒~。
あ、でも、私って、結構けち臭かったり、嫉妬深かったり、妬んだりもするよなぁ。
そういうの見られて嫌われるのもやだなぁ・・・。
ああ、それに、私がもし、彼を好きになったりしたら、あんなシーンとかこんなシーンとか、そういう風景を思い浮かべたらそれがわかっちゃうのか。それは面倒かなぁ・・・。
「・・・あの、考え、ダダ漏れなんだけど・・・」
目の前の妖は、真っ赤になっていた。
・・・かわいい・・・。
もっと赤くなった。
「おい・・・」
そして、手を差し出してきた。
「お前、面白いな。・・・友達からお願いします。ぜひ、あんなシーンとかこんなシーン見てみたいね。」
そう言われたので、まぁいいか、と手を差し出した。
どのみち、私は顔に考えてることがすべて出ると言われてるのだ。
18禁のシーンについては、金をとって見せてやろう。うん、有料放送ってやつだよね・・・。
あれ? でも、私がいつ18禁を想像してるか、って見てみるまでわかんないのか。
目印・・?
ちょっと、頭の中で、彼の前で「見ちゃいけません」バッテンマークしながら、そういう想像にふける自分を想像する。・・・宣言してから、そういうのを想像するのか、私?
いや、それって、「今、私、淫らな想像中です」って逆に言ってるよね・・?
「おまえ・・・ぶはっ」
目の前で、できたばかりの友人が腹を抱えて笑っている。
そういや、この人の笑ったところ、初めてみたかもしれない。
そうして、私、田島美奈子と田代悟はお友達になったのだった。
読んでくださってありがとうございます。