テスト
「ここはどこだ?」
俺如月大翔が目を覚まして発した第一声はそれだった
それもそうだろう大翔がいる場所はとりあえず一言で言うなら「真っ白」だ
見る限り白以外の色はなく、一日もいれば精神が狂ってしまいそうな部屋だった
もう少し詳しく説明すると、だいたい5メートル四方の立方体のような部屋だ、それ以外には特徴と言っていいほどの物は何もなく、ひたすら真っ白だ
そんないるだけで精神が狂ってしまいそうな部屋を眺めていると後ろから声が聞こえた
「客とは珍しい、しかもかなり若いな」
後ろを振り返るとそこにはさっきまではなかったはずの椅子と、どっから湧いた、と言いたくなるようなひょうひょうとした顔をした、だいたい自分と同じくらいの歳の少年とも少女とも言い難い見た目の奴がいた
「お前は誰だ?」
大翔は聞いた
すると少年とも少女とも見分けのつかない奴が答えた
「おいおい、それはこっちのセリフだよ人の家に勝手に入ってきて「誰だ」はないでしょ」
「自分から名乗るのが筋ってもんでしょ」
自分の意思でここに入ったわけではい、と、言いそうになったが大翔は言葉をぐっとこらえ自分の名前を名乗った
「ああ、それはすまなかった俺の名前は如月大翔だ」
「そうかい、僕の前は、、、うーーん、そうだな「神」とでも呼んでくれ」
大翔はこいつは重度の中二病患者ではないかと思ったが、相手の機嫌を損ねてこの出口の見当たらない部屋から出られなくなるのは嫌だったので言わないで置いた
「、、、、ああ、そうか、じゃあ自称神様、なんでもいいけどこの部屋から出してくれないか?」
すると今までひょうひょうとしていた顔が突然にやけた
「うん、それ無理」
大翔は聞き間違えたかと思いもう一度聞いた
「で、ここからはどうやったら出られるんだ?」
「うん、だから無理」
聞き間違いではないことを理解するのに大翔はは約一分程かかった
そして聞き間違いではないことを理解した大翔は顔をひきつらせながら聞いた
「いや、ちょ、待てよじゃあ何か俺はここからずっと出れないってことか!」
すると自称神様はいたずらが成功した子供のような笑みを浮かべて答えた
「嘘だよ、うーそ、冗談だからその世界の終わりみたいな顔をするのはやめなよ、笑いこらえるのも大変なんだから」
自称神様の言葉を聞いた大翔は、「このガキ、どついたろか?」などとやけに暴力的なことを考えたが、やはりこの部屋から出られなくなりそうだと思ったので言わないでおいた
自称神様の言葉を聞いた大翔は一度深呼吸してから向き直った
「で、ここからはどうやったら出られるんだ?」
「うん、まずそこからなんだよねー、」
「ねえ?、大翔君まず君がなんでこの部屋に来たかわかるかい?」
自称神様の質問に大翔は思考を巡らせた
だが、ここに来るまでの記憶がスッパリないことにきずき、結果何もわかららかった大翔は素直に「わからない」と、答えた
「そうか、じゃあ死んだことは覚えてるか?」
「死んだ」その言葉を聞いた瞬間大翔は全てを思い出した
ああ、そうか俺は怒らせた蒼に謝るために蒼を追いかけて信号無視をしたトラックから蒼をかばって死んだのだと
顔色の変わった大翔の顔を見た自称神様はまだ話は終わってないぞ、と、言わんばかりに話をつずけた
「まあ、落ち込むなってお前にはまだ生き返る方法がある」
するとその言葉を聞いた大翔はこういった
「いや、俺生き返らなくてもいいや」
すると自称神様はこれは面白い、と、言った口調で話かけてきた
「大翔お前はなぜ生き返りたいと思わない?、お前はまだ若い、未練もおおくあるだろう」
「あーー、確かにそうだな未練と言ったら、そうだな蒼に謝れなかったこととDTを卒業できななかったことかな、いや、待てよここにいる自称神様にたのめば蒼に謝る時間とDTを卒業する相手と時間くらいどうにかなるのでわ」
そんな俺の答えを聞いた自称神様は大爆笑していた
「いーーーーひっひっひっヤバい笑いすぎて脇腹いたい、ちょ、まじ、誰か助けて」
もうそれは見事な笑いっぷりでした
そこから自称神様が立ち直るのに約10分ほどかかったが、そんなことはどうでもいい
「で、そこで笑い死にそうな自称神様俺は結局どうなるんだ」
「あーー、笑った笑った、ああ、そうだったね」
「っと危ない本題に入る前に最後にこの質問な答えてくれないかい?」
「まあ、本題も何も関係なんだけどね」
自称神様はぼそりと、つぶやいた
「ん、なんか言ったか」
「いいやなんでもない」
そして自称神様は質問をしてきた
「あなたには世界を支配することができるくらいのものすごい力があるとしよう、さて君はこの力を何に使う?」
そんないかにも漫画やアニメなどでよくありそうな設定の質問をしてきた、そして死んだことを自覚した大翔はこの質問に真面目に答えることにした
「そうだな、そんなとんでも能力あったらとりあえずこの世の不条理という不条理叩き潰し、俺みたいな理不尽極まりない人生を送るやつを減らしたいかな」
大翔は自分の生きてきた人生の不条理を思い浮かべながら、あんな不条理が少しでもなくなればいいなどと思いながら言った
「うん、合格}
大翔の答えを聞いた自称神様は答えた
「そうか、ならやってみるといい、この世のありとあらゆる理不尽、不条理を叩き潰しその災厄から友を仲間を恋人を家族を救ってやればいい、そしてそれがどんなに険しく、理不尽で不条理な道でありわが身が悪に落ちようとも、悪をなして巨悪を打て」
「それが、君の道だというのなら、この力、お前にくれてやる、そして生きろ、この理不尽で、腐った、それでいて最高な僕らの世界で」
すると神の胸から黒い煙をまとった一つのこれまたさらに黒く漆黒の色をした球が出てきた
出てきた球は何度か心臓のように脈打つと、大翔の胸へと一直線に飛んでいき吸い込まれていった
そのあまりにも突拍子のない出来事に大翔は黙って見ていることしかできなかった。
「さあ、大翔行くがいい、この最低で最高な僕らの世界へ」
大翔の聞いた言葉はそれが最後だった