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Ⅶ.帰路

講義が終わる

私はひとり雨の中を愚直に歩く

傘と雨が音を鳴らす

今日という日を反芻しているように


雨に濡れる歩道のアスファルト

赤くぼける古びた信号が

その光が誰かの靴を照らす

私もその誰かになりたい


街灯は街に咲く花で

私にも優しく道を教えてくれる

その明かりの元で

私は私を少しだけ忘れているよう


帰り道

私が振り返ったとしても

誰も私の居た場所なんて知らない

知る必要もない

雨が私を消している


信号が青に変わる

それはただの色で

何も語ってくれない

私は歩く


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