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拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第2章 学園1年編

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第71話 もうすでに帰りたい




 俺はクラウドという目つきの悪い少年(お前が言うな)に怯えている中、スタッフが俺たちに説明を始める。


「今回はギルド体験ということで、特別にAランク冒険者の俺が付き添う形でギルドのクエストを完了していくことになる。君たちは腕に自信があると聞いている。だから、少し難易度の高い魔獣の討伐のクエストを選んだ。


 Cランク相当だが、それでも手ごわい敵になる。この王都辺りの村の作物を荒らしているようだ。だが安心しろ、何があっても俺が付いているから、存分に実力をだしてくれ」


 そう言ってスタッフは二っと笑いかける。おうおう、ずいぶんと自信満々だな。正直、俺の方が不安になる。こういう自信満々なタイプって、想定外の事態でドジを踏むことが多い気がするんだよな。とりあえず、フラグ建築していなければいいけどな。


 まあ、俺たちの不安を取り除くためなのかもしれないけどな。


 ちなみに、父さんに聞いた話だが、ギルドのクエストや冒険者にはランク付けされていて、


 初心者 Eランク

 初級者 Dランク

 中級者 Cランク

 上級者 Bランク

 ベテラン Aランク

 人外 Sランク


 という割り振りになっているようだ。


 もちろん、上のランクに行くほど数は少なくなる。父さんはSランクだったらしい。やっぱ俺は人外の息子だから、色々上手くいくんやろな、やっぱどの世界も才能や遺伝子ってことだ。


 そしてさらに上のSSランクパーティもいるみたいで、ギルドで管理されているようだ。SSランクはその1パーティのみらしい。あくまで噂だけど。


 で、このスタッフはAランクらしいから、実力者なのは間違いない。とはいえ、ただの学生の俺たちがCランクの魔獣を相手にするのは、いくらAランクのスタッフが付き添いしていても危なくないか?


 てか、自信のある人が集まったと言っていたが、ユリアの奴、まさか俺の申し込みのプロフィールかなり盛ったのか?やめてくれよまったく。


 スタッフは説明が終わり、俺たちを先導する。


「では、出発しよう。この道を進めばいずれ出くわすはずだ」


「ちなみに、なんて言う魔獣なんですか?」


 ムンがスタッフに質問をする。


「ああ、ブラックオルフだ。Cランク相当だが、申込書の経歴を見る限り、一応討伐したことはあるんだよね?」


「まあ、一匹くらいなら」


「もし何かあれば手助けはする。君たちで協力して討伐していこう」


 ムンって人、見た目は地味だけど意外と強キャラなのか……?ブラックオルフを一体倒したことがあるらしい。まあ人間見た目で判断しちゃだめってことよね。まあ前世はルッキズム浸透しすぎて無理な話だろうけど。


 さてと、協力……か。今日会ったばかりのこの人たちと?俺は横目にクラウドを見る。いまだにこいつは俺を敵視しているかのように見てくる。


 言いたいことがあるなら言えよな。きもいんならきもいって言ってくれた方がこちらとしては助かる。陰口言われる方がうぜえわ。




 ------




 その後、緊張しているのか、俺たちは特に会話も無く、静かな森の中を進む。もちろん俺は誰とも会話する事ないし、こいつらと目を合わせないように森の景色を見ながら付いていく。空気だ。俺は空気だ。


 スタッフはまるで子供を見守るような温かい目で俺たちを見ている。


「はっは、みんな緊張してるな、俺も初心者の頃は緊張したものだ。今回の体験はお前たちの糧になるだろう」


 どうだろうな。上手く行けばいいんだけど。君さっき盛大にフラグ建築してたし。不安になりながらも、森を進んでいく。


「とまれ」


 スタッフは魔獣の気配を感じたのか、立ち止まる。周りから草をかき分けるようなカサカサと言う音が聞こえる。


 俺は気配察知を強める。だいたい、6体くらいか?ブラックオルフは数匹の群れをつくって行動する。数はそう多くないようだ。


 それでも一体でも初心者なら普通に苦戦する魔獣だから油断はできない。


「気を付けろ。囲まれている。さて、少しヒントを伝えておこう。いや、常識かもしれないがな。魔法職はできるだけ距離を取って前衛をアシストしろ。剣士の動きを読みながら的確にな。


 剣士職は魔法職を守りながら、もう一人は前線を維持して攻め続けろ。声を掛け合いながら頑張ってくれ」


 声を掛け合いながらって、俺には無理だよそんな事。ただでさえ声ちっさいのに。


 見る限り、サンは魔法系、クラウドとムンは剣士系と見た。じゃあ俺は?と考えていたら、ついに来る。草の陰から、1体のブラックオルフが顔を出す。


「よし。俺はサンを守りながら戦う。ムンは経験があるようだから前に出て攻めろ。サンはムンをカバーする形で援護してくれ」


 ほう、ずっとぶっきらぼうだったクラウドは、急に戦闘モードに入ったのか、それぞれに的確な指示を出した。さすがだな。


 で、俺はなにすりゃいいの?と思ったらクラウドは俺に振り向いて聞いてくる。


「で、お前はなにができる」


「は?え、えっと……」


 クラウドにそう聞かれ、ますます焦る。え、指示してくれんじゃなかったの?指示待ち人間にそれは辛すぎる。てか、そんな大雑把に聞かれても、何ができるって、わかんねえよ。


 剣?魔法?どう答えるのが正解だ?どうしても、こういう時考え込んでしまう。俺は前世から、何か聞かれると、色々と考えすぎて、正解を気にしすぎて、すぐに返答できないんだ。それに緊張で考えていたことが頭から消えるってやつだ。


 そして答えられずどもってしまう。


「チッ」


 舌打ちされてしまった。うっ、しまった……何か返さなきゃ、早く……!頭の中が真っ白になっていく。


 クソ、だから嫌なんだよ、こういうイベントは……。俺だけ何もできずに、役割も与えられずに、取り残されて、何もせずに終わって、俺だけ微妙な空気になる。


 ……舌打ちしたいのはこっちだバーカ、マジで地面にその顔埋めてやるか?あ?(直接言わないが、心の中で負けじと毒づくチー牛の図)。





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