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拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第2章 学園1年編

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第37話 陰キャ君の話




 陰キャ(ネクラ)視点




 俺は友達というものが欲しかった。こんな暗い性格と見た目じゃ、実家にいた頃も友達なんて一人もできなかった。まあ、俺にとっての友達は一種の憧れみたいなものだろう。


 ちなみに、俺の実家はこの世界一の暗殺一家、ヒキコーモリ家の息子だ。ヒキコーモリ領はある程度栄えている街だ、もちろん、暗殺で儲かった金でだけどな。


 俺の名前はネクラ・ヒキコーモリ。学園に通いつつ、俺も暗殺者として、活動は続けている。


 両親は、俺を暗殺者にすることを強制はしてこなかった。なんせ、暗殺者は人を殺すから、ストレスや精神的ダメージ、メンタルが持たないことを思ってだろう。でも、俺は何となく暗殺家業を続けている。


 暗殺一家と言っても、勘違いはしないで欲しい。狙うのはローレンティア王国から依頼された、大罪を犯したものだけを狙っている。大罪犯した指名手配犯が行方不明になったり、不自然に殺されたりしているのは、まあたぶん俺たちのせいだ。


 もちろん、更生の余地のないやつらを狙っている。今後、もしくは現在進行形で国に膨大な影響を与える人達だな。実際、この一家の活動で犯罪率は低下している。だいたいは再犯によるものが多いらしいしな。だから、この仕事を、俺は正義と思ってやっている。じゃないとメンタルが持たない。


 まあ、最初に暗殺の依頼を経験したときは、発狂しそうになるほどの罪悪感だった。でも、人間って、わりと簡単に慣れちまうもんなんだよな。


 それに、これは国のため、治安のためと言い聞かせたことと、家族の支えで何とかなっていた。大罪人を野放しにすれば、罪のない人間がまき沿いを食らう。そのまま暗殺業は続けつつ、学園にも入学した。


 学園にいても、寮に手紙として依頼が来るため、仕事は続けられる。依頼を実行に移すにしても、だいたいは放課後だ。急ぎの依頼ならたまに欠席もする。そんな毎日を送っている。


 まあ、学園自体は楽しみだった。初めての友達ができるかもと、胸が高鳴っていた。まあ、現実はそう甘くないよね。


 そんなある日、たぶん、俺はいじめられた。


 そりゃそうだ、今思えば、自分から話しかけることもできないし、そりゃ友達もできず尚更誰ともしゃべれないし、雰囲気からして暗くて弱そうだからだろう。


 普通の人なら、自分から話しかけるんだろうけどさ、できるわけないじゃん、俺に。暗殺一家で、会話も家族との最低限のことしかない。そんなの、根暗な俺ができるわけなかったよ。友達なんかできるわけないんだ。


 もしかしたら、暗殺って仕事も、特に誰かと話すわけじゃないから、続けられてるのかもな。


 まあ、そのいじめグループのちょっかいは無視を貫いた。めんどくせえもん、こういうの。


 いざとなれば、腐っても暗殺一家の一人だし、いじめグループくらいは一瞬で戦闘不能くらいにはできる。ただ、殺してしまいそうだから、手は出さねえ。でも、普通にだるいからちょっかいかけてこないで欲しいわ。


 でも、そんなときに、あの人が現れた。いじめを止めてくれた、ユリアとチーという人だ。


 ああ、きっと、ここから、大丈夫だったか?とか心配してくれて、そのまま友達になる流れか?って思ってたんだが、そのまま、チーとユリアは立ち去ろうとした。


 え、心配の言葉も無し!?助けた張本人と何も話さないの!?まずい。初めての友達になれる、かもしれない人を逃してしまう。


 俺はとっさに彼に声をかけた。ちなみに、なんでチーに話しかけたかっていうと、女子のユリアに話しかけるのがなんとなく恥ずかしいからだ。


「えっと、名前、なんだっけ」


「チー、です」


「あ、そっすか。その……あのめんどくさい赤髪ヤンキーを追っ払ってくれて、一応礼を言う」


「あ、はい」


「……」


「……」


 そのまま会話は終了した。


 ……なにやってんだ俺は!もっと、言葉使いも丁寧にしろよ!もっと、話広げろよ!あれ?俺は自己紹介してなくね!?


 てか、チーって人も入学からずっと無表情で無口だったなそういえば!この人もコミュ障だったのかよ!見た目に寄らねえな!


 でも、俺から話しかけられただけでも大きな進歩、だよな?また今度話しかければいい。きっと、陰キャ同士なら、気が合って友達になれるはず。


 それに、わざわざこんな俺を助けてくれた恩人でもある。少しずつでいいんだよな。でもなんかこんな自分がみじめで、心に穴が開いたような感じがして、大きくため息をつきながら窓の外を再び見つめた。


 数日経ったある日の夜、俺の寮の部屋当てに家族から暗殺の依頼があった。


 手紙を見て、ターゲットの名前を確認した瞬間、一瞬見間違いかと思って二度見までしてしまった。そう、ユリア・メイネルスと書かれていた。


 たしか、クラスメイトのユリアの事だよな?おいおい、それって、最初に助けに入ってくれたあの女子じゃねえか!


 そんなこと、俺にはできない……。チーといつも一緒にいるあの子だ、たぶん友達……いや、もしかしたら付き合ってるのかも?ってレベルなのに。


 俺は、助けてくれたユリアとチーの恩を仇で裏切るのか?でも、暗殺という仕事に情を挟んではいけない。仕方ないと腹をくくる。


 でもおかしい、ユリアって人はそんなに大罪を犯したようには見えない。いじめを止めに来るくらいには真面目な女子生徒だ。


 きっとあの子にはなにか、裏があるんだろうか。表向きは真面目な生徒を演じているのだろうか。


 それなら、殺るしかない。というか、そう思うしかなかった。もちろん、家族にこの依頼を断ることだってできるが。その場合、家族の誰かが確実にユリアを殺りにくるだろうな。


 でも、これは仕事だ。久しぶりに精神に来そうになるが、やるしかなさそうだ。できれば、誰かに俺を止めてほしい。さすがにそんな人、現れるわけないよな……。


 今まで失敗したのは、殺しを躊躇った最初の一回だけ。俺は自分で言うのも何だが、強い。だから、今回もきっと上手くいってしまうだろう。


 俺は短剣を2本用意して、ユリア暗殺の準備を進めた。ユリアの寮の部屋も分かっている。あとは、決行するだけだ。


 ……そう思って侵入したはずだったのに。 まさか、そこにチーがいるとは思わなくて、挙句ボコボコにされたってわけだな……。



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