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拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第3章 学園2年編

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第116話 チートの親子喧嘩




 ブルーとルーは互いに向かい合い、ブルーは感情もない真顔で、ルーは鋭い眼光で互いを見つめ合っている。


「お久しぶりですね、父さん、いや……ルー・ディザスタ」


「我が息子よ。父親に向かって名前呼びとは、舐めているのか?」


「そりゃあ、当たり前じゃないですか。僕を息子とも、人とも思ってもいなかったくせに。誰があなたを父と思うと?」


「言うようになったな。口答えするようになったのなら、しつけが必要だな。貴様は黙ってわしの言うことだけを聞いて強さだけを求めればいい」


「お断りします。僕も吹っ切れました。あなたなんて家族じゃない。あなたを倒して……いや、あなたを殺して、あなたという呪縛から解放される」


 ルーの目がピクリと動く。


「わしを……殺すと?」


「はい。いまなら、余裕でしょうね」


「貴様ぁ……わしの言うことしか聞けないように、叩き直してやる」


「ああ、それと、僕の友人たちに手を出したんだ。ただじゃ済まさない」


「友人……だと?あれほど友達など作るな、邪魔な存在でしかないと忠告したのに、貴様は友達を作ったのか!親には向かって勝手な行動をした貴様は、半殺しにしてやらあ!」


 どうやら、話は終わったようだ。なんだか複雑そうだなあ。普通に父親殺す宣言までしちゃってるし。ブルーさん目が怖いっすよ。


 ただ、ルーという父親もクズだ。自分の理想や価値観を子供に押し付け、ずっと束縛してきたようだ。


 父を殺して自由を得る。……もしかして、これがブルーが前に言っていた“新しい目的”だったのか?もしかしたら、この戦いでブルーの人生が大きく変わるかもしれないな。


 てか、ブルーの友人ってだれのこと?(すっとぼけ)


「さあ。我が息子よ。かかってくるがいい。最初から本気で行くぞ」


 しかしブルーは、肩をすくめて呆れたように言う。


「あなたを見る限り、僕は本気を出すまでも無いですがね」


「……き、貴様ぁ!」


 さらに、ブルーは手をひょいひょい手招き、挑発する。自分の息子にここまで馬鹿にされ、怒り狂ったルーは予備動作も無く一瞬でブルーに近づき、剣を振ろうとした。


 え、水流型が攻めたらそれは……。ルーが剣を振る前から、ブルーは剣を流れるように振っていた。


 ルーの剣を持っていた手が宙に舞っていた。ルーはそのまま地面に倒れ込み、手首を切り飛ばされた痛みで発狂している。ずっと感情の無かったブルーに、薄い笑みが見えた。そのままルーに近づいて、言い放つ。


「あれ?あなたが言いましたよね?戦場に感情は必要ないと、さらに僕の感情まで奪いましたよね?なのに、今、バカなどこかの誰かさんは、僕の単純な挑発に乗ってまんまと来てしまった。傑作だな」


「貴様ぁ!」


 ルーはすぐに残った左手で剣を拾いに行くが、ブルーは躊躇なくその足に剣を突き刺し、地面に貼り付け状態にされた。


「ぐ、ぐわああああっ!貴様ぁ、貴様ああああ!」


 再びルーは痛みで発狂する。


 ブルーはルーの背中に足を乗せて体重をかける。そして、ちょうど、心臓のある胸のあたりに剣を突き立てて見下ろした。


「終わりですね。どうですか?強さのみを追い求めさせた自分の理想の息子に殺される気分は」


 ルーは歯を食いしばりながらも、静かに、そして諦めたかのように返す。


「……見事だ。はあ、それだけ強ければ、我々神声教団の、神の復活にも、はあ、貢献できる。お前も、はあ、神声教団の一員に……なれ。……そして……神をあがめ――」


「断る」


 そして、ブルーは突き立てた剣を振り下ろし、ルーの心臓に突き刺した。ルーは一瞬目を見開き、ゴボッと血を吐き、そのまま息絶えた。勝負は一瞬だった。


「終わったよ、チー」


「え?あ、はい」


 ブルーは再び無表情で俺に告げる。少し、ブルーに恐怖を感じてしまった。自分の親だろうが、敵には絶対に容赦はしない。自分の人生のためなら。


 ブルーが味方で本当に良かったと思ってしまった。今の戦いを見ていたネクラ達も圧巻され、静まり返っている。


 そして、ブルーは、すでに動かなくなったルーを担いで、先生や神声教団が戦っているグラウンドの方の窓に向かう。そしてなんと、ブルーは、ルーをグラウンドに向かって放り投げたのだ。


 重力のままに落ちていくルーの遺体はグラウンドに落ちた瞬間、ぐチャリと鈍い音をたて、あまりに見るも無残な姿になった。そしてそれを見た神声教団の下っ端たちはすぐに恐怖に変わったのが、遠くから見ても分かる。


 俺も怖かった。いくらクズ親でも、ここまでできるか?異世界はスケールが違う……。俺はブルーを直視できなかった。


 ブルーはそのままグラウンドにまで響く声で言い放った。


「お前らのボスは殺した!すぐにここから出ていけ!」


 その声を聞いた神声教団の集団は一気に学園からゾロゾロと出ていくこととなった。


 ブルーだけは絶対に怒らせてはいけない。怒らせたときには多分、あのルーみたいに……ぶるぶる、震えが止まらねえぜ。



 まあ、俺もあの親子の会話を聞いて思ったことはある。


 俺の前世の親も、俺に理想を押し付けたり、褒めることもなく、口答えだと俺の意見も聞かず、子供を縛りつけるような育て方だった。


 ブルーの親も似たようなものだが、完全にブルーを物として扱い、息子として見ていなかった。その末路が、これだ。


 ブルーのやったことは、正しいのかはわからない。でも、クズ親のルーは完全に自業自得だとは思う。


 あと、単純にブルーは強すぎた。ネクラやレッドが苦戦したルーを、一瞬で葬り去った。何度も言うが、絶対に怒らせてはいけない。


 こうして、学園(俺のクラス)を狙った神声教団のルーは、ブルーによって討伐されたのだった。





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