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秋津島  作者: たま
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2章

東京の大学に入学し、女子寮に入り文化的生活に

8年ぶりに復帰した冬木 春は、ただいま青春まっさかり♪

謳歌中とは言い難い。

確かに水道ひねれば水は出る!

女子寮のキッチンは最新でキラキラのステンレスが

眩しい♪

大きなテーブルもあって、部屋まで運ばなくて

作ってすぐ食べられる。

共用の巨大冷蔵庫や

各引出しが個人に割り当てられてるから、食器や調味料など入れて保管できる。

実家の台所はガタガタの鉄板でヤカンの熱い湯を流すとベコンバコンと音が出るシロモノだった。

ガスもカチッとひねるだけで火が点く、いつでも。

がしかし、立派なキッチンがあっても食材がない!

そう冬木春の実家は山の中。

父は貧乏な小説家。

母は、山の麓の小学校で非常勤の事務。

大学は奨学金で何とか入れたが、生活費は

自分で稼がないといけない!

が、1年はとにかく出席しないと単位が取れない授業が多い。

なかなかバイトを入れられないのだ。

なんとか週3日、放課後入れるバイトを見つけたが

時給が良いので争奪戦。

シフトはなんやかんやと長く入れる上級生に取られて

教科書や教授の本を買った後は、

食費に当てられるお金がない!

ひもじい…

特売で買った豆腐2丁だけの味噌汁で腹を膨らまそうとしてると、

「またそんな食事して〜身体壊すよ!

ほら、食べな!」と

美少女改め秋津莉夏が、炊き立て丼ご飯を冬木春の

前に置いた。

「炊き過ぎて食べ切れないから食べて。

良かったら、これも」

木箱に入った上等な明太子を2人の間に置いた。

「そんなあ〜すごいの貰えないよ!」

「こんなに食べれないよ1人で。良いから食べな!」

秋津莉夏は、すごい美少女で近寄りがたいように

思われたが、

冬木春には、寮も一緒なせいか?

とてもフレンドリーに接してくれる。

学科も同じだったが、あまりの美しさに周りは

男が20人くらい、いつも取り巻いていて、

全く近付けない!

女子は、コソコソと噂話でやっかみや誹謗中傷を

言いたい放題。

秋津莉夏の周りの男子は席取りしたり、飲み物を

買ってきたり

学科での莉夏は女王様扱いだ。

全く接点は持てなかった。

が、女子寮戻ってくれば、莉夏はニコニコと春の世話を焼く。

バイトでほとんどいないので、バイトが休みの日は

一緒にご飯を食べている、いつの間にか。

絶対自分で食べ切れない量をテーブルに並べて

どんどん春に食べさせてニコニコしている。

学科で取り巻きに世話されてるときは、ちょっと

憂鬱な顔か無表情なので

よけいに女子受けが悪いが、寮での莉夏は

世話焼きなオカン感がある。

結局、明太子に焼き鮭、ほうれん草のおひたしや

味噌汁にはワカメも入れて貰ってお腹いっぱいになった。

「感謝!ありがとうね〜莉夏ちゃん!」

春は、莉夏に手を合わせ拝む。

「いいよ、いいよ、作りすぎただけだから〜

両親が共働きで忙しいから家族分作ってたから

1人分は慣れなくて。」

恩着せがましくなく、あくまでスマートだ。

学科の女子達も、こんな彼女を知れば、きっと

陰口も減るだろうが。

莉夏は、きっと昔からこんな生活だったのか?

全然女子達の悪口を気にしていない。

馬耳東風を決め込んでいる。

春なら、凹むか?偏向報道に異議申し立てに行くか?

するだろうに。

そんなところも「イイ女だな〜」と尊敬している。


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