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高等学園2-7

 洞窟の中間から少し魔獣のクラスがランクアップしていたが、僕らは順調に進む。

 そろそろ湖が見えるかな、と思ったところで、危ないのがきた。ホーンベアだ。こんな奥でクマが何をしているんだ? と思っていたが、ホーンベア、四体もいる。

 一体が二メートルもあって強敵だろう。それを見てメイドのアレクがアンディに囁く。


「何体までいけますか?」

「うーん。六人で一体をやるのが安全かな。その間、残りの二体をどうするかだけど」

「それでは、我々が二体減らしてきます」


 と言って、四人のメイドが飛び出していった。ホーンベアの脇を通り抜け、奥に出ると振り返り、奥にいた二体に対峙する。一人が気を引いている隙にもう一人がホーンベアの喉にナイフを突き刺して戦闘は終了。あっという間だった。

 メイド達は残りの二体にタゲを取られないうちに後退していく。なんという引き際だ。


「よし、僕とリリィ、グレイスとミハエルが前衛で一体ずつ止める。その隙に後衛隊が槍で攻撃。素手隊は遊撃で気を引いてくれ。いくぞ」


 と言って前衛隊が飛び出す。

 僕がホーンベアの右手をいなし、ミカエルが左手を止める。

 その間を京子ちゃんが薙刀を突き刺し、さらにその上を飛び込んだかなでがホーンベアの首を刈る。

 あ、ボールズの出番ないじゃん。

 もう一体の方を見ると、同じようにアンディとリリィが攻撃を受け、その間から後衛隊が槍を突き刺す。左右から飛び出したベティとこっちで出番のなかったボールズがホーンベアの腹に拳を突きつけている。

 最後はクララの槍がホーンベアの喉元に突き刺さって終わった。

 うむ。なかなかいいね。みんなでハイタッチ。完全に必勝パターンが出来上がってきた。


 湖が近づいてきたところで、新たな敵。奥に行けば行くほど強くなるな。で、ついに人型が出てきたよ。オーガだ。あれ、ゴブリンやオークは? 

 ちなみに、メイドさんがホーンオーガって言っていた。いや、オーガはツノがあるものだろうよ。

 だが、それが五体か。メイドのアレクは同じ提案をアンディにする。


「我々が三体を倒す、もしくはひきつけます。同じように二体をお願いします」

「わかった。ありがとう」


 と打ち合わせは終了し、またメイドたちが飛び出して後ろの三体を相手にする。さて、ホーンオーガ……もうオーガでいいじゃん、は、武器を持っている。おいちゃんの棍棒だ。


「よし、同じようにいくぞ。右はグレイスたち四人な」


 あ、初めから減らしたな。


「行くぞ!」


 と言って飛び出す。

 やることは同じだ。僕がオーガの右手の棍棒を防ぎ、ミカエルが左手の攻撃を牽制する。真ん中から京子ちゃんの薙刀がオーガの腹をつき、オーガが屈んだところをかなでが首に鎌を当てる。なかなかいい感じだな。


 アンディたちを見ると、まあなんとかなりそうだ。アンディが棍棒を抑えて、リリィはオーガの左パンチや蹴りをなんとか抑えている。その隙に何本もの槍がオーガに刺さる。オーガが固くて槍の刺さりが浅くても、数は武器だ。ついにオーガが倒れた。

 うん。無傷でここまでできるとなかなかかな。メイド達には敵わないけど。オーガについても処理をしておく。ツノだけでいいな。あとは燃やしてしまおう。



 そうしてしばらく歩くと湖が見えてくる。上からの光にあたって、水面が輝いている。その光景にしばらく見惚れていると思ったら、リリィ達が走り出した。

 で、リリィに至っては、水際の石に乗って湖の中を覗き込んだ。

 僕はリリィの襟をひく。リリィはそれに驚くが、自分の頭があったところを魚が通り過ぎたことにもっと驚いていた。


「はあはあ、ありがとう。何あれ、こんなところで魚に襲われるとは思わなかったわ」

「実は、僕も前回同じことをして、同じように助けられたんだよね」


 と言って笑う。まあ、無事でよかった。ここで、アンディが


「今日はここで野営をして帰るぞ」


 と。

 みんなして「おー」と言って野営準備を始める。

 僕は皆に大声を出すことを了承してもらってから、


「おーいこはるーついたぞー」


 と、叫んでおく。

 まあ、反応はないけど、気づくだろう。




 あらかた準備ができたところで、男性陣は釣竿を出してみる。こはるがあの魚を好きそうだったから釣っておいてやろう。

 餌はさっき持ってきたホーンベアの肉。刺身のように切って針につけて糸を垂らす。あの感じだと、すれていないだろうな。

 と思っていると、やっぱりすぐにかかる。他のメンバーも同じだ。リリィを齧ろうとした魚が入れ食いだった。

 とはいえ、こんな五十センチ近くもある魚、何匹も釣っても持っても帰れないから即終了。鱗と内臓をとって焼くことにする。


 夜になったので、火を入れ、ホーンベアの肉やさっきの魚を焼いていく。肉が焼けていくとその匂いが洞窟中に広がっていく。うーんいい匂い。

 みんなで焼けた肉から食べていく。焼き加減はメイドさんが見てくれるので、美味しく食べられる。メイドさん、なんでもできるな。

 と食事を進めていると、メイドさん四名とベティが洞窟の奥に向かって身構える。


「みなさん、逃げる用意を」


 と、アレクが叫ぶ。洞窟の奥を見ると、薄暗い中に蠢く何か。しかも大量。それが近寄ってくる。

 とりあえず、荷物は放置で武器だけ持つ。かなりの数の人型、しかし小さい、がゆっくりと近づいてきているのがわかる。


「ゴブリンの群れです」


 と、アレクが報告してくる。


「数が多すぎて対処できるか不安です。逃げることをお勧めします」


 と、そこまで言った瞬間、湖の水面が大きく盛り上がり、ザバーという音と共に現れたのは巨大な山椒魚。

 お、お前は、ツノがない。ツノがないじゃないか。ホーンサラマンダーとかじゃないのか? 

 などと考えていると。アンディが決断する。


「逃げるぞ、アレクさんのタイミングで全力で走るぞ、荷物は持つな」


 メイドさん達もジリジリと下がってきている。山椒魚もジリジリと近づいてくる。


「逃げろー」


 と、メイドさんらしくない声をアレクがあげた瞬間に、一斉に走り出した。ゴブリンと山椒魚が。ものすごい勢いで。

 僕達は固まる。が、メイドさん達は新たな危険に気がついたらしく、湖の上を見ている。そうか。なら安全だ。


 人が落ちてくる。が、広くなったところでドラゴン形態に変化。飛んで移動し、僕たちのところへやってくるこはる。着地の時は人型だ。


「お待たせ」


 と軽やかに。


「あれ、なんかあった?」


 と、聞くので、ゴブリンと山椒魚に囲まれていたけど、こはるに怯えて逃げた。と説明。


「あー、この洞窟にいたな。ただ、妾には全く近づいてこなんだがな」


 と視線を肉と魚に移す。


「食べていいのか?」


 と聞くので、うんと頷く。


「えっと、のんびりしていて大丈夫なのかな? 山椒魚とか襲ってこない?」

「妾がいれば襲ってこないぞ。近づけば逃げる奴らばっかりで、あっちから近寄ってこようとはせんしな」


 じゃあ安心かな。と皆食事に戻る。


「魚、いっぱい釣ったから焼いて食べよう」

「いつも生で食べておったが、焼いても美味しいな」

「ブレスとかで焼いたりしなかったのか?」

「これくらいの魚を焼くには調整が難しくてな」


 なるほどね。


「ところでこの奥って何があるのか知っている?」

「洞窟が続いているだけだぞ、しかもかなりな。妾が移動すると他のものも逃げるように移動するから、ゴブリンとかオーガとかの他に何がいるか知らないけどな」


 と魚を齧りながら。


「気にはなるけど、今回はここまでにしよう」


 とアンディ。それがいいな。またの楽しみにしよう。


「討伐証明のツノもいっぱいあるしな」


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