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高等学園2-4

 今日もビーチでくつろぐ。

 皆はバレーをしたり、海に入ったりして遊んでいる。

 僕はパラソルの下で寝転がって、ふと呟いてしまう。


「ラーメン食べたいな」


 それを聞きつけた京子ちゃん。


「えー、ビーチといえば焼きそばじゃないの?」

「いや、焼きそばもいいけど、汁物がなんとなく食べたくなって」

「それに、カレーとかアメリカンドックとかー」

「カレーって、香辛料探すのめんどくさくない? ものすごく食べたくなる時あるけど、そこがネックなんだよね。いつか探す旅に出てみようか。海外旅行なんてあんまりしたことないしね」

「うん」


 なんてたわいも無い会話だったが、京子ちゃんが思いついたように聞いてくる。


「ねえ、ここ海だから出汁を取れるものはあるでしょ?」


 うん取れる。


「じゃあ、塩ラーメンできない? 麺はパスタがあるわけだし。とはいえ、ラーメンの麺の作り方がわからないから、生パスタを細くして縮れさせる感じかな?」

「うん。それでいってみよう」


 ふと思う。ここの工場で産業廃棄物になっているもの。ホーンラビットの骨。肉が食べられるのだから、骨もいけるだろう。


「じゃあさ、僕は、ホーンラビットの骨を煮込んで、豚骨ならぬ兎骨ラーメンにチャレンジしてみるよ」


 僕は、皆に声をかける。


「おーい、僕らちょっと先に戻って、昼ごはん作っているから」


 と言って、皆をメイドさんに任せてビーチを離れた。




 厨房にきて、ことを始めて僕は気づく。骨を煮込むのに何時間かかるんだと。仕方ないので、京子ちゃんの塩ラーメン作りを手伝うことにした。

 ちなみに、骨を煮込むのは、料理人さんにお願いしておいた。スープが白くなるまで煮込んでね、って。笑顔で。

 麺は蕎麦打ちの要領でなんとか細麺ができた。スープも前世のラーメン屋のように奥の深そうなものではないが、できた。具としては、野菜炒めと、ホーンラビットのチャーシュー。それで十分だ。あ、卵。まあ、今回はいいや。料理長さんは、手伝ってくれながらメモを取っていた。


 皆がお腹を空かせて戻ってくるので、塩ラーメンを食べてもらった。


「これ、シンプルだけど、美味しいね。麺が変わっている」

「野菜がいっぱい取れていいです」

「肉も味がついていて、うまいな、もう三枚くらい欲しいぜ」


 などなど、感想をもらう。なかなかの高評価だ。ただ、みなフォークとスプーンで食べている。スープパスタのノリだ。まあ、こればっかりは仕方がない。箸なんてないんだから、僕らもそれに倣う。


「ひさ……美味しいなーこれ」


 と僕も食べながらいう。つい、「久々に食べたけど」って言いそうになったけど。


「スープパスタに似ていますけど、おかずが一緒に入っていて、それぞれが美味しくて。何より、手軽に食べられていいですわ。街で出したら流行るのではないでしょうか。特に労働者には塩分が求められますし。しかし、よく考えましたわね」


 とはクララの評価。さすが政治を習っているだけのことはある。


「そうだね、あらかじめ仕込んでおけば簡単に出せるし、食べる方もそんなに時間がかからない。お昼に最適かもね」


 って京子ちゃん。


 結果として、ローゼンシュタイン領から始まり、グリュンデール、そして王国中に広がった。それも急速に。

 と言うのも、麺は多くの人が作れるが、スープは海のものでなかなか作りづらい。よって、ラーメンスープをキザクラ商会が販売した。

 キザクラ商会が販売すると、王都内支店があちこちにあるため、急速に広がる。またキザクラ商会だよ、という声があちこちの貴族から聞こえてきそうだ。

 次は味噌と醤油が欲しいな。発酵自体はあるんだけどな。めんどくさいし、他の発酵食品の邪魔をしたくないから、落ち着いて研究ができるようになってからかなあ。

 しょっぱいものを食べた後は、甘いものが食べたくなるのは道理。


「メロンパン食べたいなー」


 となる。


「なになに? メロンパンって」


 とジェシカが食いつく。ビビアンも目を光らせている。


「メロンでパンを作るのかや?」


 と言うのはこはる。水をいっぱい飲んでいる。そりゃ、ラーメン三杯も食べれば喉が渇く。高血圧に注意しろよ。何歳か知らないけど。


「うん。クッキーの生地とパンの生地があれば作れると思うよ。みんなで作る?」


 といって、みんなで厨房へ向かう。目指す完成時間はおやつどきだ。今回は、手際のいいパン職人さんに手伝ってもらう。

 パン生地とクッキー生地を別々に作って、丸めたパン生地に薄く伸ばしたクッキー生地を貼り付けていく。こんな簡単でいいのかわからないが、本格的な作り方はわからないので、まあ、できればいいだろう。ちゃんと張り付いてくれればいいのだが。

 生地を貼り付けて、クッキー生地にお約束の三並べのような模様をつけて後は焼くだけ。まあ、ここまで来ると、モディファイするやつが出てくる。亀にしたり、クマにしたりね。ま、いいよ。


「ねえ、ソフィ、クリームとチョコあったよね? チョココロネ食べたい」


 と言うと、


「仕方ないなー」


 と料理人さんに頼んで、三角の金属を持ってきてもらう。よくそんなものあったな。それに細くしたパン生地を巻いていく。みんなもやりたがったので、みんなでやった。三角がなくなるまで。

 これらのパンが焼きあがるまでにチョコクリームを作る。これは、単純に混ぜればいいだけなのかわからなかったが、パン職人さんが作ってくれた。チョコクリームもあるそうだ。

 パンが焼けたのはちょっとおやつの時間を過ぎた頃。お腹も減ってきていたので、焼きたてのメロンパンとチョココロネを食べる。


「これは食感がなかなか」

「パンが甘くなって美味しいです」

「亀が可愛くて食べられないよー」


 それは知らん。


 チョココロネはパンの中にチョコクリームを詰めて食べる。


「これも美味しいですわ。パンもチョコクリームもありましたけど、それを合わせるだけで、こんなふうに楽しめるなんて。メロンパンもチョココロネも子供達に人気になりますわね」


 とケイトも政治色を出す。これらはどちらも、一つのものを作るのに二つのものを用意する必要があって、手間暇もコストも増えるのが欠点。広がってくれるかな? 

 今回のメロンパンとチョココロネはレシピというか、アイデアを完全公開した。誰でも作れるし。

 予想はいい方に裏切られ、これらのパンは割高だったにもかかわらず、人気となり、これも王国中に広まった。

 また、これが菓子パンというジャンルを作って、色々と発展していった。あんぱんもクリームパンも自然に派生していった。これはこれで満足。


 さて、煮ていてもらったホーンラビットの骨だが、夜に呼び出されていってみると、できていた。試しに京子ちゃんに手伝ってもらって兎骨ラーメンを作り、食べてみた。

 その結果、賛否両論。

 僕や京子ちゃんは美味しいと思ったものの、匂いのダメな人が続出。匂いかー。とんこつラーメンなんてこんなもんなんだけどな。仕方ない。お蔵に入れておくか。となった。



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