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高等学園ー3

 翌日から普通に授業となる。午前中は座学、午後は武術の実習。今日は武器を用いた実習。基本的に型の確認から入って、模擬戦だ。

 ちなみに、僕たち四人は零歳の時に行った魔法ぐるぐるの成果が出てきて、手足の長い現代っ子体型のくせに、俊敏性も力も人並み以上となっていた。おかげで模擬戦なんかは四人でやってろ、って感じ。授業の意味ある?

 ついでに言うと、やっぱり高等学園の先生もマーレ先生を含めて鎌や薙刀の使い方がよくわからないらしく、投げ出したかったようだ。

 とはいえ、かなでは前世で何千年も鎌を振るってきたし、振るう機会があったか知らないけど。京子ちゃんは子供の頃におばあちゃんから習ったらしい。よって、型も動きもバッチリだ。

 僕とミカエルは普通に型から習ったよ。ミカエルは元々杖を持っていたとのこと。魔法専攻に行けよ。

 僕とミカエルは木の剣、かなでは鎌の部分を、京子ちゃんは刃の部分を木にしている。模擬戦をやっているが、鎌、怖いわ。背の部分を使って牽制されて距離を詰められないわ、突進されるわ、振り回せば先っぽが刺さりそうになるし、京子ちゃんも薙刀で絡め取ろうとするけど、鎌の刃の部分が邪魔らしい。

 その上、かなではその小柄な体型を活かして最も俊敏だし。うちの猫の第一世代で言うと、コマチ的なイメージ。特攻隊長だな。

 リリィは僕と同じく両手剣を持っている。ボールズはその体格を活かして盾を持って、かつ片手剣を使っている。本当は素手での格闘がしたいらしい。




 魔法研の部室にて。


「部長、今日の実習を見てきましたが、運動能力は高いです。ただ、魔法専攻の奴らはまあ人並み、政治専攻は分かりませんでした」

「うむ、では、相手のらいらい研は脳筋六名に並の魔導士三名、頭脳は三名と言うところか」

「他は見ていませんが、六名は魔法が強ければ武術を専攻していないと思われます」

「よし、その程度であれば、いつもの作戦が使えるだろう。これで行くぞ。各自、当日に向け、魔力を蓄えておけ」




 対戦方法が明らかになる日、僕らは職員室を訪れる。そこには、相手の部長と不良上級生もいる。

 マーレ先生は、紙をこちらに出し、内容を確認させる。


「対戦方法について、異議があったら言ってください。それを私が認めれば、方法を修正します」


 とのこと。で内容は、


「棒倒し」

・コートは二十メートルかける百メートルの四角で両側にそれぞれが陣取る。

・各陣営は直径十センチ、長さ五メートルの棒を人が支えて立てる。埋めてはいけない。

・この棒が倒されるかコートから出された方が負け。

・コートから出たメンバーはその試合に再び参加できない。

・試合は三回行い、先に二回勝利を収めた方が勝ちとなる。

・試合の条件は下記のとおり。

 一試合目:水魔法を用いる。それ以外の魔法、道具、武器は使用しない。

 二試合目:魔法、道具、武器は使用しない。

 三試合目:魔法を用いる。魔法の属性は問わない。道具、武器は使用しない。



「すみません。ちょっとだけ相談していいですか」


 僕らはちょっとだけ離れたところで、相談する。


「単純なゲームだが、それはそれで難しいな」

「一試合目と三試合目はわかるのですが、二試合目はなんでしょう」


 と疑問のジェシカ。


「おそらく、数で圧倒するつもりだろう。こっちは十二人、あっちはおそらく五十人くらいだろう。そうすると、こっち一人を抑えるのに四人も使えるってことだ。多分、第二試合は絶対落とさないつもりだろう」

「じゃあ、どうする? 一試合目と三試合目で何かあるか?」


 と話し、マーレ先生に要求する。


「先生、一点お願いがあります。試合開始前から魔法の詠唱をしないようにしてほしいです」


 魔法研はニヤニヤしている。


「いいぜ、新入生に魔法の詠唱の仕方を実践で教えてやる」

 



 帰り道、僕は皆に伝える。


「もしかしたら、見られているかもしれないから、特にジェシカたち魔法専攻は、授業とかでド派手な魔法とか使わないでほしい」

「ド派手なって何よ。でも、わかっているわ、他の子と同じくらいにする」

「いや、それくらいしかできないから」


 とベティ。


「まあ、目立たないようにするわ」


 とビビアン。

 他にはあるか? と見てくるので、


「よし、らいらい研の制服を作りに行こう」


 と皆を誘った。そして、キザクラ商会で服を注文する。期日まで五日しかない。服をおそろいで合わせるとなると、数日で十二着を作ってもらうことになった。

 この日は、そのままキザクラ商会のスタジオで少し話して解散。

 

 翌日は休みだったので、皆で僕の家に集まった。

 僕と京子ちゃんは巨大な布、縦一メートル半、横十メートルの白い布を買ってきた。みんなで横断幕を作ろうと思って。試合で濡れても滲まないように油性のペンキを買ってきた。両サイドに棒をつけて、両サイドで立てられるようにした。

 また、うちの訓練場でみんなの魔法を確認しあった。どれくらい使えるのかと。水魔法は基本なので、王国学園の時にみな習っている。しかも飛ばすこともできた。


「どうする? 相手は数が多いから、手数で負けるかもしれないな」

「コートから出されたらアウトだけど、それくらいの魔法を撃ってくるってことかしら」

「同時に二発三発当てられたら、吹き飛ばされるかもしれないな」

「すると、結構やばいんじゃない?」

「なんとか動き回ってかわす?」

「でも、それに集中すると、相手が攻めてきて棒を倒されちゃうかも。想定としては五十人なんでしょ?」


 なかなか難しい。


「三試合目の魔法ならなんでもありは、どんな魔法が飛んで来るんだ?」

「一番考えうるのは風魔法かしら。それと防御には土魔法も使うかも」

「火の魔法は?」

「あれは実際には危ないけど、土魔法の壁や水魔法で水を出せれば消せるはず」


 うーん。第一試合が勝てれば第三試合も勝てそうなんだけどな。


「みんなはどんな魔法が使えるんだ?」

「私は四属性使えます」「私もです」


 とクララとケイト。なんで君らは魔法専攻じゃない?


「僕は水と火と風」


 これはアンディ、


「俺は水と土だな」


 はボールズ。


「私たちは、四属性に加えて光魔法が使えます。ちょっとだけだけど」


 はマリンバ隊。


「私も四属性使えるよ。あまり強くないけど」


 とリリィ。マジで? って顔で見たら、腹にこぶしが飛んできた。


「僕ら四人は火と水だな」


 と言っておく。練習していないって言うのもあるけど。


「悪いんだけど、特に風と土を見せてほしいんだけど。それに光って何ができるの?」


 と、マリンバ隊にお願いする。


「光ってのは、怪我を治したりとか、体力を回復したり、毒素を抜いたりとか健康に関わるところかな」


 と、ジェシカが説明してくれる。僕の認識どおり。

 風魔法は、空気を生み出して飛ばしている感じかな。

 土魔法は結構危ないな。壁を出すのは想定どおりだけど、石が飛んでくるのはちょっと勘弁してほしい。


「土魔法に弱点ってないの?」

「うーん、なかなか難しいかもね。よっぽど強い魔法なら抜けるかもしれないけど」


 ちょっと手詰まりだな。第一試合で負けたら、第三試合も同じような状況で負けそうだ。第二試合も物量作戦だし。


 なんだかんだでさらに三日たち、試合前日。キザクラ商会にて


「かっこいいじゃない、この制服」


 とご機嫌なのはリリィ。


「うん、うちの黒薔薇の団服を真似してみた」


 前を合わせるタイプで、ボタンが二列に並んでいる。いわゆるトレンチコートタイプ。下は足首まであり、スカートのように長い。


「袖が取れるんだな。俺はノースリーブでいいや」


 とボールズは袖を外してしまう。まだ、春なのに。


「一応、耐火性能があるから、ちょっとした火は大丈夫だと思うけど、頭は守られないから気をつけて」


 僕は、この団服の機能を紹介していく、が、明日は使えない道具を仕込む必要がない。


「最後の手段は肉弾戦だからね」


 と言っておく。道具も武器も使えないけど、手足は使える。


「任せとけ」


 とはボールズ。本当にそんな事態になりかねない。その場合は、集中砲火を受けるかもしれないな。ボールズの肩を叩きながら、「任せた」と言っておく。


 今日はゆっくり休んで、魔力を貯めるようにお願いして解散した。


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