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王立学園ー5

 翌日、今日からまた学園が始まる。今日は座学で歴史や算数といった六歳や七歳向けの授業。僕らは眠気に抗いながら一日を過ごす。


 その次の日は魔法の授業の日。ちょっと楽しみだった。先生はリーファ先生。低学年は女性の先生なのかな。例の如く午前中は座学。魔力についての話が中心だ。座りながら、魔力を感じるところから始めている。一番最初に、


「じゃ、いくね」


 と優しい顔をして、殺気全開にした時には、泣き叫んであれこれ流す生徒が続出した。僕は逆に殺気を返すかなでとミカエルを抑えることになったが。


「これも魔力の一種だよ。感じることができたってことは才能があるってことだからね」


 って、慰めになっていない。授業はいったん中止され掃除と着替えの時間だ。子供相手に何をしているんだか。再開した直後、先生は言い放つ。


「この授業では何度かこうやって殺気を飛ばすからね。殺気に慣れておかないと、実戦の時に動けなくなることがあるからね、子供の頃から慣れておけばいいからね」


 だってさ。そう言われると必要なことかとも思ってしまう。騙されているような気もするが。

 まあ、このクラスは魔法Sクラスだ。それなりに魔法の素質があるのだろうし。鍛えられる素質もあると考えられているのかもね。


 魔法の授業では基本的なことを繰り返すみたい。なぜなら、魔法はイメージ力と操作力が大事だからだ。

 イメージをもつことが大事なので、先生は、呪文についての話をしていく。ベースとして水魔法を例にしている。一番イメージしやすいしね。


「まずは水の精霊様にお願いします。「水の精霊よ」って感じでね。それで手のひらに水が溢れてくるようなイメージを持って「水を生み出せ」って唱える。うまくいけば水が出るわ。でもここでやらないでね。教室が水浸しになっちゃうから。午後の実習でやってみましょう。すぐにはできないかもだけど、繰り返し練習しましょうね」


 と。


「もし、なかなかできなかったら、水をいっぱい触ってみましょう。掌にある水をイメージできるようになることも大事ですよ」


 とのこと。


 午後は実習になる。今日も訓練場に集合だ。リーファ先生は、


「それでは午前中の復習をしますね」


 といって、水のイメージを思い出させる。その上で、


「呪文を唱えてみましょう。行きますよ、さんはい」


 って、みんなで利き手を前に突き出し、呪文を唱える。水を顕現させるだけなので、呪文は単純だ。

 だけど、なかなかできるようにならないところが低学年の宿命かな。学園で学ぶことになっているので、どこの家も魔法を教えていないらしい。うちもそうだったし。

 ということで、この一年間は、水を出せることが目標。出せた生徒は出した水を動かすことを練習するみたい。初日でそこまではやらないだろう。僕ら四人は余裕だけど、他の生徒に合わせたように調整している。


 今日の授業を聞いて実感した。

 魔法、めんどくさいな。

 確かにイメージでどうとでもなりそうだけど、単純なことだったら、魔法陣が最強だ。スイッチ一つで魔法が発動するのだから。

 例えば、ファイアバレットであれば、炎の元を生み出して、熱をもって燃やし、それを飛ばすというイメージを持って始めて発動する。しかも、それを明確に効率よくイメージするために呪文を唱える。そんな暇があったら、魔法銃のスイッチを押せばいい。

 ただ、魔法陣を使った魔法は単純だけど。例えば、ファイアバレットにホーミング機能を持たせるとかは、魔法陣に組み込めない。そういうのは魔法を発動しないといけない。が、そこまでイメージするのは超高等テクニックとなる。

 そこまで習うのはきっと、この学園を出て、高等学園に入ってからかな。ほぼほぼ将来騎士団の魔導士部隊に入る者が習うものだろう。


 授業の最後に僕は聞いてみた。


「先生、魔法の種類ってどんなものがあるのですか?」


 と。いずれ習うのだろうけれど、今日は習うより慣れろを実践したみたいだ。


「これから先、学んでもらいますが、魔法は、火、水、風、土、光と闇があります。皆さんは、それぞれイメージしやすいものがあると思います。それが得意魔法になります。今後、ゆっくりと試していってくださいね」


 とのこと。光と闇はイメージが難しいけど、光には治癒も入るのかな。闇は、魔力を吸い取るドレインなんかも入るのかな。呪いの魔法もあるのだろうか。こういったものを防ぐ魔法は何になるのかな。イメージ湧かないな。


「先生、もう一つ聞いていいですか? 冬に服を脱ぐ時にばちばちしますけど、あれはなんですか?」


 先生は何を聞いているのか? という顔をしている。僕は、電気の魔法があるのかどうかを知りたかった。多分、電子の動きだから、魔法もしくは魔法陣でなんとかなるだろう。でも、電気魔法は聞いたことがない。光魔法になるのかな?


「ふふふ。突然なんですか? あれは精霊のいたずらって言われていますよね。もしかして魔法だと思っていました?」


 って無邪気な子を見るような顔で微笑んでいる。火の魔法では燃える多分ガスを生み出して燃やしているが、それは何かが燃えていることをイメージできているが、電気はイメージできないってことか。


「では光魔法とは?」

「イメージ的に闇と対をなしてそう呼ばれています。治癒とかエンチャントとか正のイメージですよね。逆に闇はデバブのような負のイメージです」


 じゃあ、正の魔法とか負の魔法とかにすればよかったのにね。

 まあ、ちょっとした目標ができた。電気の魔法陣を作ろう。

 治癒の魔法陣は患部とか色々その時によるから魔法陣は難しいだろうな。擦り傷とかは大丈夫だろうけど、薬屋さんが困るよね。

 だけど電気か。コイルと磁石があればできるから魔法陣じゃなくて普通に発電所を作れるかな。そうなると国策だな。そっちは放置か。

 電気で動くものを作ってからだな。電球とか。モーターは発電にも道具にも必要だな。でも、電気とモーターがあれば、なんでもできそうだ。電池で魔力を供給し続けられるし。EVも作れそうだ。色々楽しみだな。


 今日の授業は色々考えるいいきっかけになったな。でも、今後の授業はあまり面白そうじゃないなとも思った。何せ、やっぱり魔法陣の方が便利だ。

 だけど、魔法を使うトレーニングはしないとな。技術開発にも自分で魔法を使ってみないと魔法陣がみられないし。




 こうして僕は王都の生活をそれなりには楽しんでいた。学園では子供らしく魔法や武術を学び、家では身体と魔力強化を、商会では技術開発を。

 ちなみに、子猫の心配は不要だった。カゲツとシュウゲツがちゃんと雌猫を連れてきた。妊娠した状態で。どちらも四匹をうみ、一年に八匹も増えることになった。僕はもう、名前をつけることを諦め、それを彼らには納得してもらった。ただし、武勲をあげたらつけてやると。ま、そんな機会はないだろう。ちなみに魔力ぐるぐるは一緒に暮らしているかなでとミカエルにもお願いした。


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