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小説フルコース

魚料理:夢の跡の残り香

作者: 川里隼生

 ダイヤ岩手。東北キズナリーグという女子セミプロフットサルリーグのクラブだった。二〇二〇年、新型コロナウイルスの感染拡大により赤字を抱え込んだ女子セミプロフットサルリーグたちは業界再編を決行。日本各地のリーグを統一してクラブ数が大幅に削減された。


 東北キズナリーグは五クラブで構成されていたが、仙台市を本拠地とするベリー宮城に四クラブを吸収合併させ、東北ユナイテッドとして新生リーグで再スタートを切った。初年度の成績は最下位。優勝した大阪を筆頭にして西高東低に並んだ順位表の中でも、著しく勝ち点が少なかった。


 数少ない勝利のひとつを、秋の岩手で得た。東北ユナイテッドは東北地方各県で少なくとも年一試合、ホームゲームを開催している。その試合が行われたのは岩手県立沿岸体育館。かつてダイヤ岩手が本拠地としていた、海の見える体育館である。


 漁港が近いことから、スタジアムグルメも獲れたての魚の刺身や貝のバター焼きなど、豪勢なものが多かった。今はただ、年に一、二回だけの出番を待つ静かな場所となっている。体育館周辺を散策していると、どこかからやってきた海の香りと歓声が、ほのかに鼻や耳を刺激するような気がする。

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