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異世界帰りの米蔵さん88才・今日も元気に徘徊中  作者: 安ころもっち


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1/5

01.

頭からっぽで読んでね。

米蔵さん88才は今日も元気にお散歩中です。

お日様に照らされ近所の公園までの散歩道。歩きなれたその道も、なんだか新鮮に映ってしまいます。


「キャーー!」


そんな平和な風景に、女性の悲鳴が聞こえます。米蔵さんは何事かと思い、声のした方へ向けて足を進めます。


「や、やめて下さい・・・もう私、あなたとは別れたじゃないですか!」

「だから付き合ってた時に奢った分を返せっていってんだよ!別れるって事は、そういうことだろっ!」


あまりにも酷い男の言い分に、思わず米蔵さんの血圧は上がってしまいます。


「だ、だれかー!」


女性は周りを見渡し・・・米蔵さんと目があいます。


「だれかーー!」


米蔵さんから目をそらした女性がさらに周りに助けを求めていたようです。

その時です。米蔵さんの目が赤く光ったのは。


スキルを発動する時のその眼の光。それが煌めけば米蔵さんのはもう勇者の血がお祭り騒ぎなんです!

実は若い頃に異世界へ行っていた米蔵さん。


『俊足』スキルを発動させ、男の前に立ちはだかります。

そして男に『殺気』を飛ばし、ひるんだ隙に『超重力(グラビティ)』で地面へ押さえつけ無力化してしまいます。


そして男を動けないままにしておくと、座り込んだ女性へゆっくりと手を伸ばし「大丈夫ですか?お嬢さん」とイケてるボイスで囁きます。


「は、はい。大丈夫です」

「おや、肘から血が・・・『回復(ヒール)』これでもう大丈夫・・・じゃあ『防壁(プロテク)』もうしばらくの間は大丈夫。気を付けてお帰り」


そういって米蔵さんは女性から手を離し立ち上がります。

ちょっと膝が痛んだようで「くっ」と声が出てしまいますがそこはご愛敬。


「あ、あの!お名前は・・・」

「なーに、名前なんて・・・忘れたよ。じゃあな」


そうして颯爽と去っていく米蔵さん。


そして一時間後、米蔵さんは無事、コンビニでボーっとしているところを保護されました。

めでたしめでたし。

お読みいただきありがとうございます。安ころもっちです。

全三話 次は16時に更新します。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

そんな方は下の☆☆☆☆☆を押してい頂けると嬉しいです!

もちろんブクマやコメント、レビューなどもいただけると飛び上がって喜びます。


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